支援初期のご家庭に思うこと

支援初期のご家庭に思うこと

ブログをお読みいただき、ありがとうございます 🙂 

MIKURU・MIRU代表 公認心理師のまいどん先生です。

私がひと月で受け持てる支援件数は20件程度でして、復学をメインとした支援ではなく、家庭教育というものを知っていただいて、お子さんの成長や自立を促したり、親御さんにはカウンセリングを通じてご自身を見つめてもらったり、親御さんが感じてきた生きづらさ解消を目指したり…『復学』という結果にのみ注目するのではなく、親御さんのケアをしっかりとさせていただきながら、ご家庭がいずれ支援を離れられても自信をもって歩んでいかれるよう、支援を差し上げております。

 

そしてMIKURU・MIRUの支援を受けられたいという方には「最低でも1年は続けていただいたほうがよい」とお伝えしています。

MIKURU・MIRUは『復学さえすればよい』と考えませんし、むしろ復学後のほうが色んなドラマがあるので、大事なのはそっちのほうです。

そのようなドラマの中に親御さんの苦労、葛藤、おうちでのドタバタ、挫折…色んなことが起きるので、それを一つひとつ乗り越えていくことでご家庭が大きく変化していきます。

これは実際支援をうけられたことがあるかたでないと「復学をしてホッとしたのも束の間、むしろその後のほうが大変」「最低でも1年」の意味がわからないかもしれません。

また、支援を受けられた親御さんからは、よく「HPやブログではここまでのケアがしてもらえると思っていなかった」「こんなにも深い学びを得られるとは思わなかった」というお声をいただいております。

 

ひと月で受け持てるのは20件程度であり、1年ほど(あるいはそれ以上に)支援を継続されるご家庭があるというものなので、ご相談をいただいた時に支援枠があいていない場合はお断りしたり、他の支援機関をご紹介しています。(現在満席です)

「どうしても山下先生に見てもらいたいので、支援枠が空くまで待ちたい」というお声もいただくようになりました。

いま、支援を受けていただいている方は、たまたまぽつっと枠があいたタイミングでご相談をいただいた。そして支援がスタート。いつも「ご縁だな」と思っています。

 

前置きが長くなってしまいました。

今回は、そんな『支援を受けられたご家庭に思うこと』をテーマに記事を書いてみたいと思います。

 

「ああ…このお母さん、ひとりでいっぱい調べて、たくさん勉強して、ずっと頑張ってきてたんだな…。」

支援を受けていただき、ご家庭の状況を拝見すると、「ずっとひとりでたたかってきてたんだな…」とこころがきゅうっとなることがあります。

そして、お話を聞くと、色んな心理学や教育学の話が出てくる方が多く、これまた「これまでたくさん調べて、勉強して頑張ってきたんだな…」と苦しくなることがあります。

 

不登校や母子登校界隈のブログや解説をみると、大体の人が○○と言いますよね。だから、すぐに取り入れてやってみたんです
まいどん先生
『たしかにその視点で物事を見れば、○○療法が状況改善につながりやすい…』

そう思いながら話を聞きつつも、『だけど多分その切り口はちがう…』と思うことがじつは結構…いや、めちゃくちゃあります。

 

世の中は情報で溢れかえってます。不登校や母子登校に対して、色んなかたが理由・原因・対応策を発信していますし、私もそのひとりです。

でも、多くの情報はあなたのお子さんを直接みたわけでも、どんな子なのかも、どんな家庭なのかもわからない情報で公開されているもの。

ですが親御さんからすれば、たとえ眉唾物の情報であっても、どんなにあがいてもうまくいかなかった…と悩まれている方は特に、「よさそう」ともうと飛びついてしまう。

しかし、よさそうと思うものにとびつくたび、状況がどんどん複雑化することがあります。

 

コロコロ変わる親の態度

子どもからすれば、

ママがまた変わった…この前は学校に行けないならおやつなしって怒ってたのに、今週からやたら私を褒めてくる…
この前までなにしても褒めてくれたのに。今度は何をやっても冷たくなった…
ずっとママが助けてくれたのに、急に「あなたはできる子よ」とか言って助けてくれなくなった…

と、親の自分へのかかわりが変わるたびに『なんで?どうして?』と混乱し、不安になっていきます。

 

また、新たな親のかかわりに戸惑った子のなかには、親が期待していた反応を見せてくれることがあります。
最初はそれを『変化』だと喜ぶのですが、そう長くは続かないということが多いです。

新しいアプローチが合っていたというよりも、子どもが戸惑ってたまたま親の期待した反応を見せただけ。

『その瞬間においてはうまくいったように見えた』だけで、そもそも新しく取り入れたものは取り入れなくてよかった・むしろ取り入れないほうがよかったということもあります 🙄 

 

親の態度や言動に一貫性がないというのは、子どもにとっては恐怖です。

 

昨日は同じことをしても言っても怒られなかったのに、今日は怒られる。

昨日は同じことをしても褒められなかったのに、今日は褒められる。

昨日はどんな話にもうんうんと耳を傾けてくれたのに、今日は無視される。

 

親は何を考えているのか?自分と向き合おうとしてくれているのか?どうしてそんなにも態度が変わるのか?そんなことを考え、不安になり、親が喜ぶであろう行動をとってご機嫌を取ろうとする子も居ます。

 

親とすれば、目の前の現状をどうにかよくしていきたいので、色んなことを調べ、勉強し、取り組んでみる。

それしか方法はないし、苦しくても、とにかく前に進むしかないのだから、とりあえずやるしかないでしょ…と新たにであった○○テクニックなどを実践してみる。

支援を受けられてみると、そういう努力の跡がたくさん見えることがあります。

相性の悪い手法が混在してたり、全く必要がない手法が取り入れられてたり、Aという手法においては問題ないけどDという手法においては矛盾が生じているなということがあったり…

 

否定ばかりでは頑張れない

本当は上のような状況に陥っているご家庭を見たとき、片っ端から断捨離していきたいと思うことはあるのですが、私はいきなりそれはしません。だって、

 

あれもダメ。これもダメ。

お母さんそれはおかしい。

これが正しいんですよ。

 

…って言われちゃったら、今までの自分の頑張り全部否定されるのと同じじゃないですか。

 

お母さん、頑張ってきてたんだろうな。いっぱい本を買って、線を引いて、何度もその本を読んで実践したんだろうな。
いっぱい時間をつかって、自分の時間なんてゼロになるくらい必死に調べてやってきてたんだろうな。
頑張ったね。我慢してきた。つらかっただろう…。

 

親子会話を拝見し、そのように思う私としては、たとえその方法が本当は状況改善のためには邪魔になるとわかっていても、あえて最初はそれを用いたままにしたりもします。

そのままにしておきながらも、少しずつ少しずつ、その手法を使わなくてもいいようにもっていきます。
子どもも、親も、これまで取り組んできたものへの執着がなくなって、その家庭に一番あう方法にたどり着けるように。

 

焦る気持ち、すごくわかる。「私はこんなにやってきたんだ」ってこと、認めてほしいと思うはず。否定されたくないはず。

でも、大丈夫。絶対うまくいく。うまくいくようにする。だから安心してほしい…

 

…そんなことを心の中で思いながら、泣きながら話をしてくれるお母さんに寄り添い、アドバイスをしています。

色んな手法が取り込まれているご家庭のケースは、正しくはまってないパズルのピースだらけといってもいいのかもしれません。

簡単なところからピースを入れ替え、すぐに入れ替えてはいけないピースはそのままにして、最終的にはちゃんとした絵になるように整えていくイメージです。

 

まとめ

支援初期の親子のやり取りから見える親御さんの努力に、「ずっと孤独だったのかもしれない」と思うことがあります。

 

あれこれ手をつけたのは、状況をなんとか早く変えていきたいっていう焦りもあったんだろうと思うのですが、それだけじゃなくて、

 

誰かに認めてもらいたくてこうなっているのではないか。

本当は現状に対する黒い感情もふくめ何もかも、誰かに受け止めてほしかった。

でもそんな人はいない。だから、頑張るしか方法が見つからない。

この方法が合ってるか合ってないかなんてもはや関係なくて、とにかくひたすら走り続けないと、おかしくなりそうになる。

 

きっとそんな毎日だったのでは…と思うことがあります。

せめて、「カウンセリングを受けられたお母さんたちだけでも、会ったことがなくても、どんなに離れていても、大丈夫。大丈夫。」と伝えていきたい。

そう思いながら、日々支援をしています。もちろん、寄り添いだけではなく、しっかりと分析・アドバイスをしながら。

 

「気が付けば子どもが毎日学校に行けている。私も主人も変わった…。あんなにひとりでもがいていた日々はなんだったんだろう?」

こんなふうに思う方がひとりでも増えていくように…そんなことを考えながら。

 

それでは、今回はこのへんで終わりたいとおもいます。

また次回のブログにてお会いしましょう 🙂

まいどん先生(公認心理師)

 

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