中学生の母子登校について

中学生の母子登校について

ブログをお読みいただきありがとうございます。

今回は、最近ご相談が増えてきている中学生の母子登校をテーマに記事を書いてみようかと思います。

「不登校から母子登校」「行き渋りから母子登校」

母子登校とは、お子さんが保護者が付き添いをしてくれないと学校に行けない状態を指します。

母子登校といっても登校状況は様々で、「親が子を門まで送る」「親は終日学校に居て子どもに付き添う」いずれも母子登校の状況といえます。

つらさというのは、人それぞれですので、例えば不登校に悩む親からすれば「学校に行けているだけましじゃない」と思うかもしれませんし、終日学校に居て子どもに付き添わなければならない親からすれば、門まで送ったらあとはひとりで行ける様子に「朝に門の前でわかれられるならいいじゃない」と思うかもしれません。

しかし、「門まで送る」「朝行き渋りをされる」だけでも、つらいと感じる人もいます。

子どものしんどそうな様子に心を痛め、まるで自分が苦しんでいるような錯覚すらあるという方もいます。

ご家族に要介護者が居たり、兄妹が何か問題を抱えているというケースもあり、ご家庭によって状況は様々。

不登校もそうですが、母子登校というのはしんどさを誰かと比べられるようなものではありません。

 

そして、そんな母子登校は小学低学年に多いイメージがあると思いますが、中学生のお子さんにも起こり得ます。

 

不登校になったお子さんが、再び学校に行くと決めた日から、毎朝お母さんに車で送ってもらっている。

行き渋りが酷く、お母さんと一緒に話ながら歩くと気持ちが切り替わりやすいので、犬の散歩をしているお母さんが自分についてきている体で毎朝校門の前まで付き添ってもらっている。

そういうケースは実は珍しくありません。

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#72 不登校の最新データ

 

中学生は最も情緒不安定な時期

中学生というと、思春期・反抗期真っ盛りです。

母子登校中のお子さんは、どちらかといえば反抗期らしさが見えないことが多い印象がありますが、身体は第二次性徴がはじまり大人になろうとしている時期ですね。

この時期の子ども達は、情緒不安定なことが多いです。

互いに情緒不安定な中、ぶつかり合ったりしながらも人間関係を築いていきます。

そういったことから、中学生のお友達付き合いというのは、最も悩みがうまれやすい時期ともいえるのかもしれません。

大人からすれば「なんだそんなこと」と思うことでも、ほんの些細な友達の様子に傷つき、落ち込んでしまうことが多いです。

 

さらに、環境の変化がある中学1年生は、中1ギャップといって、人間関係やポジション取りなどに悩むことも多いです。

加えて定期テストや部活動など、はじめてのことばかり。

中学生は、人生の中で最も繊細で難しい時期ともいえるのかもしれません。

 

中学生の母子登校はどう考えればよいのか

どのような経緯で母子登校がはじまっていったかにもよるのですが、ひとまず母子登校状態でも学校に行けているのであれば、サポートはし続けたほうがよいケースが多いです。

ただ、母子登校の裏には、お子さんが

 

・人間関係の悩みがある

・学業に悩みがある

・自分で自分がわからなくなっている

・キャパオーバー

・自分でも理由がわからないけれど学校に行くのが何となく嫌だと感じている

ということが往々にしてあります。

 

「学校に行けているからいいじゃない」

ではなく、ひとまず高校進学などを考えればそれはそれでよしとは捉えつつも、「親に送ってもらえないと学校に行けない(行きづらい)」状況を作りだしているのはなぜかを考えていく必要があります。

 

理由は様々ですが、学校環境に要因があるのでしたら学校との連携は必須ですし、本人の性格傾向に起因することであれば、どうかかわっていけばいいかを考えていく必要があります。

ただ、私のもとにご相談をいただくケースでは、殆どのケースが親子の関わりが関係していることが多いように感じます。

 

「子どもがSOSを出しているのはわかるのに、つい勉強のことばかり言ってしまう」

「子どもが心配で、つい過干渉過保護になってしまっている。『ママのそういうの、ほんとウザい!』と言われて自覚があるのにやめられない」

「子どもが嫌がっているのはわかっているのに、ついコントロールしてしまう」

 

など、親御さんがご自身でも「なんとなくまずい関わりをしているのはわかる。でも、具体的にどう変えていけばいいかがいまいちわからない…」と悩まれていることが殆どです。

 

「じゃあ、どう変えればいいの?」…と思いますよね。

でも、このブログでは明確に「こうすればいい」とはなかなか書けません。

なぜなら、お子さんの性格傾向は、ひとりひとり異なるからです。生まれ育った環境も異なります。

 

「繊細」「神経症」「プライドが高い」「完璧主義」など、ある程度の類型分けをして、それに「うちの子にちょっと似てるかも」と同じような属性の子のケースを真似てみても、完全一致はあり得ません。

他の成功事例を真似てみても、一見うまくいっているように見えて、細部までは一致せずに果てしなく「なんとなくうまくいってる風」でしかないのです。

 

中学生の母子登校や不登校は、「うちの子はなぜ母子登校になったのか」「何に悩み、何に関心があって、どんな言葉に傷つき、喜ぶのか」

そういったことを、時間をかけて親子の関わりを通じて、思春期の繊細な時期のお子さんを理解していくことで道が開いていくことが多いです。

これまで、小学校生活では一人での登下校ができていたのであれば、学校に行って帰るということに対しては能力的にできないわけでもないし、勉強や友達関係で悩むのは中学生のお子さんなら誰しも大なり小なりあるはずです。

しかし、その悩みが大きくなったり、キャパオーバーになっているとすれば、本人が「ひとりで行ける」と思う前に「お母さんがずっとあなたを送るのは大変なのよ。もう、そろそろひとりで行きなさい」と親が言うと「誰も自分をわかってくれない」と孤独にさせかねません。

本人ですら「なぜお母さんに送ってもらわないと学校に行こうと思えないのか」がわかっていないケースが多くみられるため、まずは親子で対話を繰り返していきながら、母子登校をどう乗り越えていくべきかを考えていく必要があります。

 

そもそも、人間は自分のことすら完全に理解していないものです。

ですから、いろんな視点と角度で、いろんな可能性を考えて、妥当なところをひろいながら「この子はこういうことを考えているのかも」と解釈し、じわじわと「思春期になりまったくわからなくなったわが子の霧」をはらしていくという作業が大事だと私は考えています。

 

そのためには、何よりも共感と受容。そして、理解です。

 

家庭教育支援では、毎週のお電話や家庭ノートなどのやりとりを何度も繰り返していきながら、親御さんと一緒に「我が家にあった家庭教育」「わが子に合ったかかわりかた」を考えるお手伝いをしています。

 

そして多くの親御さんが、思春期の子育てを「今が一番子育てが楽しい」と言ったり「もっと早くにはじめたかった」と言います。

「一般的に言われている心理学を試したって、うまくいかない理由がよくわかりました。だって、そもそも親がわが子をよくわかっていなかったんですもん。自分の理想とする子どもの様子と違っていれば、否定ばかりして、あるがままのあの子を見られていませんでした。そんな中で心理学だのなんだのやったって、子どもに『ウザ』って言われて当然ですね」とも。

 

👇こちらについては、過去のブログとstandFMでも紹介をしているので、是非ご覧ください。👇

 

まとめ

支援を通じ、よく「自分を理解してくれる人がいる」「ひとりじゃないと思えた」「家庭内での課題や問題をどう考えればいいかわかった」というお声をいただきます。

「自分をここまでさらけ出して話せるのははじめて」「親や子どものことをまるで家族の一員のようになって真剣に考えて真剣に悩んでくれて、親子の成長を自分のことのように喜んでくれた」「物事を色んな角度でみられるようになった。いろんなパターンが考えられるようになって、その中から妥当な答えを出せるようになった」と仰る方が多いです。

そして、うれしいことに、「親が山下先生とのカウンセリングの中で感じたこの温かさを、子どもにも味合わせたい。私もまた、子どもを一番に理解し、ひとりじゃない。ママがいると思ってもらえて、親が子の話をしっかり聴いてあげることで子ども自身が自分で答えを出せるように導いてあげたい」というお声もたくさんいただきます。

 

母子登校や不登校になったきっかけはお子さんによって様々です。そして、そうなったということは、お子さんなりの何かしらのSOSともいえます。

まずは親子の会話を見直してみませんか。

 

アドバイスをせず、まずはお子さんの話に耳を傾けてみましょう。

はじめは聴くだけでは物足りないと思うかもしれません。

しかし、親ばかりが話して子どもが聴くばかりでは、子どもの本心は見えません。じっくり話を聴き、寄り添ってみてください。

共感、受容、理解が出来るようになったら、「だからあの子は母子登校になったんだな(母子登校を選択したんだな)」ということがわかるかもしれません。

 

それでは、今回はこのへんで終わりたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

親まなびアドバイザー まいどん先生

 

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