低学年のお子さんがいるご家庭からよくいただくお悩み
ブログをお読みいただきありがとうございます。やっと(?)焼き芋を食べられた公認心理師の山下です。
娘の自己主張が多くなり、ちょっとしたことでわーっと泣いたり、怒ったりするのを見て、私も皆さんと同じように、「こんなことで泣くのかかわいいな」と思うこともあれば、「宥めるのが面倒くさいから、頼むからこれで遊んで気を紛らわせてくれんか…」と思うこともあり。
こちらが何かやりたいことがあるとか、余裕がないと、ついわかろうとするのではなくスムーズに物事が進まなくなることを阻止しようとしてしまい、雑なかかわりになるものですね。
いつも思うんですけど、「こう考えればいい」って言うのは簡単ですけど、実践する側からするとめちゃくちゃ難しいですよね。
世のお母さん、皆さま本当にお疲れ様です…
さて、今回は低学年のお子さんがいるご家庭からよくいただくお悩みをご紹介したいと思います 🙂
本人はいつになればパワーがたまり、ひとりで行けるようになるのか?
不登校や母子登校(付き添い登校)をされているご家庭からよくいただくご相談です。
これについては、色んな意見があると思うのと、ひとりでの登校が難しくなっている理由や原因はそれぞれのご家庭によって異なるということが前提で、私なりの答えとしては、
専門家の先生の言う用語がそもそもピンときていない可能性があるということです。
「丸い食べ物を思い浮かべてください」と言われて、まんじゅうを思い浮かべる人もいれば、クッキーを思い浮かべる人もいます。
同じ言葉を使ってお話をしていても、相手の考える「丸い食べ物」と自分の考えるそれは違うかもしれない。
前提が違うと、なんとなく会話はできてもちゃんと理解していないあるいは伝わっていないまま話が進んでしまうので、あとになって「ん?あれってどういうことなんだ?」とわからなくなりがちです。
ですので、例えばSCに相談をされるときに、気をつけていただきたいのが「なんとなく、ん?と思った言葉をそのままにしない」ということです。
「パワー」とは何か?「エネルギーとは何か?」
どうしたらそれは満たされるのか。家でできることとは何か?
…ということを、疑問をもって聞くことが大事かなと私は思います。
よくあるのは、「学校で必要以上に頑張りすぎた結果、学校がしんどくなっている。学校に通うというエネルギーが不足しているから、そのエネルギーはおうちで補充してあげましょう。一緒に絵本を読んだり、お風呂に入ったり、お話をしたり、抱きしめて大好きよと伝えてください」ということをSCの先生は言いたかったというお話です。
実際に支援を受けられてご家庭を観察・分析してみると、私から見てもエネルギー不足と思うケースもあれば、違う角度から見て見るとエネルギー不足ではなかったなんてこともあります。
おやつの時間がくるまで我慢ができません
おやつの時間を決めるかどうかというのは各ご家庭のお考えによるのですが、もしもこのようにおやつの時間を決められている場合はどうしたらいいのか。
上の項目で、「パワー」「エネルギー」の話が出てきましたが、例えば学校をお休みしたり、お母さんの付き添いをしながら学校に行っている子の場合、こういう時にお母さん方は
「エネルギーを満たすということは、不満を持たせないということでもあるの?好きなことをさせたらエネルギーが満たされるの?もしそうならば、おうちのルールなんか無視して、食べたいといったときに満たしてあげるべきなの?」
と、判断に困りがちです。
愛情不足と言われたケースなんかは特に、赤ちゃんがおなかがすけばミルクをすぐに与えられたり、おしっこをしてオムツが気持ち悪いならばすぐに取り換えてあげるなど、自分の欲求に対してすぐに母親が応じてくれる状況を作り、愛着形成を意識していきましょうと言われることもあります。
もしも「エネルギーを満たす」というのが、↑のような取り組みをすべきならば、決めていたおやつの時間をいったんなくして好きに食べさせるのも手なのかもしれません。
ただ、よほど愛着形成に課題がある場合でなければ、私は基本的にはルールは徹底したほうがいいと思っています。
学校をお休みしているしていないに限らず、おうちで決めたことは一貫して守っていくということを親子でしておいたほうが、
「今日は13時に食べていいけど、明日はだめ」
「今日はお昼いっぱい食べたから、おやつはいつもの15時じゃなくて15時半ね」
…と、都度お母さんがいつおやつを食べさせるかを考えたり決めなくていいですし、子どもも「なんで昨日はよくて今日はダメなの」ともやもやすることもありません。
ずっと決めたルールのまま過ごしていけば、親子ともに「そういうもの」として過ごせるので、余計な悩みや選択や判断を増やさなくてよくなります。
実際、このような話をして実践してみていただくと、「意外と子どもはすんなり理解して受け入れてくれてびっくりした」なんてお話をよくいただきます。
朝起こしの時間は日によって変えてはだめですか
めちゃくちゃわかる…と思いつつ、私の回答としては、まず、自分で起きられるように練習させましょうということです。
というのも、「今日は早く起きてほしい」「今日はゆっくり寝てほしい」というお母さんの都合で朝起こしの時間が変わるということは、微妙にお子さんの睡眠時間やリズムが日によって変わってしまうということでもあります。
お母さんに起こしてもらうことが当たり前になっている子の場合、親の都合で寝るのが遅くなったり早くなったり、起きるのが遅くなったり早くなったりするので、なかなか自分でリズムをつけて生活を送っていくことができなくなりがちです。
お母さんに起こしてもらうことを前提にしていると、リズムがついていないこともあり、日によってお母さんが起こしたときにスッと起きられる日もあればそうでない日も出てきて、お母さんの負担が強くなってしまいます。
ですから、そもそも子どもと話しあって目覚まし時計を活用したりしながら、自分で起きる練習をさせましょう。自分で決めて起きるということを繰り返しやっていくうちに、生活リズムは勝手に整っていくということもありますし、お母さんもまた、いつも子供が起きてくる時間が決まっているので、朝の過ごし方も変に子供に振り回されずに過ごせるという考えです。
先生の本を読んでかかわりを変えてみているのですが…
状況によって、なぜ「試し行為が増えたのか」が異なるのですが、よくお見掛けするのは、
いきなり本で書いてあることを全部実践しようとした
ということが原因であることです。
これまでお母さんがランドセルを背負わせてあげたり、宿題の声掛けをしていたのに、いきなり説明なしに手伝ってくれなくなるとか、宿題はあなたの問題なんだからと何も言ってくれなくなったら、
「お母さんは自分のことに関心を持たなくなったのではないか」
というような不安をもってしまうことがあります。
家族がいきなり態度を変えるというのは逆の立場で想像すると、ちょっと怖くありませんか。
あるご家庭では、母子登校の本をお子さんにも読ませて、「そうそう、僕もこんなふうに声をかけられたらやる気になるんだよ」と言われたということもありますし、ほかには、親子で「ママはこれからあなたの成長のためにこうしようと思っているんだけど、どうかな」とお話をされていることもあります。
そういった話をしておけば、子どももお母さんの態度や言葉かけの変化の理由がわかっているので安心です。
このように、前もってかかわりを変えていくよということを宣言しておいたほうが、試し行為が増えたというような悩みを持つことがないかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、よくいただく相談をご紹介しました。
書かせていただいた内容がみなさんに当てはまるわけではないですが、ひとつの考え方として参考にしていただければ嬉しいです。
また、新しいことを取り入れようとしたときのポイントとして、「自分ならどういうことを前もって言っておいてほしいか」「自分ならどんなかかわりをしてもらいたいか」ということを、親御さんがお子さんの視点を意識して決めていくということです。
「これがいいらしくて、こう伝えるといいって書いてあったから」で真似をするのはやめたほうがよいでしょう。
いきなり本題から入ったほうがいい人もいれば、ちょっと遠回りをして話をしてもらったほうがいい人がいるように、子どもたちも同じで、伝わる伝え方はお子さんによって異なります。
それでは、今回はこれで終わりたいと思います。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。また次回のブログもお読みいただけると嬉しいです!
まいどん先生(公認心理師)
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