夏休み明け、母子登校がうまくいかないときに最初に確認したい3つのこと

 

夏休み明け、母子登校がうまくいかないときに最初に確認したい3つのこと

こんにちは。やましたです。
夏休みが終わり、約1か月経過しました。

「母子登校が始まった」
「付き添っても泣いて離れられない」
「せっかく1学期に少しずつ慣れてきたのに、また振り出しに戻ったみたい…」

こんなお声を本当にたくさん耳にします。
実は夏休み明けは、ゴールデンウィーク明けに続いて 「不登校・母子登校が増える時期」

この記事では、そんな時期に「親が確認しておくといい3つのこと」をお伝えします。
「がんばって連れて行かないと」「このまま不登校になったら…」と不安になる気持ちもわかります。
でも、焦って新しい作戦を試すよりも、まずは立ち止まって「今どんな状況か?」を整理することが大切です。

 

① 生活リズムはどうなっている?

夏休みの間、どうしても生活リズムは崩れやすいですよね。
夜更かし、朝寝坊、ゲームや動画の時間が増える…。

2学期が始まると、子どもたちは急に朝型の生活に切り替えなければならなくなります。
大人でも休み明けに仕事に行くのがつらいのに、子どもならなおさらです。

あるお子さんのケースでは、夏休みは夜10時就寝・朝9時起床が習慣になっていました。
新学期になって「7時に起きよう!」と親子で決めても、体が追いつかない。
結果、朝の準備がバタバタし、学校に行く前から親子で大ゲンカ。

このご家庭では、まず「1週間かけて就寝・起床を30分ずつ早める」工夫をしました。
すると、朝の衝突が減り、母子登校でもお子さんの表情が落ち着いてきたり、早寝早起きになるにつれて「自分をコントロールできている感」が得られたようで、自信があるような発言や行動がみられるようになりました。

 

このケースでのポイントは、「リズムは一気に変えようとしない」ということで、大人も含めて「ちょっとずつ慣らす」を基本に考えました。

 

② 子どもの心の中で何が起きている?

母子登校や不登校の背景には、「心の中の不安」や「安心の不足」があります。

「1学期はなんとか頑張れたのに、2学期になったら拒否が強くなった」という声はとても多いです。

あるケースの男の子は、1学期は母子登校で、教室に入るときに泣くこともありましたが、頑張って行けていました。
ところが夏休み明け、「ママがいなきゃ無理!」と玄関から動けなくなりました。

お母さんは「せっかく慣れてきたのに…」と落ち込みましたが、実際には「安心できる母親との関係が強まった証拠」でもあります。

子どもは「一番安心できる人」に甘えを出すもので、
母子登校は「親への依存が強いからダメ」ではなく、「安心を求める自然な姿」でもあるともいえるかもしれません。

 

「この子はまた弱くなったのでは…」と思いがちですが、「そうか、夏休みに一緒に過ごしたからこそ、私と離れたくないのね」と捉え、安易に「分離不安症」だとか、「HSC」なのではと考えず、もう少しフラットに見る・考えることが大事かなと思います。

 

あまり不安が強い子・繊細な子と思い込みすぎると、腫れ物に触るような対応しかできなかったり、不安を取り除こうとしすぎてかえってちょっとしたことに過剰反応してますます学校が怖い…となってしまうこともあるからです。

 

ポイントは「子どもが今、どんな安心を欲しがっているか」を見極め、お子さんの気持ちそのものは否定せず、「そういう気持ちなのね」と気持ちを受け止めることが次の一歩につながることが多いです。(そのうえで、分離を頑張ろうねと声をかけたほうがうまくいきやすい)

 

③ 親自身の気持ちはどうなっている?

実は一番見落とされがちなのが、親自身の気持ちです。

「なんでうちの子だけ…」
「このまま一生学校に行けなかったらどうしよう」
「もう毎日がつらい」

こうした声を、私は数えきれないほど聞いてきました。

あるお母さんは、毎朝玄関で泣き叫ぶ娘さんを前に「もう私も学校に行きたくない」と心の底から思ったそうです。
「母として弱音を吐いてはいけない」とずっと耐えてきたけれど、支援の中で涙を流したとき、初めてお子さんが「ママもつらいんだね」と言葉を返してくれました。

親が涙を見せること、弱さを認めることは、子どもにとっても「本音を出していいんだ」と感じられる瞬間になります。

弱いところをみせてはいけないとか、かえってプレッシャーになって、子どもに無理させるのでは…と思われるかもしれません。

でも、お母さんだって人間です。

人間らしさ・お母さんらしさをみせるのは、私はわるいことではないと思います。

 

ポイントは「親が一人で抱え込まないこと」であり、カウンセリングや支援を受けるのは、親のためであり、子どものためでもあります。

 

ケーススタディ:母子登校から不登校へ、そして再び歩み出した親子

小学4年の女の子。
夏休み明けから登校しぶりが強くなり、母子登校も続かなくなりました。

お母さんは「ネットで調べた方法」を全部試しました。
「朝は必ず起こす」「行けたらご褒美」「行けなかったらゲーム禁止」…。
でも、こじれる一方。

私がお母さんにまずお願いしたのは「子どもを観察して、1日20分記録してみてください」ということでした。
怒った言葉、泣いた場面、笑った瞬間…。

続けていくうちに、お母さんは「この子は怒ってるんじゃなくて、怖がってたんだ」と気づいたとおっしゃっていました。
その後は「大丈夫だよ、怖いよね」と声をかけられるようになり、親子の関係が大きく変化しました。

時間はかかりましたが、少しずつ再登校が始まりました。
そして何より、お母さんが「子どもの気持ちがわかるようになった」と感じたことが大きな転機でした。

 

まとめ:母子登校は「親子で育つ時間」

不登校や母子登校は、親にとっても子にとっても大きな試練です。
でもそれは「失敗」ではありません。

大切なのは、

  • 子どもを症状や数字で見ないこと
  • 生活リズム・心の不安・親の気持ちを丁寧に見直すこと
  • 親子が「一緒に育つ」視点を忘れないこと

母子登校は、「親子の物語が深まる時間」とも言えるのかもしれません。

 

もし今、付き添い登校や不登校で悩んでいるなら、まずは「一人で抱え込まないこと」をおすすめします。

親子で安心して話せる時間をつくる。
そして必要であれば、専門的な支援を受けてほしい。

MIKURUMIRUは、単なるノウハウではなく、親子の物語に寄り添う支援をしています。
もし「一緒に考えてほしい」と思われたら、どうぞご相談ください。

 

 

 

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それでは、今回はこれで終わりたいと思います。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。また次回のブログもお読みいただけると嬉しいです!

まいどん先生(公認心理師)

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