
【不登校・母子登校】「うちの子、発達障害?」診断名がつかない「ぽさ」の正体と4つの背景
「うちの子、発達障害なんでしょうか」
不登校や母子登校のご相談を受けていると、保護者の方からこう聞かれることがあります。
…たしかに、こだわりが強いなぁ。
切り替えが苦手だったり、予定変更に弱かったり。
朝になると体が動かない。学校のことを聞くと怒る。
でも、病院では「診断まではつかない」と言われる。
この状態に、親御さんは困りますよね。
診断がつけば全部解決する、というわけではないけれど、でも、診断がつかないと、困っていることまで「気のせいです」と言われたような気持ちになったりして。
「いやいや、先生。気のせいなら、こっちはこんなに毎朝、玄関でサスペンス劇場を開演していないわけでして。」
そんなことは先生に言えないので、「はあ…そうですか…」としか言えない。そして、もやもやする。
毎朝、いいところまでは準備が進むのに、固まってしまう。あと一歩が出ない。
親からすると、「なぜそこで止まるの?」と思いますし、子どもからすると、「なぜかそこで無理」なのだと思います。
「なぜか」の中に、いくつもの「っぽさ」が重なっていることがある。と私は考えています。
※この、「ぽさ」は山下特有の呼び方であり、心理学的に・一般的に言われている表現ではありません。
たとえば、「発達障害っぽさ」
感覚の敏感さ、見通しの立たなさ、切り替えの苦手さ。
たとえば、「愛着の不安定さっぽさ」
お母さんから離れたいのに離れられない。
安心したいのに、近づくとイライラしてしまう。
たとえば、「経験不足っぽさ」
友達とぶつかる。
失敗する。
断られる。
少し気まずくなる。
でも、また仲直りする。
昔なら、近所の公園や空き地や、よくわからない異年齢の集団の中で、そういう「人間関係の小さな練習の場」がありました。
今は、それが少なくなっていますよね。
子どもたちは、家庭という安全な場所と、学校といういきなり本番の場所のあいだにある、ちょうどいい練習場を失いやすくなりました。
家庭では守られているけれど、学校では急に集団生活が始まる。
そのあいだの、転んでも大ごとにならない場所が少ない。
つまり、今の子どもたちは、いきなり舞台に立たされているようなものです。
リハーサルは少なめで、観客は多めで、照明はまぶしめ。
しかも台本は配られていない。いや、無理。
それで「はい、自然にやってごらん」と言われても、なかなか難しい子がいます。
不登校や母子登校の背景を考えるとき、大切なのは「原因をひとつに決めつけないこと」です。
「これは発達障害です」「これは愛着の問題です」「これは親の過干渉です」と、ひとつの言葉で片づけないほうがいいのです。
もうひとつ、今の家庭で起こりやすいのが、お母さんに役割が集中しすぎることです。
お母さんは、安心させる人であり、起こす人であり、学校に連絡する人であり、先生に説明する人であり、ゲームを止める人であり、宿題を確認する人であり、明日の予定を伝える人でもある。
もはや、家庭内総合窓口。市役所なら番号札を発行しているレベル。
でも、子どもから見ると、ここで混乱が起きます。
甘えたい相手が、管理する相手にもなる。
安心したい相手が、「明日どうするの?」と聞いてくる。
近づきたいのに、近づくと現実の話が始まる。
すると、子どもはお母さんを求めながら、同時に拒むような態度を取ることがあります。
「来ないで」
でも、離れると不安。
「うるさい」
でも、見ていてほしい。
「学校の話しないで」
でも、本当はどうしたらいいかわからない。
この矛盾した態度に、親は傷つきます。
ただ、ここで「わがまま」だって思ってしまうと対応がずれてしまうことがあります。
お母さんが全部の管理者になりすぎているなら、学校とのやりとり、生活リズムの調整、登校の段取りなどを、少しずつ外に分けたりして、お母さんはできるだけ「安心できる人」としての役割に専念できるように調整できるのが望ましいです。
だけどこれは書くのは簡単でもお、現実には難しいですよね。
不登校や母子登校は、子どもの甘えだけでも、親の育て方だけでも、学校だけの問題でもありません。
いろいろな「っぽさ」が重なって、今の状態になっていることがあります。
「うちの子、何かの診断名がつくほどではない。でも、明らかにしんどそう」
…この感覚は、決して気のせいではありません。
名前がつかない困りごとにも、ちゃんと理由があります。
そして、理由が見えてくると、関わり方は少しずつ変えていけます。
大切なのは、子どもを無理に動かすことではなく、
子どもが動けなくなっている構造を、一緒に見つけていくことだと思います。
その一歩として、今回の動画では、不登校や母子登校の背景にある「っぽさ」についてお話ししています。
診断名では拾いきれない子どもの困りごとを、少し違う角度から見てみたい方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。
それでは、今回はこれで終わりたいと思います。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。また次回のブログもお読みいただけると嬉しいです!
まいどん先生(公認心理師)
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