朝、起きられない― 意志や甘えではなく、体と心のブレーキとして読む ―
この記事では、朝、起きられないという背景を 「困りごとという視点」から整理しています。 原因を一つに決めるのではなく、 いま起きていることを 地図の一地点として捉えるための記事です。
① この困りごとを、どう捉えるか
「朝、起きられない」は、とても心配になる困りごとの一つです。
時間になっても起きられない。
声をかけても反応が薄い。
起きても、動けない。
学校の話をすると、さらに体調が悪くなる。
この状態は、意志の弱さや甘えの結果ではありません。
多くの場合、
体や心が、これ以上の負荷を引き受けられないときに
自動的にかかるブレーキとしてあらわれます。
② よくある誤解
朝起きられないとき、
親御さんが言われやすい言葉があります。
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「夜ふかししているから」
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「気合が足りない」
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「生活リズムを整えれば治る」
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「学校が嫌なだけ」
もちろん、
生活リズムが影響することもあります。
ただ、
根本にある負荷が整理されないまま
生活だけを整えようとすると、
かえって苦しさが増すことも少なくありません。
③ この困りごとが出やすい背景
「朝起きられない」が続くとき、
次のような背景が重なっていることがあります。
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学校で強い緊張が続いていた
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人間関係や評価への不安が大きい
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感覚的な負荷(音・光・人の多さ)が高い
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がんばり続けてきた反動が出ている
また、
起立性調節障害(OD) のように、
身体的な調整の問題が関係していることもあります。
重要なのは、
「原因を一つに決めない」ことです。
④ 家庭で起きやすいすれ違い
朝起きられない状態が続くと、
家庭では次のようなすれ違いが起きがちです。
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声かけの回数が増える
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焦りが口調に出る
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「起きる/起きない」が毎朝のテーマになる
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親も朝から消耗する
子どもは、
起きられないこと自体に加えて、
「迷惑をかけている」「責められるかもしれない」
という緊張を抱えていることがあります。
⑤ 状態・特性とのつながり
「朝起きられない」は、
次のような状態や特性と重なって見られることが多い困りごとです。
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登校しぶり
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校門タッチ登校
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完全不登校
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感覚過敏
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不安が強い特性
朝は、
一日の中で 負荷が最も一気にかかる時間帯 です。
そのため、
状態や特性が変わらなくても、
朝だけ症状が強く出ることがあります。
⑥ 見直すと楽になる視点
朝起きられないとき、
まず見直したいのは
「どう起こすか」ではありません。
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朝に、どれだけの負荷が集中しているか
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学校に行くまでに、何段階のハードルがあるか
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前日の疲れが、どれだけ残っているか
起きられない=失敗
という見方を外すことで、
親子ともに消耗が減ることがあります。
⑦ すぐに判断しなくていいこと
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無理に原因を特定しなくていい
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今すぐ解決策を決めなくていい
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「このままで大丈夫か」を一人で抱えなくていい
この困りごとは、
いまの状態を整理する入口として
とても重要なサインです。
⑧ 関連する視点
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不登校の「状態」から考える
(登校しぶり/校門タッチ登校 など) -
特性・気質という視点
(感覚過敏・不安の強さ) -
親や家族の背景から読み解く
(がんばりが積み重なっていないか)
最後に
朝起きられない子は、
怠けているのでも、
投げ出しているのでもありません。
これ以上無理をしないために、
体や心が必死に調整している
その可能性を、どうか忘れないでください。
このページが、
責める材料ではなく、
理解するための手がかりとして
役に立てばと思います。
ここで扱った視点は、全体の一部です。
他の視点も含めていまの状態を整理したい方は、こちらのページをご覧ください。