行き渋りが一週間以上続いている場合、何を考慮すべきですか?
ブログをお読みいただきありがとうございます!まいどん先生こと山下です。
1年を通して、様々なご家庭からのご相談をいただいていますが、年度替わりの4~6月は、不登校や母子登校の手前の「行き渋り」についてのお悩みを多くいただきます。
そんな行き渋りについて、どのような視点で周囲は本人をサポートするのがよいのだろう?ということをテーマに記事を書いてみたいと思います。
「小学校に行きたくない」と泣く1年生
小学生1年生のお子さんたちにとって、3~4月は環境が大きく変わる時期です。
3~6年ほど幼稚園や保育園に通っていたお子さんたち。
楽しく遊び、お友達と仲良く過ごし、お遊戯で思いっきり自分を表現し、お昼寝をしたり、楽器を演奏したり…
「子供らしさ」が見られれば見られるほど、
のびのび育っていていいね。
子供らしくっていいね。
給食をたくさん食べられてかっこいい!
マイペースなのもいいね。
…と言われて、自分を肯定され、自分も自分を肯定し、安心して通えていたお子さん。
そんなお子さんにとって、4月からの環境では何が混乱するかと言えば、
評価基準の変化
がひとつあげられるのではないかと思います。
これまで、こどもらしさとしてある意味評価されてきたのが、学校にあがると「落ち着きがない」「先生の指示に従えない」「のんびりすぎる」などと、真逆の評価を受けることもあります。
また、お子さんの知能の特徴というのはそれぞれなので、一斉授業の時に視覚優位な子にとっては「今日はこんなことをするよ」と黒板に書いてある・ないで授業についていくのがかんたんor必死ということもあるでしょうし、
ワーキングメモリーがやや低めの子にとっては、先生の指示がマルチタスク的だと(指示がいっきに2つ3つ出されると)パニックになることもあるでしょうし、
情報処理能力がやや低めの子にとっては、どんどん授業が進行していくことについていけないということもあるかもしれません。
また、生まれ月の問題で、「学年」で見た時に、ほかのお子さんよりも幼いなんていうこともあると思います。
小学校に入学後は、「自立」を求められるわけですが、高学年にもなれば生まれ月による差が見られなくなっていきますが、低学年~中学年のお子さんは、まだまだ能力値がバラバラな学年です。
そんな中で、みんなについていかないといけない…というのは、ストレスを感じるでしょうし、負荷が高くて当たり前だと思います。
「学校に行きたくない。ママといたい」
ですから、「学校が怖い」「学校に行きたくない」「ママといたい」という発言がでるのは、ある意味自然なことだとわたしは思っています。
最初の頃はわけがよくわからなくても、とりあえずは新しいランドセル。制服。環境。
…そういったものにワクワクしたり、好奇心の高さであったり、小学生になったんだから頑張るぞというやる気により頑張れるものの、ちょっとずつ「学校とはこういうところなのか」ということがわかってくると、不安が出てきやすくなります。
一度「何か…学校…こわいな」と思うと、「あれも」「これも」と色んなことが気になりだします。
どんどん不安が膨らんでいって、朝になるとなんだかおなかがいたくなったり、家を出る直前に固まってしまう。
そういう子が増えるのが1学期です。
むしろ、そうなるのが当たり前だと思っておいたほうがいいのではないかと私は思います。
大人でも、新しい環境で仕事をするとなれば、仕事のやりかたを学ぶのに必死だし、人間関係構築でも苦労をするし、通勤だけでも疲れるものなので、こどもの世界でも、当然同じことが起こるわけです。
行き渋る子どもの発言に、「何を言ってるの。まだ1年でしょ。そんなんでこれからどうすんのよ」と否定的な反応をするのではなく、「そりゃそうだ。慣れないんだもん。今は疲れやすかったり、不安があったりするのは当然だよね。大人だってそうなんだもん」という肯定的な反応をされたほうがいいというのが私の意見でして、
自分の感じた気持ちそのものを「そんなことを考えてはいけないんだ」と思い無理をしていると、どこかで乖離が起きて爆発してしまうからです。
本人が感じているであろう疲労感をわかろうとする。
慣れない学校から帰ってきた子に対して、あれもこれもやらせようと無理をさせない。
…ということを意識して、「1学期の内に慣れていけばいいかな」という長い目をもって見守る
ことをおすすめしたいです。
「小学校に行きたくない」に対して、親は休ませる?休ませない?
そこで、よく質問に上がりやすいのが、

…という内容なのですが、私の回答としては、

ということです。
よくあるのが、こんなやりとりです。





注目すべきは、子どもは「行きたくない」と気持ちを言っただけであり、「休みたい」とは言っていないという点です。
親が「行きたくないということは、休みたいってこと…よね?」と勝手に頭の中で変換してしまい、話をややこしくしてしまっているパターンというのを非常に多く見かけます。
じつは、母子登校はこんなふうに親の先読みによりスタートしていった…というケースがめずらしくないので、まずは「行きたくない」という気持ちに対して、理解を示す(そうだよね。行きたくないね。なら休もうかという同調や結論を出すというのはしない)ということが大事だと私は思います。
まとめ
行き渋りが長く続くと、「そのうち本当に学校を休む日がくるんじゃないか」という不安から、親御さんがイライラしてしまうことが増えていきやすいです。
朝からバトルになり、喧嘩をしたモヤモヤも相まって学校に行こうにも気持ちが切り替わらなくて休んだり、母子登校になるということも珍しくないです。
ですが、大人に当てはめて考えてみると、環境変化によるストレスというのは当たり前にあるもので、「大人と子供はちがう」「こどもなんだから。まだ低学年なのに、今から環境についていけなくてどうすんの」という考えではなく、そりゃあそうだとわかろうとする姿勢が求められます。
お母さんもお仕事をされていたり、下の子の送迎があるとタイムリミットがありイライラしてしまいやすいとは思いますが、できるかぎり冷静に、会話を先読みしないように心がけながらお子さんとかかわってみることをおすすめしたいなと思います。
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それでは、今回はこれで終わりたいと思います。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。また次回のブログもお読みいただけると嬉しいです!
まいどん先生(公認心理師)
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