母子登校 どう克服する?

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「母子登校 いつまで」

「母子登校 やめたい」

「母子登校」で検索をしてみますと、「他の人はこれも検索」で上記のようなワードが出てきます。

今母子登校で悩んでおられる親御さんは、きっと

「これがあとどれだけ続くの?」「本当にこれがよい選択なの?」

と不安でいっぱいだと思います。

母子登校つらい

拙著『これで解決!母子登校』より

 

私は、ペアレンツキャンプの家庭教育支援でチーフ家庭教育アドバイザーとして責任者をしてきました。

そのため、おそらくですが、10年の支援者としての活動により日本で一番たくさん母子登校の事例を見てきていると思います。

 

また、日本で一番、家庭教育支援で母子登校を解決してきたと自負しております。

 

母子登校は初期対応を誤ると「長期的化」「重症化」してしまう

母子登校も初期段階だと、親御さんが本を読むなどして自力で母子登校を抜け出せるケースも多いのですが、

・親御さんがコミュニケーションに苦手意識が強い

・心理カウンセラーの介入が必要な状況にある

・すでに母子登校が長期化している

・深刻化が進んでしまっている

などのケースは、親御さんの手に余り、不登校に発展してしまう事が多いため、 ここでまず、

どういう親御さんが母子登校を深刻化させ、不登校に発展させてしまうのか? 私が経験した事例をもとに(プライバシーに配慮し、一部内容を変えています。)お話しさせていただきます。

 

お母さんが別室に居ないと不安になるA君

 

まだ暑さが残る9月。A君は、小学2年生でした。

お母さんからはじめのご相談のお電話をいただいた時は以下のような状況でした。

・1年生の夏休み前から「学校が怖い」と言い出して休みがちになった

・1年生の9月から「学校には行きたいけど、行けない」と毎朝泣くようになり不登校になった

・1年生の1月頃 学校からの提案で、母親が付き添い保健室に登校した

A君は1年生の1月から2年生の9月まで1人で学校に行くことができなくなっていました。

 

インテーク時の質問と分析

私はお母さんに「A君が1年生の夏休み前に何か学校が怖い、行きたくないと思うようなきっかけはありましたか?」と聞くと、

「先生や親が見る限りは大きなきっかけはなさそうです。ただ、あの頃『同じクラスのB君が意地悪だ』という話はよく聞いていました。親からすれば友達同士の関わりではこういうことはあるよなと思うようなやりとりです。今はもうB君のことで困った様子もなさそうです」

と話してくださいました。

話を聴く限りは、学級崩壊やいじめがあるわけでもないし、担任の先生との相性が悪いというわけでもありません。

担任の先生はA君のために休みがちになった1年生の夏休み前から、「今日はこんな様子でしたよ」とこまめに先生から見た様子を連絡してくださっていましたし、A君にも沢山声をかけ、「どう関わりを持てばA君は安心して登校出来るか」と早い段階から親御さんと相談する場を設けてこられていました。

母子登校が学校環境に起因していないということであれば…ということで、私は

「A君の気持ちになにか引っかかりがある」「母子分離不安がある」「自立面に課題がある」「発達面に課題がある」この4つの可能性を考えました。

「1人で学校に行けていたころのA君について先生は何かおっしゃっていましたか?」と聞くと、

「『なんだか緊張しているように見えた』と仰っていました。休み時間になれば友達とよく遊び子どもらしい無邪気な笑顔を見せるけれども、授業がはじまると顔がこわばるんだそうです」

「そうですか。ちなみに学習面で困難さはあるお子さんですか?」

「いいえ。学習面では親から見ても先生から見てもここまで特にそういう様子は見られません。…強いて言えば、1年生の7月くらいから筆圧が弱くなったくらいですかね。」

ここで私は、友達との関係も良好で学習に困難さがあるわけでなければ、特に発達面で課題があるわけでもなさそうと判断しました。

 

次に気になった点である、「母子登校が長期化している理由」を確認するため、「1月から今日まで、お子さんは親御さんや学校と『目標』を立てたり、『今の自分はこういう状態』と自分のことを理解するようなやりとりをされてこられていましたか?」と聞きますと、

「特にしていません。毎日必死で…。先生も『今日もよく来たね』と言ってAをあたたかく迎えてくださり、『今日はどこまでチャレンジしたい?』とAを尊重してくださいます。私は学校に連れてくるので精一杯なので、学校についたら学校にお任せしています。父親も単身赴任で私ばかり対応しています。何かがかみ合っていない気はするんですけど、親自身が『もういいや、母子登校でも』『学校なんて行かなくていい』そう思って逃げ出したくなったり、子どもが『学校には行きたい』と言えば連れて行かなくてはと思ったり…私自身が逃げたり頑張ろうとしたりフラフラしています」

とお話してくださいました。

お父さんの協力を得られないのはかなりきつい状況でです。そして、精神的にも体力的にも疲れてへとへとの状況でお母さんから「これからどうやって母子登校ではなく1人で登校をするか」の話し合いを親子でするのもきついでしょう。

一概には言えないのですが、あえて目標を立てずに母子登校を継続したほうがよいケースと目標を立てたほうがよいケースがあります。

A君の場合は、一度不登校になって母子登校になっていることを考えると、まずは「学校に行く」という選択ができている点を評価したほうがいいでしょう。

「家に居るよりも学校に行きたい」という気持ちに気づけたA君のペースに合わせて、いずれ本人が「ひとりで学校に行く」と決断するか自然とそうなる日を待つのがよいかもしれません。

 

しかし、母子登校の一番の問題は・・・

 

子どもが親から離れて自立し、ひとりで登校できるようになる前に親の心が折れてしまうこと

 

なんです。

お母さんが折れてしまわないように、お母さんの精神状態を確認していく必要もありますし、お母さんが「どうしたいか」にもよります。

「もうこんな状況はやく抜け出したい」とお母さんが願っているならば、A君にとって無理をさせないように、かつ早期に抜け出すかが大きな課題となってきます。このA君のお母さんはどうしたいと思っているのだろうか…

「では、おうちでの様子はいかがでしょう。学校がある日の朝起きてから寝るまでのA君の様子を教えてください」言いますと、

「学校がある日は朝起こしの時から母親である私が付きっきりです。たくさん声をかけないと起きませんし、大体は抱きかかえて起こします。

そこからすぐに朝食は自ら食べてくれますが、その後はぼーっとテレビを見ています。

『ほら、歯磨きしなさい』『ランドセルに宿題いれとくよ』『着替えなさい』など親が具体的に指示だしをしないと動いてくれません。

なんとか出発予定時間に家を出発しますが、登校途中の表情はかなり暗いですね。

別室まではなんとか毎日同じ感じで到着するんですが、そこからが日によって異なります。朝の会が終わった1時間目から別室から教室に移動して授業を受けてくれる日もあれば、3時間目になっても私と離れたくないと言って親子で別室に居る日もあります。

1時間目から5時間目まで教室で過ごせる日もあれば、1日1時間しか授業が受けられない日もあります。いずれも私が学校の別室に居ないとAは学校に居られません。

学校から帰宅すれば、Aはすぐに自分の遊びに集中します。宿題は日によって自ら取り組む時と親が声をかけないと取り組まない時があります。その後もご飯やお風呂や寝る時間の声掛けは全部私がして、何とか1日を終える感じです」

「なるほど…お母さん、朝から晩まで、おひとりの時間がありませんね。とてもしんどいでしょう。ここまでよくがんばりましたね」とお伝えすると、お母さんはわぁっと泣き出しました。

 

本音を言えば、電話でなければ今すぐにでも抱きしめて「がんばりましたね。しんどかったですね」と背中をさすりたい。

お母さんは、子どもから見ればとても強い存在に見えます。学校の先生から見ても、明るく振舞っているように見えてしんどさが見えないことも多いです。

しかし、お母さんもひとりの人間。A君のお母さんは朝から晩までA君に付きっきり。気が休まる瞬間がなかったはずです。

私の相談までたどり着くまでに、きっとA君が寝静まってからや、学校の別室で待機している時に色んな育児書を読み、色んなブログを読み、「どうしたら抜け出せるか」と苦しんできたはずです。

ひとしきり泣いた後、お母さんは「でも、学校がない日のAは別人なんです。自分で起きて、学校がある日みたいに私にベタベタもしないんです。学校がある日にできないお留守番も1時間くらいならできますし…」と話をしてくださいました。

 

ここで私は、最初のほうの可能性にあげた「A君の気持ちになにか引っかかりがある」「母子分離不安がある」「自立面に課題がある」のうち「母子分離不安はそこまで強くない」と判断しました。分離不安があるお子さんの場合、学校があろうがなかろうがお母さんと離れることにお子さんが苦痛を感じます。

けれども、学校がない日は比較的お母さんと離れて過ごすことができています。

ということは、残るは「A君の気持ちになにか引っかかりがある」「自立面に課題がある」の2つに絞られます。

しかしこの2つに絞られた場合、1回の電話だけではアドバイスには限界があります。

親子のやりとりをもっと詳細に、長期的に聴いて分析していく必要があり、ここまでの電話でおうかがいした限りでの内容で、見立てをお伝えすることもできるけれど、かえって親御さんを混乱させてしまうこともある。

母子登校の支援では、何度も親御さんの話を聴き、親子のやりとりを分析し、ールに向かって「今は何合目まで来ています」などお伝えしながら、走り続けるお母さんが燃え尽きてしまわないようにサポートをする必要があるからです。

頑張り屋さんなお母さんに結論だけを伝えると頑張りすぎて母子登校が解決する前にお母さんが倒れてしまう可能性がある。

そう考えていると、お母さんから「実はわたし、家庭ノートというものを自分でも本を読んで書いてみたんです。そうしたら、こんなにも私は子どもに指示だしをしていたんだなと気づかされました。正直、自分が親として子どもに何を言っているかを振り返るのは苦痛でしたが、子どもに『自分で考えて決定させること』『自分の気持ちや考えにを親に聴いてもらうこと』『失敗からどう学ぶか』こんな経験をさせてきてなかったと思いました。でも、ここからが難しくて。

問題点は見えてきたのに、ここからどうしたらいいのかがわかりません。色んな本を読んだり相談を受けても、なんだか『ひな形』みたいで。

Aに合うのかが不安になってきて…。自分たちだけでは限界です。専門家の先生に、是非見てもらいたいんです。」

とお話いただきました。

 

そしてはじまった母子登校解決に向けてのサポート

A君のお母さんは、数多くある支援や選択肢の中から、「親の対応を変えること」「家庭教育をまなぶこと」を選択されました。

そこから毎日、A君のお母さんには親子のやりとりを「家庭ノート」に書いていただき、分析を重ね、アドバイスしていきました。

何度も、何度も、何度も、ノートにやりとりを書いて、私のアドバイスを受け、週に1度の電話カウンセリングも毎週欠かさず受けていただきました。

 

「A君の気持ちになにか引っかかりがある」という点については、A君が自分で自分のことを「ぼくはママが一緒に居ないと何もできない。学校に行けない」という思い込みがあるということがわかり、お母さんから「Aは前と比べて、ママが居なくてもこんなことができるようになっているよ」「失敗しても、ほら。こうやったらママが居なくてもできるようになったね」と肯定してもらい、A君は自分のことを「ぼくはママがそばに居なくてもひとりでがんばれる」と捉えられるようになりました。サポートを受けられて3か月目の時でした。

分析の結果、A君は自分への「ぼくはママが居ないと何もできない」という思い込みと、精神的に幼い面があったことで母子登校になっていたことが分かったため、どうやって『自立心をはぐくませるか』の課題が残りました。

自立とひとことで言っても、「孤立化」させるという意味合いではありません。

「自分でできることは自分でやる」という力はもちろん大事なのですが、全部自分でひとりで抱え込んでしまったらいつかはつぶれてしまいます。

A君のお母さんと目指した「自立」とは、A君自身が

・自分の気持ちをちゃんと理解できる(お母さんがしっかりと話を聴くことで理解できるようになる)

・「これは助けが必要だな」と思えば、『悪いな』と思わず「サポートしてください」が言える(先生や友達にどう「助けて」と言うかを教える)

・誰かが困っていれば助けられる

…という状態にあることです。それをA君の性格に合わせて、様々な心理学や教育学も取り入れながらアドバイスをしていきました。

そしてA君のお母さんがサポートを受けた4か月目

2年生の1月にA君はもうママ学校にこなくていいよ」と言い、ひとりで学校に行くことができました。

時々門の前までお母さんが付き添う朝もありましたが、この日からA君はお母さんではなく、学校の先生や友達を頼りながらひとりで登校できるようになりました。A君のお母さんは、1年ほどサポートを受けられ、卒業されていきました。

A君のお母さんは、「頼り下手」でした。

A君のケースでは、お母さんがすべて自分で抱え込んで、しんどい方向に進んでしまい、自分ではどうすることもできないくらい追い詰められ、疲弊していたことで長期化したとも言えます。(現にサポートを受けられてから、お母さんの表情がどんどん明るくなっていったとご主人も言っておられました)

感謝の手紙をいただきました

先日、そのA君のお母さんからメールが届きました。

『先生の支援を受けて、早いものであれから5年経ちました。Aは来年受験生です。

大好きなバレーを楽しむ毎日で、先輩として後輩に指導する日もあるのだそうです。

今でも母子登校で悩んで相談した日を昨日のことのように鮮明に覚えています。

先生は、言葉をつまらせたり泣いた私に、じっと待って『大丈夫ですよ。泣いてスッキリしましょう』と言ってくださいました。

こんなにも、自分の話に耳を傾けて分かろうとしてくれようとしてくれる人と出会ったのは初めてでした。

支援を受けている最中も、私は何度も先生のアドバイス通りに出来ずについ、「A!宿題しなさい!」などと怒鳴りましたね。笑

「今週もやっちゃいました」と言う私の電話のはじまりに、いつも笑って「やっちゃいましたか~」と返してくださったこと。

どんなに私がうまく対応できなくても、諦めず、優しい声で寄り添ってくださいました。

ずっと自分にも子育てにも自信がなかった私は、『子育ての先生が居ればいいのに…』と思いながらAを育ててきました。

まさか本当に、こうやって先生との出会いがあるなんて思いもしませんでした。

先生のカウンセリングを受けた日々、必死でノートを書いた日々…今となっては大切な宝物です。

あの頃Aは、母子登校という状況を通じて『ママ、もっと肩の力を抜いていいんだよ』ということを教えようとしてくれたのかもしれません。

Aが大きくなればなるほど、子育てがびっくりするほど楽になりました。中学に入ってからは特に、親アドバイスをしなくても自分で色んなことを決めて行動出来ています。あのAが、です。笑

そしてまなんだ家庭教育は、復帰した仕事の人間関係にも大きく役立っています。本当にありがとうございます。

これからも、子育てに悩んでおられるご家庭を救ってくださいね。応援しております。』

 

という内容でした。

A君のお母さんとのやりとりは、共に泣いて笑った1年でしたが、このように母子登校を乗り越え、親御さんもお子さんも自分らしく人生を歩んでいっている様子で安心しました。

母子登校は、親御さんが本を読んで自力で解決できるケースと、専門家にサポートを依頼したほうがベターなケースがあります。

長期化、深刻化(幼児退行など)してしまうまえに、支援を受けてみるのも選択肢のうちのひとつかもしれません。

もし、どうしても「自分たち親の力だけでは限界」「専門家のサポートを受けたい」と思った時は、まずはご相談ください。メールにて、私が直接ご返信いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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