母子登校をやめたいほど疲れたお母さんへ|付き添いを休む・減らす・見直す考え方

母子登校 いつまで

母子登校をやめたいほど疲れたお母さんへ

ブログをお読みいただきありがとうございます。
公認心理師のまいどん先生こと山下です。

7月。夏休み前あたりから始まった母子登校。

「2学期には慣れるかな」
「最初だけ付き添えば、そのうち一人で行けるようになるかな」

そう思って、毎朝学校まで付き添ってきた。

6月。まだ離れられない。
7月。親も一緒に教室へ。
9月。夏休み前より不安が強くなっている。
10月。仕事や家事との両立が難しくなる。
11月。

もう学校に行きたくない。
私が。

校門まで送るだけなら、まだ何とかなると思っていた。

でも、下駄箱まで一緒にきて。
教室前まできて。

教室の中にいて。
ぼく(子ども)が落ち着くまでいて。
1時間目が終わるまでいて。
給食を食べ終わるまでいて。

…気づけば、お母さんの一日の大部分が、子どもの学校生活に組み込まれていた。

クラスの子に、

「どうして〇〇くんだけ、お母さんが来ているの?」

と聞かれることもある。

無理やり笑顔を作って、

「今、一人で行けるように練習しているんだよ」

と答える。

けれど、帰宅して一人になった瞬間、

「そんなの、私が聞きたい」
「いつまで続くの?」
「どうして、うちの子だけ一人で行けないの?」
「もう全部やめたい」

と涙が出てしまう。

そんな親御さんも、決して少なくありません。私はかれこれ15年、そのようなお母さんたちの悩みに寄り添ってきました。

今回は、

「母子登校をやめたい」
「付き添い登校に疲れた」
「明日、もう学校に行きたくない」

と感じている親御さんに向けて記事を書こうとおもいます。

付き添いを休む・減らす・見直す考え方

ひとことで「やめたい」と言っても、その中身は人によって違うはずです。

今日だけ休みたい

「昨日も学校に付き添ったし、今日も朝から子どもを起こし、なだめ、準備をさせ、学校へ向かう。

…でも今日は、身体が動かないよ…学校に行くことを考えるだけで、涙が出る。」

母子登校そのものを完全に終えたいというより、とりあえず、今日だけでも休みたい状態。

校内で長時間待つ形をやめたい

登校への付き添いはしてきた。

でも、教室の後ろや別室で何時間も待つことなると難しい。
仕事もある。下の子の予定もある。家のこともある。

今の付き添い方をなるべく早くに変えたい

 

お母さん一人で担う状態をやめたい

お父さんは仕事。
学校は「お母さんがいると落ち着きますので」と言う。
子どもは「ママじゃないと無理」と言う。

その結果、登校、学校との連絡、先生への説明、子どもの不安への対応を、すべて自分が担っている。

母子登校をやめるかどうかよりさきに、お母さんである自分だけが担う仕組みをやめたい

登校させ続けること自体を見直したい

子どもが泣き、頭痛や腹痛などの身体症状が続き、親子で毎朝言い合いになる。
学校に到着しても、子どもはほとんど活動できない。母親にしがみつき、離れない。

「帰ろうよ」といってもうんとは言ってくれない。

そこまでして毎日学校へ連れて行くことに、意味があるのだろうか。

 

…と、このように、「やめたい」といっても、それぞれなはずです。

なぜ母子登校が続くのか。「子どもは学校に行きたい」と言うから、学校を休めないから。

母子登校・付き添い登校は、子ども自身が「学校には行きたい」「休みたくない」「ママが一緒なら行ける」と言うことが結構あります。

親が無理に引っ張っているわけではないということが結構あるんです。

子どもが行きたいと言う。でも、一人では行けない。だから親が付き添う。

実際のやりとりを見ていないと、「え、やめたらいいのに」という意見を言いたくなる方もいらっしゃるかもしれません。だけど、この形は、実は親御さんにとって非常に断りにくいものです。

「子どもが頑張ろうとしているのに、私が休みたいなんて言っていいの?」
「私が行かなかったら、この子は欠席になってしまう」
「子どもの学ぶ機会を、私が奪ってしまうのでは」

こういった気持ちがあるのです。子どものこれからを考えた時に、なかなか突き放すことができません。

 

ただ、子どもの「学校に行きたい」という希望と、お母さんが毎日、長時間付き添い続けられるかどうかは、別の問題ですよね。

お母さんの体力、仕事、きょうだいの生活、家庭全体の予定を、無期限に差し出さなければならない。

 

子どもが学校に行きたいのであれば、なおさら、お母さん一人の頑張りがなくても学校とつながれる仕組みを考える必要があります。

どうしてもしんどい日は、休んでもいいのかもしれない

「母子登校を改善したいのに、休んでいいのでしょうか。」

この質問をよくいただくのですが、私は、どうしてもしんどい日は、休むという選択があってよいと考えています。

一日休んだからといって、それまでの積み重ねがすべてなくなるわけではありませんし、親が限界を超えた状態で学校に行き、子どもに強く当たり、先生にも気を遣い、帰宅後に動けなくなる。

…その状態を毎日繰り返す方が、親子にとって大きな負担になることもあります。

 

親の疲れを隠し続ける必要はないと私はおもいます。

「学校に行きたい気持ちはわかっているよ。でも、ママが毎日教室までついていくのがちょっとしんどくなってしまったんだよ。明日はお休みして、またお父さんとも学校とも相談してやっていけたらっておもう」

…と、正直に伝えて休んで、それでもこどもとは離れられないけれど、少なくとも学校内のあのなんともいえない重い空気からは離れて過ごす日があっても、私はいいと考えています。

親のつらさを見せてはいけないの?

母子登校の親御さんから、

「疲れている姿を、子どもに見せてはいけませんよね」
「笑顔で支え続けないと、子どもが不安になりますよね」

と聞かれることがあります。

親も人間ですし、いつも穏やかで、いつも笑顔で、どれだけ付き添っても疲れない親でいることはできません。

「今日は疲れている」「今のやり方を続けるのは難しい」「少し休む必要がある」と伝えること自体が、悪いわけではなく、

自分の状態を言葉にすることや、できることとできないことを伝えることや、無理なときには助けを求めることなど、そうした姿を見せることにも意味があると私は思います。

 

母子登校を急にやめるのは正解?

疲れ切った親御さんが、

「もう明日からついていかない」
「泣いても置いてくる」
「これ以上は甘やかせない」

と決断したくなることがあるというお話もよく伺います。

 

今の状態を変えたい気持ちは、よくわかります。

ただ、不安が強い子にとって、昨日まで教室にいた親が、説明も準備もないまま急にいなくなる・母子登校を辞めにされることは、大きな負荷になってしまう場合があります。いきなりゼロにするというより、1日休んでみたり、頑張り方・強度をかえるということが先にあってもいいかなと思います。

たとえば、数時間だけ行って帰ってみるのもひとつの手です(もちろん、それが難しいというケースもあるはずなのですが…)

「代わりにお父さんが行けばいい」で進まないこともある

お母さんが疲れているので、「次はお父さんが行けばいい」「祖父母にお願いすればいい」と考える方もいるとおもいます。

それで進むご家庭もありますが、子どもが強く拒否してくるという場合もあります。そのような状態で、説明も準備もなく担当者だけを替えても、うまくいかないことが往々にしてあり、これも難しい問題だなと思っています。

子どもにとっては、お母さんという人そのものだけでなく、

いつもの声かけや、いつもの登校ルート。
学校での立ち位置や、不安になったときにとってくれる対応。

などを含めて安心の形になっていることが多く、突然担当が変わると「引継ぎ大丈夫そう?」となるのです。

だから、交代するのであれば、何をどう引継ぎできているかを共有したり、学校まで送ってお母さんが帰れる(帰りに迎えに行く)スタイルならば、送迎の朝の送りだけお父さん。というふうに部分的にお願いしてみるのは手かもしれません。

 

今の母子登校を見直した方がよいサイン

次のような状態が続いているなら、親の頑張り方ではなく、母子登校の仕組みそのものを見直した方がよいかもしれません。

・朝、学校のことを考えるだけで涙が出る
・付き添い後は何もできないほど疲れる
・子どもへのイライラが強くなっている
・仕事や家事、きょうだいの生活に大きな影響が出ている
・学校にいる間、親が何をすればよいのか曖昧なまま待っている
・数か月たっても、親の付き添う場所や時間が変わっていない
・学校側が親の付き添いを前提にしている
・親が休むと、学校とのつながりがすべて途切れる
・夫婦で状況が共有されていない
・「私がいなければ全部崩れる」と感じている

これらは、一人の親に役割が集まりすぎているサインです。

やめる前に、整理してほしい5つのこと

母子登校をやめたいと思ったとき、感情を抑え込んでそのまま続ける必要はないと私はおもいます。

かといって、朝の限界の中で、すべてを決めるのも難しいので、まずは次を整理してみてください。

1.何が一番しんどいのか

「母子登校がしんどい」だけでは、対策を決めにくくなります。

家から学校まで連れて行くことなのか。
教室の中にいることなのか。
周りの視線なのか。
学校でいつ帰れるかわからないことなのか。
仕事に行けないことなのか。
子どもとの交渉なのか。
先生への気遣いなのか。

負担の正体を分けてみましょう。

たとえば、登校への付き添いはできるけれど、校内で3時間待つことが難しいのであれば、見直すべきなのは「登校」ではなく「校内滞在の中身」ということになります。

2.次の一歩をどこにするのか

目標を、いきなり「一人で登校する」にせず、段階を踏むとうまくいくこともあります。

教室の後ろから、教室前へ。
教室前から、別室へ。
2時間待つところを、1時間にする。
親が先生へ伝えるところを、子どもが一言だけ言う。
週に一日だけ、別の大人が付き添う。

今より少しだけ親がいなくても大丈夫という場所を探してみるのも手です。

3.親を支える人は誰か

子どもの支援者はいても、付き添う親を支える人がいないことがあります。

夫婦で役割を共有できるか。
学校へ親の負担を伝えられるか。
家族にきょうだい対応を頼めるか。
専門家に状況を整理してもらえるか。
親が休める時間を確保できるか。

母子登校では、子どもの支援だけでなく、親を支える仕組みも必要です。

 

休んだあと、同じ形に戻らないために

一日休んで少し回復しても、翌日からまったく同じ母子登校に戻れば、また疲れが積み重なります。

休むことは大切です。

母子登校が長期化しているときには、単に子どもが慣れていないだけでなく、

親と離れる不安が強い。
学校内に具体的な負荷がある。
切り替えや見通しが苦手。
怒りで不安を表している。
本音を言えずに我慢している。
親が準備や判断を抱えすぎている。

…といった背景が重なっていることがあります。

お子さんの背景を整理したい方は、
【母子登校5つの動物タイプまとめ】も参考にしてみてください。

 

また、同じ形の付き添いが長く続いている方は、
【母子登校はいつまで続く?ひとりで登校できる日が来る家庭と長期化する家庭の違い】
もあわせてお読みください。

お母さんが休むことと、子どもの成長は対立しない

親が休むと、子どもの成長が止まると感じている方もいるかもしれません。

ですが、親が限界を超えるまで付き添い続けることだけがすべてではないと私はおもいます。

親が自分の状態を知るぉとや、できることとできないことを伝えること。
今の方法が続けられないなら、別の方法を考える。

これも、子どもにとって大切な環境づくりです。

お母さんが休むことと、子どもが成長することは、反対ではありません。

親子のどちらか一方が無理をしなければ成立しない仕組みを見直すことが、長い目で見た支援になります。

まとめ|「母子登校をやめたい」は、仕組みを見直すサイン

「母子登校をやめたい」

今のやり方では、もう続けることが難しいという現実が見えてきたのだと思います。

 

MIKURU・MIRUでは、「明日から付き添いをやめましょう」「子どもが安心するまで、ずっと付き添いましょう」という一律の答えは出しません。

親子の会話や毎朝の流れをうかがいながら、ご家庭に合った段階を一緒に整理します。

お子さんが次のステップに進む場所はここというタイミングを一緒に見極め、伴走しながら支援を行います。

「母子登校をやめたいほど疲れた」
「子どもは学校に行きたいと言うけれど、もう付き添えない」
「学校に相談しても、親が付き添う前提のまま変わらない」
「一日休んでも、また同じ毎日に戻ってしまう」
「どこから手を離せばよいかわからない」

そのような方は、一度ご相談ください。親子のどちらかだけが無理をしなくても成り立つ形へ変えるために、まずは今の母子登校を一緒に見立てるところから始めていきましょう。

 

公認心理師 MIKURUMIRU代表 まいどん先生(山下真理子)

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