母子登校と過保護は本当に関係があるのか①

母子登校と過保護は本当に関係があるのか①

こんにちは!まいどん先生こと山下です。ブログをお読みいただきありがとうございます。

 

日頃、「母子登校は過保護が原因なんですか」というご質問を多くいただきます。

今回は、そんな「果たして本当に母子登校と過保護に関係はあるのか?」ということをテーマに記事を書いてみたいと思います。

とても長い内容になりそうなので、何回かにわけての更新予定です。

 

母子登校で悩むご家庭に多い傾向

母子登校で悩まれるケースの場合、このようなご相談を多くいただきます。

・幼稚園や保育園の頃から行き渋りがあった

・小学校に上がり、頭痛や腹痛を訴えるようになった

・「隣の子がいや」「○○さんにこんなことをされたから学校が怖い」と言うようになった

・子どもはとにかく失敗を嫌がる

・子どもは親と離れることや学校でのことに対して不安感が強い

・児童精神科やSCに相談したものの「甘えさせて」「待ちましょう」と言われた

・人、場所見知りをする。家ではひょうきんなのに…

・学校では真面目でしっかり屋だと言われる。家ではとても幼く振舞う。担任に毎朝行き渋っていると相談すると驚かれる

・親が甘やかしているから子どもが今こんなに苦しんでいるんじゃないかと感じる

・親は子どもに対し、声のかけ方や態度など具体的に何を変えればよいのかわからない

・母子登校を続けていくうちに不登校になってしまった

・母子登校から不登校を経てなんとか復学をしたものの、母子登校なのには変わりがない。もう疲れてしまった

・他のお子さんと自分の子どもを嫌でも比較してしまう

・家でもガミガミ言って、学校でも先回りして指示をしたり声掛けをしたりしてしまう

…etc

「家庭教育支援を受講してみたい」と仰るご家庭には、より詳細にご家庭の状況を把握するために「おはよう」から「おやすみ」まで、親子の会話を教えていただきます。

母子登校で悩まれているケースで多いやりとりを例にあげてみます。

小学1の子に対し…

母「起きる時間だよ」(と言って肩をトントンとたたく)
子 「んんー」(起きにくそうにする)
母「ママがおんぶする?それなら起きられるかな?」
子「ううーん…。うん…。」
母(お母さんは子どもをおんぶする)
父「わぁ、大きな赤ちゃんがいるなぁ!おはよう!今日は起きにくかったのかな?!」
子「んんー!パパうるさい!」
父「なんだとぉー!」(子どもをくすぐる)
母「そろそろ朝ごはん食べよう。顔を洗って着替えておいで」
子「えー…」
母「じゃあ、ママが服をだしてあげるから、顔は洗える?」
子「…。」(いやそうにする)
母「もう、じゃあママといこう」(洗面所に行き、顔を洗わせる)
母「ねぇ、今日はこれとこれどっち着る?」
子「わかんない…」
母「じゃあ、こっちね。自分で着れるかな?」
子「…。」
母「ママが着させてあげるね。さあ、ご飯食べようね。今日は7時50分に家をでるよ」
子「いやだ…」
母「ん?なにか不安なことはあるの?ママに教えて?」
子「…給食が…。」
母「そうなの?昨日は美味しいっていってたじゃない。ママが先生にいう?自分で言える?連絡帳に書く?ほかに不安はないかな?」
子「ママがいないから…」
母「ママがいないのが怖いの?」



書き出すときりがないのでこの辺で終わりたいと思いますが、みなさんはこれをよんで違和感はありましたか?

 

親御さんが頑張りすぎて空回りしていることも…

一見、とても子どもを理解して助けてあげる優しいママと子どもと陽気なパパのほほえましいやりとりに見えますが、よくよく読んでみると、このやりとりでは、お子さんが自分の考えを言語化できていないことがわかります。

かつ、親御さんが子どもが何を考えているか想像し、察し、先回りをしていることもわかります。

 

このように、多くのケースでは親御さんが頑張りすぎていることがわかります。ほかには…

・お母さんは子どもの感じていることが表情を見るだけでわかってしまうので「学校が嫌なの?」「明日の授業の何が嫌なの?こうしたらいいじゃない」と言葉を交わしていないのにアドバイスができてしまう

・「子どもが不安にならないように」「不安を取りのぞいて子どもを安心させたい」という気持ちから親は「今日は何か不安なことあった?」「明日の学校で不安なことはある?」と聞いてしまいがち

・「次は宿題ね。17時までに終わらせないと大好きなアニメがみられないよ。アニメを観終わったらお風呂ね。ご飯は19時からだからね」と親は子どもに細かい指示を与えがち

・子どもが困らないようにと「帽子は?」「ハンカチ忘れてるよ」「それ、ランドセルに入らないんじゃない?これに入れたら?」など、子どもに求められる前にアドバイスをしがち

・お母さんの都合や気持ちはさておき、「ママ、どうしても変えられない用事があるから3時間目から帰りたいよ。いい?」と子どもに確認し、無理だと言われれば大事な予定もキャンセルして子どもに寄り添うことが多い

…etc

…など、お母さん(お父さん)が子どもの気持ちがわかりすぎるが故に一生懸命にサポートをされていることが多いのです。

しかし、実はこれが落とし穴ともいえます。

もちろんすべてのケースにおいてこのやりとりがNGというわけではありません。

特性のあるお子さんや、不安感が強すぎる子にとっては、むしろこのサポートが必要な場合もありますので、そこは誤解のないようにと思います。

 

そんなに頑張らなくてもよいところでお母さんが頑張りすぎていて余計にこじれてしまっている

・親御さんが自分の代わりに自分が何を感じ考えているのかを考えたり決めたりしてくれる。

・自分が何を求めているのかを想像し、自分の言葉で相手にお願いすることをしなくても勝手にそのようになる。

・自分が先に何が起こるのかを想像しなくても親が自分の代わりに先読みをして「そろそろこれをする時間よ」と言ってくれる。

このようなことが日常化することで、常にお母さんが側にいないと不安に思ってしまい、その結果、

学校が怖い…
ママがいないから不安

という言葉につながっていることがあります。

よく、この状態で児童精神科やSCに相談をされると、
「分離不安症」「愛情不足」「HSC」と言われる方が多いようです。
そして、「安心するまで付き添ってあげてください」「このまま様子を見ましょう。見守りましょう」と言われることがあります。

そして、愛情深い親御さんですと、この言葉を聞き「私が守ってあげなければ」とより一生懸命に関わろうとします。

そして、お子さんが不安にならないように、

(門の近くまで付き添い)校門でわかれられそう?不安はない?
(教室に入り一緒に授業を受けながら)ここ間違ってるよ。先生の話、わかる?
(別室で待機しながら)不安なことはない?大丈夫?ちゃんとできてる?ママはここにいるからね。いつでもきたらいいよ。怖いことがあればいつでも言いにおいでね

…と声をかけたり。

 

毎日子どもに付き添って、子どもが何に不安を感じているか想像を巡らせて、不安がなくなるようにと関わられる。なかなか出来ることではありません。

 

「こんなにもやっていれば、そのうち不安は解消されるだろう」

 

そう思っても、良くなるどころかどんどん幼くなっていく。おうちでもお母さんと離れられなくなる。弟や妹に意地悪をするようになる。わがままや癇癪が酷くなる。我慢が出来なくなる…と、このように、よけいにこじれてしまうことがあります。

 

周囲から「頑張り」を「甘やかしすぎ」と言われる。

何もしていないのではなく、むしろ頑張りすぎている。

色んなところで「母子登校」と検索しては我が子に合いそうな対応をためし続けている。

それなのに、周りからは「過保護なんじゃないの」と言われたり、「甘やかしすぎ」と言われたり。

確かに見方によっては過保護といえるのかもしれません。

しかし、過保護というより、親が頑張りすぎているだけだと私は思うのです。

 

さらにここまで書かせていただように、状況がこじれていくと、お母さんの中には

「このまま酷くなって不登校になったらどうしよう?」「この子は心の病気なの?」「そんなに学校が無理な子なの?」

…という疑問が出てきます。

「取り返しのつかないことをしてたらどうしよう。無理に私が付き添って学校行かせて。これで本当にいいの?」と余計に悩んでしまう。
時にお母さんとうまく離れられなくて学校で大泣きする子を、担任や養護の先生にむりやり引きはがしてもらって逃げるように帰る日もある。

周りの子は、お母さんがいなくても行けてるのに。
周りの子は、こんな風に不安を訴えないのに。

悔しさと不安とつらさで限界になり、家までの帰り道に涙が止まらなくなる。

そもそも、うちは本当に愛情不足なの?こんなにもやってるのに?愛してるのに?これ以上何をしろっていうの?

 

…と、どんどん追いつめられてしまいます。
そんな中、周りに相談しても、「お母さんが頑張りすぎ」「そんなに甘やかさなくていいんじゃないの」なんて言われる。

 

過保護なのかもしれないけれど、じゃあどこをどうしたらいいっていうのよ?

と思いますよね。

それならば自立を目指そうと取り組んでも、病院やSCには「安心するまで付き添ってあげてください」「このまま様子を見ましょう。見守りましょう」と言われる。

頑張っても思う結果にならなくて辛いのに、周りの意見も両極端。

お母さんがこんな風に悩んでいることを周囲は気づいてくれなかったりします。周りが思う以上に、母子登校はきついんです。

 

長くなったので、続きはまた次回にしようと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

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