家庭教育って何?なぜ必要?

 

家庭教育とは、親が子に対して生きていく上で必要なスキルを身に付けさせる教育を行うこと

みなさんは、子育てをしていて「育てにくいな」「うちの子、難しい気質(生まれながらの性格)を持ってるなあ」「どうしてこんなに関わりが難しいの?」「うちの子、なぜこんなに打たれ弱いの?」と思われたことはありませんか?

子どもの発達や成長には個人差があるとわかりながらも、ついネットで調べては「うちの子大丈夫かしら?」と不安になったり、「あ!これうちの子に似てる!」と思う方のブログを読んで安心したり…

特にお子さんが小さい頃は、似たようなケースを見て一喜一憂されていた方も多いのではないかと思います。

子どもが小学校に入学し、「うちの子も他の子も、そろそろ同じ位の成長度合いになる頃かしら」と思いきや、授業参観に行くと差を感じて焦ってしまう…という方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、それでは健康な精神状態で子育てはできません。

 

子育ては他の子と比較して行うものではなく、昨日のわが子と比べて何かを教えたり見守っていくことが大切です。

 

家庭教育はすべての教育の出発点

みなさんは、「家庭教育」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?

 

「おうちで勉強させること?」

「しつけ?」

「自分でできることは自分でさせること?」

…と考えられた方もいらっしゃるかもしれません。これらはすべて正解です。

 

家庭教育とは、親が子に対して言葉や生活習慣やコミュニケーションなど、生きていく上で必要なソーシャルスキルを身に付ける援助をすることです。

 

赤ちゃんに対し、お母さんが自分のことを「ママよ」「お母さんよ」と口の動きや声を聞かせていくことで、いずれ赤ちゃんが「どうやら自分におっぱいをくれる人のことはママというらしい」「『ママ』と真似してみよう」と学習して喋りだすように、親が子に対して様々な知識や技能を身に付けさせることすべてを家庭教育と言います。

 

子どもがまだ幼いころは、特に親が子どもの身の回りのお世話をして、常に心も体も親は子と密着していますが、それも自然となくなっていきます。

中学生にもなれば、お母さんと一緒に外を歩きたくないと言い出し一緒に過ごすことも減り、家族よりも友達など家庭外のコミュニティに属して居場所にしていきます。

 

家庭教育というものは、子ども達が将来社会に出るころには自立・自律した大人として活躍していける力をつけるためのものであり、「教育投資」ともいえます。

これは決してお金をかけてよい塾・学校に行かせるという意味ではありません。

親が意識的に「子どもの自立・自律」をテーマに関わっていくことで、目に見えにくい「生きる力」が育めるのが家庭教育の特徴です。

 

例え勉強が良く出来て正解を導き出すのが得意な子であっても、社会に出た時に臨機応変に対応ができる力やイレギュラーに対する問題解決能力が備わっているかといえばそうではありません。

自立や自律が果たされないまま大人になると…

 

上司に指示されれば完璧に仕事がこなせても、「自分で考えろ」と言われたら全く答えが出せないということもあり得るかもしれません。

人の評価ばかりが気になってビクビクしていたり、強迫観念的な努力の仕方で潰れてうつ病など精神を病んでしまうかもしれません。

視野が狭く物事を俯瞰でみる力が備わっていないかもしれません。

また、勉強や仕事が出来ても全くひとの気持ちに興味がなかったり、相手を思いやれず煽るようなことばかり口にしてしまう社会人になるかもしれません。

 

もし、将来自分の子どもが親や先生や上司などが求める正解だけを追い続けたり、人の顔色ばかりうかがうか全く考えなかったり、せっかく入社した会社で活躍できずずっと昇進できない…という状態になったらと思うと少し不安になりますよね。

これは決して親御さんの不安を煽りたいのではなく、子どもがこの世に産まれて存在しているだけでも100点満点だけれども、さらにボーナスポイントをゲットして子どもが大人になった時に自分を尊重し、生きる力が備わっていて、様々な人と手を取り合い、協力し合いながら、自分を輝かせていけるように今から家庭教育に取り組んで子どものこれからの人生をよりよくしていくというお話です。

 

テクニックを学んで用いても子どもに合っていなければ意味がない

「家庭教育って、過干渉にならないようにお口チャックすることですよね?」

「親は子に甘くしないように気をつけて、何でも自分でさせることですよね?」

というふうに仰る方もいらっしゃいますが、確かにそうとも言えますが、間違いでもあります。

 

これまでずっと親が子どもに命令・指示・提案をし続けていたのに、いきなり何も言わなくなれば子どもは戸惑いますし、大きな失敗をして心に大ダメージを負うかもしれません。

これまでなんでも親が子どもの代わりにやってあげていたのに、ある日突然「自分でやりなさい」と言われれば、子どもは「親に見放された」と不安あるいは不信感を抱くかもしれません。

大事なのは、子どもが今どれくらいの知識や技術などを持っているのかを理解し、子どもの成長に合わせて指導したり見守っていきながら、最終的には「突然親が居なくなっても生きていける子」を目指していくことです。

 

そのためには、親は子どものことをよく見て、偏らないものの見方をし、成長や能力を信じてあげることが大事です。

表面的なテクニックに頼ったとしても、親が本当に子どもの成長と幸せを願っていなければ、どんなにいい子育てテクニックや心理学を用いたとしても、それは本当の意味では子どもを見ていないとも言えるかもしれません。

 

少し厳しい言い方をすれば、子どもの性格や特性などを無視して「こう関われば頭のいい子になるって聞いたから」と子どもにテクニックを用いて関わったとしてもそれは押し付けであり、親の自己満足にしかならないということです。

せっかく勉強したのに、せっかく取り組んでみたのに、「なにそれ?うざっ」なんて子どもに言われたら、もう二度とそういったテクニックを学びたいとは思えなくなりますよね。

 

子どもへの教育は親の無意識的な行動や言動からも日々行われている

親が子を育てていく上では、実は「意識的な関わり」と「無意識的な関わり」があるのはお気づきでしょうか。

子どもを育てていく上で、皆さん馴染み深い言葉は「しつけ」だと思いますが、子どもは親からのしつけだけで成長していくわけではありません。

 

子が親との関わりを通して色々なことを学び身に付けていく上では、「しつけ」「感化」「模倣」「薫化」の4つの影響を受けます。

 

・しつけ…親が子に意図的に教えて、子どもはその教えに従おうとすること

(例)親が子に「風邪をひかないように手洗いうがいをしようね」「虫歯予防のためにも寝る前は歯磨きをしようね」などと教え、子どものそれに従う

 

・感化…親が子に影響を与えようと働きかけるものの、子どもは親の意図に気づかない。しかし知らず知らずのうちに親の意図する方向に形成されること

(例)親が意図的に子どもの目の前で読書をする姿を見せる。子どもは親の意図に気づかずゲームをしていたが、気が付けば子どもも親と一緒に読書をするようになる

 

・模倣…親が無意識的に取った行動を子どもが意識的に親の真似をすること

(例)家で働く親にあこがれて自分も親の真似をして1日のタイムスケジュールを立ててそれ通りに行動する。あるいは親とまったく同じ注意の仕方を妹や弟にする。

 

・薫化…親も子も無意識の状態。家庭の生活パターンを子どもが知らず知らずのうちに学び吸収すること

(例)にぎやかな家庭では明るい子に育ち、夫婦間の不和などがある家庭では子どもが精神的に不安定になる。その他親がポイ捨てなどをする家庭の場合子どももそうする など。

 

このように、「口で言ってもぜんぜんやりません」とお悩みの方は、「しつけ」だけに偏っているというふうにも捉えられます。

また、「うちの子は読書をしないんです」という親御さんがそもそも読書の習慣が身に付いていなかったり、「子どもが口が悪いんです」と言う親御さんは子どもに感情的に関わりがちということもあります。

これは、親が無意識的に子どもに見せている様子から、「模倣」や「薫化」が行われているとも捉えられます。

よく「子は親をうつす鏡のような存在」とも言われますが、その理由はこの4つが関係しているともいえるでしょう。

そして、「子が親をうつす鏡」なのであれば、親が変わることで子どもも変わっていけるとも言えます。

 

また、いくら天気や株価に不満を持っていてもこちらの意思では状況が変わらないのと同じように、人は人を変えることができません。

結局のところ変えられるのは自分自身でもありますし、親が子に気づきを与えようと必死にアプローチをしても、それが子どもに合っていなければ親子関係が悪化するだけです。

それであれば、変えやすい「自分から」変わっていくことで、いつしか自然と子どもは親に感化されたり模倣していき変化していきます。

親がわが子に合った家庭教育を学ぶことは、子育ての自信を持てるだけではなく、子どもの自立や自律心も育んでいけるという、親から子への最高のプレゼントともいえるのかもしれません。

 

難しい気質の子であればあるほど伸びるチャンス

ジェイ・ベルスキーというカリフォルニア大学の人間発達学の教授はこんな論文を発表しました。

 

「乳児期に難しい気質を持つ子は他の子と比べて可塑的であることから、他の子どもよりも良くも悪くも影響を受けやすい。そして、育児資源が豊かでサポートの手厚い家庭環境で育った子は、他の子どもと比べてその環境を活かすことが分かった」

(可塑的(かそてき)とは、個体に外から力を加えたときに変形させることができ、その後力を加え続けなくても元の形に戻らない性質のことを表した言葉です。)

 

育てにくさがあるお子さんの場合、「親が厳しいしつけをし過ぎてしまったり、ネグレクトをしてしまったりして、結果発達が乏しくなるリスクがある」とも言われてきています。

難しい気質を持つ子は過敏な神経系を備わっていることで、経験がより強く刻まれやすいのですが、神経が過敏なので、幼少期は困難さや精神的な苦痛を感じます。

しかしそれにより多くのことを「吸収」しやすくなり、手厚い養育環境から受ける心理的な栄養源(安心・安全・受容されている感覚など)が子どもの行動にも影響するとも言われています。

HSPなどの気質があるお子さんは、神経が過敏で傷つきやすいかもしれませんが、その過敏さがあるが故に親の愛情にも敏感であったり、愛されている感覚を十分に持っていることで傷つくことがあっても自分も相手も大事に出来るような優しい子に育つかもしれません。

あるいは感受性の豊かさを最大限に活かし、芸術などの道に進むことができたり、何かの研究分野に進んでいく…ということもあるかもしれません。

 

自立・自律を目指した親の家庭教育は、子どもの心を豊かにし、生きる力を身につけさせてくれます。

 

わが子に合う家庭教育を知ろう・学んでみよう

家庭教育については現在、様々な支援者やカウンセラーなどが情報を発信されていることと思います。

また、お住いの地域でも家庭教育に関する講座など、様々な発信が必ずされていると思いますので、そちらを調べていただくのもひとつかと思います。

 

子どもを伸ばすことができる家庭教育のポイントは、流行りの心理学や子育て論を片っ端から取り入れるのではなく、「わが子に合ったかかわり方を見つけること」です。

逆に、「これ、面白い考えだけどうちの子には合わないかもな~」と思うものはバッサリと切っていくほうがよいかと思います。

いくつかの考え方を調べてみた上で、「これが合いそうだな」と判断されるものだけを取り入れてみてください。

そのためには、日頃から子どものことをよく観察する」ことも大事です。主観が入りすぎてしまうと、子どもを偏った視点で見てしまいがちです。

客観的な視点も意識してみましょう。

 

そして大事なのは、「すぐに結果を求めないこと」です。

 

少なくとも3か月は取り入れてみないことには、親自身に変化が感じられないことが多く、当然のことながら子どもにも変化が見られません。

 

調べてみたけれど、そもそも客観視が難しい
専門家に見てもらってわが子に合った対応法をまなびたい

と思われた場合は、家庭教育の指導が受けられるような専門機関を頼ってみられるのもひとつです。

 

私が10年間所属していたペアレンツキャンプや、ペアレンツキャンプの代表が理事をしている家庭教育推進協会様を調べてみられるのもよいと思いますし、もちろんMIKURU・MIRUにご相談いただければわたしが全力でサポートいたします(*^_^*)

MIKURU・MIRUの支援では1件1件丁寧にご家庭をサポートし、様々な心理学や教育学を折衷的にお伝えして一生ブレない家庭教育の考え方や方向性を作りあげていきます。

そのため、支援枠に限りがありますので、気になっておられる方は早めのご相談をおすすめします。

 

このブログでもこれまでもこれからも家庭教育に関する情報を発信していますので、ブログで学んでいただければと思いますし、音声配信でも無料で行っていますので、よければそちらもご利用くだると嬉しく思います。

 

 

いかがだったでしょうか。今回は長文になってしまいました。

 

親が家庭教育をまなび、変わることで、子育てにも自分にも自信が持てます。

そして、子どもがこれからをより楽しく生きやすくなるよう、「生きる力」を身に付けさせていきましょう!!

 

MIKURU・MIRUは、様々なご家庭の教育の方向性を示すコンパスでありたいと思っています。

 

よろしければ、これからも応援してくださると嬉しいです♬それでは、また次回ブログ記事にてお会いしましょう!

 

親まなびアドバイザー まいどん先生

 

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