空気を読むことがうまくなってしまったお母さんとお子さん

 

空気を読むことがうまくなってしまったお母さんとお子さん

ブログをお読みいただきありがとうございます。

今回は共依存とアダルトチルドレンをテーマに記事を書いてみたいと思います。

 

幼少期に人の顔色を読むのが得意になってしまった

『あっ、いまのこの人怒ってるな』『今傷ついたな』というような機微を読みとることは幼少期に身につけていたと思う。

とお話されるお母さんは珍しくありません。

 

家にはたくさん地雷があり、踏めば必ず家族の誰かが怒って、私に向かってくるかほかの家族が言い合いをしていた。

1日誰も言い合いもけなし合うこともせずに平和に過ごせたことはないかもしれない。

その地雷配置は毎日変わる。

その日の気温、家族の前日の動き、家族の寝起きの良さ、それぞれの機嫌によって、昨日は踏んじゃだめな場所を踏んでも何もおこらないということもある。

かなり難易度の高いゲームみたいなもので、毎日緊張していた。

誰だって家族には笑っていてほしいし、怒ってほしくない。

だから、なんとか地雷を踏まないように必死に家族の表情を読んだ。

「失敗したら自分の読みが甘かったからだ。成功したらたまたま家族の機嫌が良かったからだ。」

そんなふうに、相手の気持ちや雰囲気ばかりを見る子だったので、自然と家族以外の心の動きも観察してしまうのだと思う。
自分が傷つかないための予防策を、無意識的に行っていたんです。

 

今振り返れば、当時の私の願いは、

『家族が理由なく怒らないこと』『怒るならちゃんとした理由があって怒ること』『許しあえる関係であること』

であったのだとも思います。

 

『誰かが不機嫌になる』は自分にとってかなりの苦痛です。

例えその不機嫌が、朝夫婦喧嘩をしたからとか、お腹が空いているからだとか、彼氏と別れたとか、学校のことで悩んでるとか、自分にはどうすることもできないことでも、目の前の人がぶっきらぼうだったり不機嫌さや敵対心などをもたれると、必死になって心を守ろうとしてしまうんです。

そして、いいひとのふりをしてしまうんです。

店員さんが不機嫌そうに接客をしたら、無理ににこっと笑って「ありがとうございます」と言ったり、自分でも偽善だなと思う行動をとったり…。

『まるで母親の顔色をうかがっていた子どものころの自分だ…』と思います。

 

あるいは、近くに不機嫌なひとがいたら関わらないで透明人間になったふりをします。

『相手から攻撃されないようにする』ということが、私の人生においてのミッションになってしまった。

幸せになりたいとか、子どもを愛したいとか、自己実現したいとかよりも、一番は「未熟な自分を攻撃されないようにする」ことが最優先。

私はいつだって自分に自信を持てませんでした。

 

こういった話をされるお母さんは、アダルトチルドレンに当てはまるはずです。

教育虐待に近い関わりがあったり、依存的なお母さんに支配されたり、感情を爆発させる癖がある親御さんに育てられてきていたり。

 

↓アダルトチルドレンについては無料の音声配信で解説しています。

#78 子どもに厳しくなる私。アダルトチルドレンとは

 

わが子に「いい子」を求めてしまう理由

「私はいつだって自分に自信を持てなかった」

 

それはきっと、私が母親の所有物だったからだと思います。いつも親の機嫌をうかがい、自分の人生を生きたことがありませんでした。

わがままを言ったり甘えるというようなことを子どものころにできませんでした。

依存的な親に依存されて、自分もそれに依存をしてきた自覚もあります。

「いい子ね」と言われることを目標に生きて、自分で選択せずに生き、自分軸を持たないまま大人になってしまった。

常に何かに依存をしてしまいます。

占い、○○教育、○○療法、○○論、鍼、ヨガ、瞑想・・・。

あっちこっちいって、自分が定まりません。そして、どれも長続きしません。

まるで仕事を早々にやめて「自分探しの旅をする」という若い子みたいに。

 

本当は、わが子と向き合えていない私に問題があるとうすうす気づいているのに、この期に及んで子どもの性格だとか、特性のせいにして逃げようとしてしまいたい自分がいるということに気づきました。

だから、私は先生の支援を受けて変わりたいと思いました。

 

いつも何かをはじめても、『偽りの自分』でいるしかなくて、その自分が苦しくなったら、逃げてしまう。

そんな自分なのに、学校に行けないとか、習い事が嫌だとか言う我が子に厳しくなってしまいます。

そんなわが子を許せないのは、裏を返せば、私自身にも弱さがあるからです。弱い子どもに過敏に反応をしてしまうんです。

自分が許せない自分の弱い部分を子どもにみせられている気がして。

ずるいですよね。わかってるんです。

…と、泣きながらお話されるお母さんは多いです。

 

自分がなぜ「いい人」でいようとしすぎてしまうのかを知る

支援を差し上げていると、「お母さん、めちゃくちゃ子どもに厳しいな」と思うことがあります。

正直に書くと、私がお母さんにイライラしてしまうことさえあります。

「そんな言い方したって、子どもが傷つくだけやん…」と。

一瞬そう感じたあと、そういうふうに一面でしか物事を見れていない自分にハッと気づき、『なぜこのお母さんはこんなにもお子さんに厳しいんだろう』と考えます。

今回書かせていただいた内容は、支援でいうと半ばくらいにようやく出てくるかどうか…な内容です。

最初はみなさん、理由がわからないけどイライラすると言います。いえ、実際は薄々気づいているけれども、見たくなかったというほうが正しいかなと思います。

カウンセリングを通じて、

自分の心の内を話すのは変なことじゃないんだ。弱さがあるのはダメじゃないんだ。どんな自分でも受け入れてもらえるんだ。

…と感じられた親御さんは、徐々に私に心をひらいていかれます。

きっと私がお母さんの発言にイライラしたままで、『お母さん、そんなこと言うからお子さんは自分に自信が持てなくて頑張れないんですよ』なんて言ってしまったら、きっとそのお母さんは自分が子どもに厳しく関わってしまったことを隠してしまうと思います。

まるで自分の親に「いい子」じゃないと嫌われるのではないかとおびえていた時のように。

我が子が頑張れないのは、『親の思う子どもになれないことへの不安』『自分に自信が持てない自分に親がイライラしているのを知っているから』ということもあることに気づいていくと、家庭内でのやりとりがガラッと変わることがあります。

行動には必ず相手なりの理由がある。

この言葉を心に刻み、いつも忘れないようにしていかねばならないと思う今日この頃です。

 

それでは、今回はこのへんで終わりたいとおもいます。最後までお読みいただきありがとうございます。

また次回のブログにてお会いしましょう 🙂

まいどん先生(公認心理師)

 

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