ペガサスタイプの子どもに適した母子登校の取り組み方
ブログをお読みいただきありがとうございます!まいどん先生です。
今回は、特にご質問が多いペガサスタイプについてや、母子登校について、記事を書いてみたいと思います。
👇過去のペガサスタイプに関する記事はこちら
1: 母子登校とは?ペガサスタイプの子どもの特徴と現状
一般的には付き添い登校といわれるもので、私は相談をいただくケースのほとんどが「お母さんの付き添い」であることから、わかりやすく母子登校と表現をしています。
この母子登校というのは、お子さんの状況によってさまざまで、お母さんの通勤ついでにお子さんについて行き、校門でお別れできるケースもあれば、がっつり朝から最後まで付き添うケースなど様々です。
1-1: 母子登校の基本的な考え方と定義
通勤ついでの付き添いであっても、朝「行きたくない~!」と大泣きからのスタート…なんてこともあり、仕事があるお母さんからすると気が重いものです。
また、がっつり最後まで付き添うケースについてはお子さんの状況であるとか、学校の配慮(キャパ)によってもかなり違います。
校内付き添いであってもまだお母さんの心が守られるのは空き部屋(別室)を用意してもらい、そこで待機するパターンです。
お子さんは自分のクラスで授業を受け、休み時間にお母さんに会いに来て、エネルギーチャージをします。
お母さんがおひとりでスペースを使わせてもらえるばあい、おうちほどのんびりはできないですけれど、まだひとりの時間を確保できます。
つらいのは、「ママ、廊下にいて」「ママ、教室にいて」というパターンです。
夏は暑いし、冬は寒い廊下で、授業を受けるわが子のためにじっと耐える…つらいです。ほんまに。
教室の後ろで見守らないとあかんのも、つらいです。
1日はなんとか耐えられても、続けばメンタルは簡単に崩壊します。
1-2: ペガサスタイプの分類とその主要な特徴
まずはお子さんの特徴をざっくりと捉えるため、「5つの動物タイプ」を拙著では描いていますが、実際支援をする際はほとんど動物タイプのことにはふれません。
ペガサスタイプといっても、お子さんによって性格は様々だからです。
ただ、傾向としては、ルールを守るのを嫌う・自分の思い通りにしたがる・マイペース…といったお子さんが多いのがペガサスタイプです。
1-3: 母子登校が注目される背景と課題
昨今、低学年の不登校が増加傾向にあるのですが、母子登校も現場の肌感覚的には増加しているように思います。
その理由の一つとして、教育機会確保法ができたことが関係している可能性があると私は考えています。
教育機会確保法では、「学校を休むことも認めましょう」といったことが書かれており、文科省では、「誰一人取り残されない学びの保障」をということを言っています。
以前は、「学校が怖い」「学校に行きたくない」と思う子たちの選択肢が、学校に行くor休むの二択しかなかった。
けれども、配慮をもらいながらなんとか「登校ができるなら、ぜひお母さんもついてきてあげてください」という学校が増えてきた。
以前は「引っ張ってでも連れてきてもらえれば、こっちで対応します。お母さんと離れればけろっとしてますよ」という先生が多かったんですが、「無理な登校の促し」がややタブーとされている昨今、お母さんが付き添って登校するというのもひとつの選択肢としてありでは?という考えに変わってきているということがあると思います。
でも、上に書いたように、母子登校って、お母さんのメンタルをかんたんに崩壊させるんです。
「なんでうちの子だけ行かれへんの?wisc検査も受けたけど、問題なしやった。どうしたらいいの?」…と。
👇母子登校について過去記事はこちら
2: 母子登校における発達障害の理解と対応
ただ、母子登校をされているケースのなかで、「発達障害と診断された」「発達障害のグレーと言われた」ということもあります。
2-1: 発達障害の種類と子どもへの影響
発達障害には、「ASD」「ADHD」「LD」などがあります。
ざっくり説明しますと…
「ASD」…自閉症スペクトラム(自閉症スペクトラム障害)といいます。コミュニケーションや対人関係の構築に困難さがあったり、特定のことにこだわりがあるなど、「社会性の障害」という表現をされることもあります。
「ADHD」…注意欠陥多動性障害といいます。年齢あるいは発達にくらべ、注意力が足りなかったり、衝動的であったり、落ち着きがない様子が見られます。 「LD」…学習障害(限局性学習症)といいます。知的な発達に遅れはないけれど、読み書き計算など特定の課題の習得だけがほかに比べてうまくいかないといわれます。学校での学習到達度が1~2学年程度遅れたりします。 |
ASDは割と早期に〇歳健診のときなどでみつかることがあるのですが、ADHDやLDなどは学校に入る頃に発覚するということがあります。
また、難しいのは愛着形成がうまくいっていないケースでは発達障害に似た様子を見せる場合もあるので、見極めが難しいといわれており、LDなど検査を受けようにも、「〇年生以降じゃないと検査ができません」と医療機関で言われてしまい、1年の間は理由がわからないまま母子登校を続けることになる…ということも珍しくありません(T_T)
2-2: 発達障害の特性をふまえた母子登校の取り組み
発達障害のお子さんが学校に通うとなった時に論点になるのが、
「インクルーシブ教育or分離教育」だと思います。
インクルーシブ教育というのは、ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)という言葉からきていて、
「社会の中ですべての人々が平等に参加し、自分らしく生きることを実現する。障害など関係なく誰もが社会の一員として尊重される」
とし、通常級でほかのお子さんと授業を受けたり、支援級に籍をおいていても交流をとりながら学ぶスタイルです。
分離教育というのは、「難病や障害があるないで切り離し、別々の環境で教育する仕組み」のことで、そのお子さんに合ったカリキュラムを組んでその子のポテンシャルを最大限に発揮するという視点ではありですが、同じ学年の子たちとの交流の少なさから、インクルーシブ教育とは真逆で、反対意見も多いです。
発達障害のお子さんの母子登校を乗り越えていくうえで難関になるのが、お母さんと離れることです。
学校でお母さん以外に頼れる先がいない。安心できる場がない。そういった理由で離れられないケースが多く、学校内で「2人目のお母さん」といいますか、そのお子さんにとって安心できる先生を配置していただかないとなかなかお母さんと離れられない…ということがあります。
2-3: 支援級や別室登校の活用方法
以下、私が地方議員の先生向けセミナーで解説する際につかう文面なのですが、
文科省が2022年4月に出した「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」の通知では、支援学級の児童生徒は「授業時数の半分以上」を支援学級で学ぶこととされました。
通知は、インクルーシブ教育をより一層進めるべきという立場から、「特別支援学級に在籍する児童生徒が、大半の時間を交流及び共同学習として通常の学級で学び、特別支援学級において障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じた指導を十分に受けていない事例がある」とし、このような場合は通常の学級へと学びの場の変更を促すとともに、特別支援学級在籍の子どもに対しては、原則として週の授業時数の半分以上を目安に特別支援学級で授業を行うことを教育委員会に対して求める。
枚方市教委はこの通知を受け、2023年度から、支援学級に在籍する児童生徒は週15時間以上、支援学級で指導することとした。一方、特別な指導に必要な時数が週1~8時間の場合は、通常学級に在籍し、全校に設置する予定の「通級指導教室」で「通級指導」を利用するとしている。通常学級在籍の児童生徒に付き添いが必要な場合は、退職教員や大学生などの「特別支援教育支援員」をつけるという。
要点としては、「支援級に在籍しながらも交流級で学ぶケースが多くあるけれど、それはお子さんそれぞれにあったカリキュラムを組んで対応しているとはいいがたく、支援級で学ぶ子ならば週の授業時数の半分以上を特別支援学級で学ぶべきであり、特別支援学級に在籍しなくても週に数時間ほかの教室で個別指導を受けるという対応が可能な子ならば通級指導を受けるようにしましょう。」ということを文科省は言っています。
ただ、この「通級指導」というのが通われている学校にはなく、「支援級に行くか通常級に行くか」の二択になりやすいのが現状です。
発達グレーのケースは通常級に通われることが多く、「サポートが必要。でも、学校も加配の先生をつけられない。お母さんがついていないと学校にいけない」ということに悩まれている…そんなご家庭が多いです…。
3: 母子登校のメリットとデメリットの分析
母子登校のメリットとしては、不登校にならないという点かと思います。
例えば、1年生のお子さんが入学直後から学校にまったく行かなくなるのと、母子登校を継続するのとでは、お子さんが「いずれひとりで学校に行こうかな。行きたいな」と思うかどうかに差が生まれやすいです。
しかし、デメリットとしては、無理に母子登校を続けることで親子関係が悪化したり、お母さんのメンタルがボロボロになったり、お子さんが自分に自信を無くしたり、学校アレルギーのようになってしまうということもあり得ます。
3-1: 母子登校の利点:安心感と親子の絆
母子登校を継続していくうちに、お子さんが学校に慣れて「ママがいなくてももう大丈夫」と自然と離れていくということもあります。
特に慎重なタイプのお子さんの場合、新しい環境をじっくり観察し、自分の立ち位置などを確認して、「よし」と思えば大丈夫というタイプの子もいます。
不安がつよい子にとっても、学校が安心できる場だと思うことが大事なので、お母さんが「大丈夫。そのうち慣れるからね」「できることが増えてるね」と、支えになってあげることで、安心感を与え、親子の絆を深められるということがいえます。
3-2: 母子登校の負担や課題:保護者の負担
ただ、一方で…
やっぱり毎日学校に付き添うのってきついんですよね。
「学校にいい思い出がないんですよね」というお母さんだと特にきついです。
「学校が好きでした」というお母さんにとっては、まだましだという意見をいただくことがあるんですが、やっぱり各方面に気をつかいますし、しんどいものです 😥
母子登校が長期化すると親子ともにどんどん疲弊していくこともあるので、母子登校を継続したほうがいいかどうか…というのは個々のケースによるよなぁ…といつも思います。
3-3: 母子登校を行う際の家族と学校の関係作り
個人的には、学校の先生がたがどれだけお母さんやお子さんに寄り添えるか?が大事だと思っていまして、「元教員でした」というかたと母子登校についてお話をしていると、「え、それって10年前の話しですか?」と言われることがあります。
(学校の対応が冷たすぎないか。そんなに配慮がないもんですか…と驚かれる)
教頭先生が学校を巡回されていて、優しくお子さんに声をかけてくださる学校もあれば、「正直迷惑なんですよね…」と言いたげな感じでお母さんに「早く離れて行けるようにしないとね」と声をかけてくる学校もあります。
学校現場としても、思うところがあるのかもしれません。
でも、保護者の視点で考えると…孤独ですよ。これからも私、こんな学校にうちの子通わせるの…?と迷いますよ。
だって学校が迷惑そうにしてるんですもん。そんな扱いを受けて、「それでも前を向いてやってこ♪」なんて思えないですよね…。
4: 教師や学校との連携について
もし学校が親身になって話を聞いてくださる場合は、ご家庭でのお子さんの様子をしっかりと学校に共有していく必要があります。
4-1: 担任や学校側の対応方法とポイント
お子さんの性格や特性をご理解いただくことがとにかく大事です。
私たち人間は、どんなに慣れ親しんだ場・人であっても、相手によって微妙に態度を変える生き物です。
環境に適応をして、キャラを使い分けています。
学校で見る子どもの様子と、家庭内での子どもの様子とでは結構違いがあるものなので、学校での様子を先生からじっくり伺い、家庭での様子を先生にしっかり共有するということが必要です。
家庭では、平日と土日とでどんな違いがあるのか。
家庭と学校との様子の違いから、本人は日々の生活にどれくらいのストレスを感じているか。
学校の合理的配慮はどのようなものが必要か。
子ども側の努力として、どのようなことを求めたほうがいいのか。
周囲の大人たちは、どのように本人に声をかけていくのか。
…などなど、学校と家庭とで方向性が一緒になるように話し合ったほうが「チーム」でかかわることがしやすくなります。
4-2: 教室の環境整備と別室利用の提案
学校によって対応の差があるとは思いますが、例えば、
お母さんの別室利用をご提案いただいたり、
教室内でお母さんが付き添いをするにしても極力本人がひとりで授業を受けている感覚を持てるようにお母さんは教室の後ろでパーティションを置いてもらってそこで過ごしたり、
担任の先生以外の先生方との交流を積極的に行いながら、校内で「親以外の誰か」に困った時に頼れるように関係性を築いていく
…ということが方法としてはありかなと思います。
4-3: 先生への理解を促進するためのアプローチ
先生に家庭内での子供の様子を共有されるときの伝え方として、
「事実と主観を分けて伝える」ということを意識していただくことをおすすめいたします。
例えば、お子さんの朝の様子を説明してくださいと言われたとき、
「子どもは今朝しんどそうでした。ご飯を食べて、学校に行きたくないんだなぁって…」というようなことをつい言いがちなのですが、
この説明の仕方だと、
「しんどそうだった」→どのような様子を見てそう感じたのか?
「学校に行きたくないんだな」→誰の意見なのか?
…ということがわかりません。
「子どもがぼーっとしながら一点を見つめていた」という事実に子どもがしんどそうに見えたのはお母さんであり、実際は、ただ眠いだけでぼーっとしていたかもしれないのですが、その状況に加え「しんどそうにしていた」という親の主観が入ると、事実がゆがんで伝わってしまいます。
「学校に行く準備にいつもより5分手間取っていた。手間取った理由は、トイレにこもる時間が長かったから」という事実に対し、「トイレにこもるほどつらいんだ…学校に行きたくないのね…」と捉えたのはお母さんであり、実際は、ただもりもり朝ごはんを食べたので腸が活発になり、トイレにこもっただけかもしれません。
でも、その状況に「学校に行きたくないと思っているのだろう」という主観が入ると、これまた事実がゆがんで伝わってしまいます。
「今朝は子どもがぼーっとしながら一点を見つめていました。ご飯を食べた後、トイレにこもり、学校にいく準備にかかる時間がいつもより5分ながくかかりました」というのが事実。
「それを見て、親は、ぼーっとしている様子にしんどいのかも?と思いました。トイレにこもったのは、葛藤しているのかな…と不安になってしまいました」というのが親の主観です。
このように分けて伝えてくださると、第三者からすると、「その主観は違うかもしれませんよ」と話がしやすくなります。
事実と主観を分けて伝える。むずかしいですが、意識をしていただくとご夫婦での連携の際にも役に立つと思います。
5: 母子登校の準備と日常の実践方法
学校との連携を意識しつつ、朝のやりとりで実践しやすい流れとしては…
5-1: 母子登校前日までに準備すべきこと
お子さんの自立度合いや学年にもよるのですが、もし低学年のお子さんの場合でしたら、親御さんが声をかけて一緒に明日の準備や宿題をされてもいいかもしれません。
ただし、声のかけすぎは過干渉になり、かえって逆効果になる場合もあります。
ポイントとしては、
・日々のルーティンを親子で作ってしまう(例:帰宅後〇時になったら宿題、明日の準備は〇時から など)
・親からの声掛けの頻度は極力控えめにする(一度声をかけて伝わらなければ時間をある程度おいてから再チャレンジ)
の2点です。
日によって親の干渉度合いや声のかけ方・頻度が異なると親子ともにストレスなので、ルーティン化させることをおすすめします。
そしてある程度親が言わなくてもよくなれば、声掛けを減らしていくねと宣言して、親の干渉を薄めて本人に任せると良いかもしれません。
5-2: 日常のスケジュールと母子登校の進め方
母子登校あるあるなのは、お子さんの様子をみて、親御さんが「今日はここまで頑張ってみる?」「今日は無理しなくていいんじゃない?」と、本人に求めるハードルを日々変えてかかわるということです。
これは状況を見て柔軟に対応されているともいえるんですが、違う視点で見れば、
「日によって頑張ったねと言われるハードルが異なるので混乱してしまう」関わりともいえます。
昨日は3時間目までお母さんが付きそいをした後お母さんが帰宅できたので「頑張ったね」と言われたのに、
今日は同じく3時間目になったらお母さんに帰ってもらったのに、当日いきなり「今日は2時間目までにしない」と言われ、それは無理だというとお母さんはがっかりして、昨日と同じく3時間目まで頑張ったのに、それでは褒めてもらえなかった。
これ、子どもからすると、しんどいんです。
ひとって、まっすぐ、一直線に成長するものではなく、いったりきたりしながら、あがったり下がったりしながら変化し、成長していくものです。
「昨日できたんだから、今日はもっとできるでしょ」と思うのは親であって、本人はそうではない場合が多いです。
ハードルをあげることを急ぐと、子どもはある一定のところから「もう無理!」と爆発してしまうこともあるので、もしハードルをあげるならば突然当日に言わず、前もって話し合って決めておいたほうがいい場合があります。
6: 子どもの自立を促すためのアプローチ
不登校や母子登校を乗り越えようとしたときに、お子さんの自立がひとつテーマになるケースがあります。
6-1: 自立を目指した母子登校のステップ
すべてのケースがそうだというわけではなく、そういうケースもある…ということで書かせていただくのですが、支援を差し上げるケースの中には、お子さんの自立度合いが学年相応でない場合もあります。
理由は様々で、低学年のうちはうまれ月によって発達・成長度合いに差があるということや、通っていた保育園や幼稚園で受けた教育に差があることや(重視されてきたことが園によって違う)、家庭内で過干渉や過保護のかかわりがあったということもあります。
低学年のうちは親御さんの干渉がある程度必要だとは思うのですが、時々、「これはさすがに親が干渉しすぎてしまって、子どもの主体性をうばってしまっているな…」と思うこともあるので、もし「うちは声をかけすぎてるかも」と思われる方がいらしたら、家庭内での声掛けを見直してみてもいいかもしれません。
6-2: ひとりでの登校へのプロセスと支援、子どもの変化を見つけるための観察ポイント
お子さんをどう観察して、声掛けを見直すのがよいか?については、いま公式LINEにご登録いただいた方限定で「母子登校・不登校解消ステップ」というものをお送りしておりますので、もしよろしければご利用ください😌
👇不定期で母子登校・不登校解消のヒントをお届け!公式LINEはこちら
👇こちらもよければご覧ください
7: 母子登校に関する親の不安と乗り越え方
母子登校は孤独なたたかいです。どんどんお母さんの心を蝕んでいき、親子の関係性を崩してしまうことが往々にしてあります…。
7-1: 親が感じる大変さとその心理的課題
こちらは以前書いたブログの内容なのですが、母子登校中のみなさん、こんなことをおもっていませんか?
子どもがひとりで学校に行けなくなって、家にこもるようになって、なんだかどんどん幼くなってる気がして。
思い描いてたみたいに成長しない。
頑張ろうとしないように見える子どもの姿をみるとイライラして仕方がない。
学校に休みの連絡いれたり、一緒に学校まで行って、別れ際に泣いたりハグやタッチを求められる。
「ママ嫌い」と言われたり、叩かれたりもする。
ああそうですか。私の頑張りは今までなんだったんだろう。
この子を愛そうとして、こころから可愛い…!とぎゅーっと抱きしめまくって、ニコニコ笑ってたあの日は何だったんだろう。
全然子どもが可愛いと思えないし、お荷物だとか、この子がいなければとか、迷惑かけやがってとか、そんなことを思う自分が怖いし、嫌い。愛したいのに愛せない。
自分が自分じゃないみたいになって、苦しくて仕方がない。
不登校や母子登校に悩むと、こういうふうにお母さんの心をどんどん蝕んでいきます。
まず、何で子どもが行けなくなったのかがわからなくて、迷宮入りしちゃうんです。
色々調べたり読んだり観たりして、一瞬はこれがうちには合っているかな?とか思うけど、
なんか違うし、誰かの成功例をみてやってみようとするけど、なんかうまくいかない。
やってもやってもうまくいかないということは、挫折経験をひたすら積み重ねてるってことですよね。
ずーっとやってはダメだった…を繰り返してたら、もう、自信なんてなくなります。
やってもやっても変化を見せてくれない子どもにムカつきもして、
こんなにやってるのになんで!
逃げるな!
ふんばれよ!
頑張れよ!学校行けよ!!!!
と思っちゃうものです。
でも、そんなことを言葉にしちゃったら、「親のくせに」「毒親」みたいに言われるんじゃないかと思って吐き出せない。二重で苦しい。
さらにご主人が自分の苦しさを全然わかってくれないとか、母親の子育てのせいにして「いつかこうなるんじゃないかと思ってた」と言い出すとか、おじいちゃんおばあちゃんがよかれと思って「こうしたらいいんじゃない」と色々意見を押しつけてくる。三重で苦しい。
さらに上の子下の子も不安定になってきたり、兄弟喧嘩が酷かったり、仕事に穴をあけまくって謝り倒すとか、辞めないといけなくなるとか、もう自分を保ってられないです。
消えてしまいたい…と思ったりもして。
毎日ギリギリの精神状態で、なんとか生きてる…みたいになったりもして。
これ、そのうち朝起きられなくなります。
感情がなくなっていって、表情も変わらなくなって、幸福感を全然感じられなくなります。
そうやって心が壊れてしまった後、お母さんも自分の人生を楽しく生きられないし、子どもたちもお母さんに愛されてる気がしなくて、いつも不安に駆られてしまうし、ご主人ともかみ合わないから夫婦の間に流れる空気もなんか変だし、子どもはそんな環境で育つことになるわけで。
それをわかっているから子どもに優しくしようとしても、ズタボロになったお母さんは限界を超えてるのでちょっとしたことで子どもに攻撃的になってしまう。
もう、ずーっとつらい。
ずーーっと報われない。
とにかく逃げ出したい。
…そんなお母さんの、避難場所になりたい。わたしはそう思ってます。
周りからみたらきっと私はダメな母親?そんなことは絶対にないです。
お母さん、ちゃんと毎朝子どもを起こして、ご飯作って、食べさせてるじゃないですか。
着る服もちゃんと洗濯してあげてるし、助けてと言われたら手を貸してあげてるし、常に子どものことを見て安心安全でいられるようにしてるじゃないですか。
そんなお母さんのどこがダメなんですか?
そんなこと言うやつがいたら私のところにつれてきてほしいです。
その時は、お母さんがどれだけ苦労してこられたか。あなたにこの苦しみわかります?て、私は大激怒します。
見えないところでちゃんとお母さんはやってんだよ!
子育てから逃げたいって思っても逃げられないんだよ!
文句言うなら代わりにやってみろよ!
全部背負う覚悟がないなら中途半端に口出しするな!!!
その「よかれ」は逆に相手を刺してるんだよ!!って。
👇続きはこちらからご覧ください
7-2: 支援を受ける際のポイントとアドバイス
ひと昔まえと比べると、今はいろんな支援があります。
・教育相談(教育委員会の相談窓口)
・スクールカウンセリング
・教育支援センター
・親の会
・フリースクール
・カウンセリング(医療機関)
・カウンセリング(民間)
不登校や母子登校の相談となると、お子さんを学校に戻すためのサポートをしている機関もあれば、お母さんのケアに注目している機関もあれば、お子さんのケアに注目している機関あり…様々です。
ご家庭に合う相談場を探してみて、勇気を出してだれかに相談してみる…というのもひとつだと私は思います。
7-3: 親自身の負担軽減策と時間の使い方
お母さんのひとりの時間の確保というのは、不登校や母子登校のお子さんを支えるうえで重要な視点になります。
お母さんだってひとりの人間。プライバシーがないと、簡単に崩壊するからです。
もしもお母さんがそばに居なくてもお父さんがいれば少しの時間お留守番ができるお子さんであれば、お父さんがお休みの日に思いっきりお昼寝をしたり、お出かけすることも大事です。
夜はお母さんの時間!と決めて、お父さんに家事を手伝ってもらうようにお願いするのも手です。
ご家族に頼ることが難しい場合は、親子でマンガ喫茶に行って、それぞれ集中する時間を作ってみたり、「1時間、『ママ』はおやすみでーす。個人の『真理子さん』に戻りまーす。真理子さんの時は、私はママにならずに違うことするので、お願いね」と宣言して、家庭内でお子さんとは別々の部屋で過ごせないか試みてもいいかもしれません。
お母さんの心が壊れては遅いので、可能であればご自身の時間の確保も意識していただけるとうれしく思います。
それでは、今回はこれで終わりたいと思います。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。また次回のブログもお読みいただけると嬉しいです!
まいどん先生(公認心理師)
👇応援よろしくお願いします!!
にほんブログ村
👇Instagramはこちら