「小さな大人」を求めて子どもに厳しくなってしまう
ブログをお読みいただきありがとうございます。まいどん先生です。
まだまだ寒い日が続きますので、皆さんご自愛くださいね!
子どもなのに「大人のふるまい」を求められてしまう「小さな大人」
色んなご家庭のカタチがあります。
親御さんの性格や、お子さんの性格や、親御さんの育ってきた環境や、今の子育て環境。
どのご家庭もそれぞれ異なり、価値観もそれぞれです。
子育ての正解はないので、私が日頃発信している情報においても、「これはうちに合う考え方」「うちには合わない考え方」と、同じ情報でもご家庭によっては有益な内容になることもあればならないこともありますね。
今回ふれてみたいのは、子どもなのに「大人のふるまい」を求められてしまう「小さな大人」についてです。
これは私が支援をしている時に感じることで、私が勝手にそう表現しながらご家庭を分析しているのですが、これはどういうことかというと…
(例 小1の子どもに対し、親は…)
・妹がお姉ちゃんと遊びたがっているのだから、妹に遊びを合わせてほしい
・食事中、大皿にのせたおかずをみんなの食べている量を見て、自分だけがたくさん食べないように気をつけてほしい
・母親が疲れて休んでいる時に「遊ぼう」と言わずに、疲れを察して肩を揉んだり、家の手伝いをしてほしい
・公の場で他人様に迷惑をかけるような振る舞いをしないでほしい
・親が困るようなことをしないでほしい
・家の中で騒がないでほしい
…と、このように、小1の子であればできなくて当然なことも「できて当たり前」と捉え、かつ、できないと厳しく関わってしまっているご家庭があります。
そういったご家庭には、「小1の子に状況を読んでそこまで求めるのはさすがにハードルが高いですよ。この年齢ならばできなくて当たり前ですよ」とアドバイスをして、「そうか。求めすぎだったのか…」と新たな価値観を得ていただいているのですが、親御さん自身はそれまでは「むしろそれが普通」だったため、驚かれることがあります。
子どもは子どもらしいふるまいをしてよいですし、むしろそれが子どもの仕事でもあります。
ですが、子どもでも「大人のように察して生活する」ことをついつい求めてしまって、子どもが子どもらしく振舞えなくなっているケースがあります。
なぜ子どもに「ちいさな大人」を求めてしまうのか
お話をきいていますと、多くのケースでは、「親自身がそう育ってきたから」ということが殆どです。
子どもの頃から子どもらしいふるまいを許されなかった。
周りに迷惑をかけてはならない。
公園に行っても服を汚さないで帰ってきなさい。
わがままは許されません。
自分でできることは自分でやりなさい。
そんなふうに、小さなころからお利口さんを求められて、そう振舞わざるを得なかったというお母さんは少なくありません。
おうちの中でお利口さんでいることが、家族全員がおうちの中で穏やかに過ごせる方法なのだ、と。
しかし、子どもの頃から子どもらしい振る舞いを許されなかったことで、「傷ついたままの子ども時代の私」は存在し続けることになります。
子どもの頃に「本当はわがままを言ってみたい」「お母さんを困らせてみたい」「周りの子みたいに素直に甘えてみたい」と思っても、それができずに抑圧された感情が残り続けてしまって、大人になっても、のびのびしている子どもを見かけるとなんだかイライラしたり、憎らしく感じてしまうことがある方もいます。
他人に対して寛容になれないし、他人様に迷惑をかけるような人を見ると心から軽蔑したり、厳しく関わってしまう…という方もめずらしくありません。
そして、わが子においても、のびのびしていることが認められず、おなじように「小さな大人」としての振る舞いを求め、子どもにもおなじように「お利口さん」になる道を歩ませてしまうことがあります。
「うすうす自分でもわかっていた」という人も多い
家庭教育のまなびとともにカウンセリングを受けていただき、その中でこういった話をお母さんにしてみた時に、
という方もいます。
と話してくれる方もいます。
本当は子どもには子どもらしくふるまってほしいのに、そのようには関われず、ついつい厳しくなってしまう。
そんな自分が嫌で、変えようと思ってもなかなか変えられなかったのだ、と。
しかし、「山下先生に話を聴いてもらって、『うんうん、そうだったのね。つらかったよね。でも、子どもと過ごせる時間は限られてるよ。私がそばにいるから見ないようにしていた部分も勇気を出してみてみない?』というような言葉がけをもらうと、自分と向き合ってみようかなと思えます」と言っていただくこともあります。
テクニックとして「こういう時はこう振舞えばいい」「こう返せばいい」「この年齢の子には、だいたいこういうことを基準にハードル設定しましょう」ということをお伝えすることは簡単です。
でも、お母さんの中に「自分は子どもらしいふるまいを認められなかった」ということが残り続けていると、テクニックを駆使してわが子に関わってみても、お母さん自身が「本当にこれでいいの?もっと厳しくするべきでは…?」という思いが時々浮かんできて、苦しむことになります。
なぜなら、自分はそうやって大人になったからです。
「自分とは違った低いハードル設定をして、それを乗り越えられたところで、子どもの頃の私はもっと出来てたよ…?大丈夫…?」と。
しかし、「自分は小さな大人を求められてきて大人になったけれども、抑圧されてきたあの苦しさは子どもには味合わせたくない」「子どもには、子どもらしくていいと伝えていきたい」というふうに気持ちが変わっていくと、徐々に「もっと厳しくしないといけないのではないか」という、どこか恐怖心にも似たような感情が薄くなっていきやすいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の内容は、アダルトチルドレンの内容にも近いところがあるかなと思います。
別に虐待をうけてきたわけでもないし、とても恵まれた環境で育ってきたはずなのに、なんだか子どもの頃から生きづらかったと仰る方は少なくありません。
そういった方の話を聴いてみますと、実はお母さんが子どもの頃に「こどもらしくふるまえず、常に周りの目を気にして、何歩先のことを考えて行動し続けてきた。でも、自分も妹や弟みたいに親にわがままを言って甘えてみたかった」というお話になることがあります。
その時、多くの方は昔を思い出しながら泣いてお話をされています。抑圧されて大きくなったというのは、目には見えませんが、心に大きな傷を負ってしまったままであることが多いなと感じます。
実は、そういう気持ちを抱えたままの方はめずらしくありません。
まずはわが子には「こどもらしく振舞って良い」という視点で関わってみると、子どもについつい厳しくなってしまうということが無くなっていくのかもしれません。
スタンドエフエムでも『小さな大人』についてお話しています。
よければあわせて聞いてみていただけると嬉しいです(*^^*)
それでは、今回はこのへんで終わりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
親まなびアドバイザー まいどん先生
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