今回は「過保護型」のカンガルータイプについて解説をしていきたいと思います。
この記事はこんな方におすすめ
- 自分の子育てはうまくいっているのかいつも不安
- 愛情不足ではないか心配
- いつも子育てのことで頭がいっぱい
- ご主人から「もっと放っておいても大丈夫だよ。がんばりすぎ」と言われたことがある
カンガルータイプのお母さんはとっても頑張り屋さんで、愛情深い方が多いです。
子どもを愛するがあまり、必死になりすぎていて、「愛情不足にならないように」「子どもを満たしてあげられるように」と関わっているけれどうまくいかない…じつはそんな方は「愛情過多」かもしれません。
カンガルータイプとは
特徴
カンガルータイプは親が過保護であるがゆえに、子が親への依存心を強くもってしまっている傾向にあります。
子どもの状況
・お母さんに声掛けをしてもらわないと行動しない






…と、このようにお母さんに声掛けをしてもらえれば行動出来るけれども、自分で先読みをしたり時計を見ながら行動することが苦手。
(けれども決して時計が読めないわけでも、まったく先読みができないわけではない)
・何でもお母さんに任せてしまう






…というふうに、お母さんに判断を委ねてしまいがち。
カンガルータイプはお母さんへの依存心や依頼心が強いのが特徴ですが、それと同時にお母さんが「一生懸命お世話をしすぎてしまう」「頑張りすぎてしまう」ことが原因になっています。
母子登校の様子




最初の子どもの発言が必ずしも「ママがいないから」「学校が怖いから」と具体的であるとは限りませんが、学校に行けない不安要素の一つは「ママがそばに居ないこと」であることが殆どです。そして、お母さんは子どもに頼られるとつい張り切ったり頑張りすぎてしまいがち。
では、なぜ「ママがいないと不安」になるのでしょうか。
ラッコタイプの説明でも過度な依存心と依頼心について説明をしましたが、多くの場合は「家庭内ではいつも守ってくれたり指示してくれるお母さんが学校にいない」から不安であることが多く、分離不安でお母さんと離れられないというよりも自立心が年齢相応でないということが要因の一つになっています。
よく「母子分離不安」と表現されていますが、正式には「分離不安(分離不安障がい)」です。それに「母子」という言葉がついてわかりやすい表現になっています。
ここで分離不安とは何かを一緒に見てみましょう。
分離不安障害(ぶんりふあんしょうがい、英:Separation anxiety disorder:SAD)とは、愛着のある人物や場所から離れることに対し不安を感じることを指す心理学用語である。
生後6か月から3歳までの児童には一般的にみられる兆候であり、病的なものとみなすべきではない。
アメリカ心理学会によると、精神障害とされる分離不安障害とは、一般的な発育過程でおこる分離不安より著しく過剰な不安感や苦痛があり、それが一定年齢を過ぎても継続する状態とされている。
DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)では診断基準Aのうち3項目以上を満たしていることを条件とする。
- 家または愛着をもっている重要な人物からの分離が予測される、または、経験されるときの反復的で過剰な苦痛
- 愛着をもっている重要な人物を失うかもしれない、またはその人に病気、負傷、災害、または死など、危害が及ぶかもしれない、という持続的で過剰な心配
- 愛着をもっている重要な人物から分離される運の悪い出来事(例:迷子になる、事故に遭う、誘拐される、病気になる)を経験するという持続的で過剰な心配
- 分離への恐怖のため、家から離れ、学校、仕事、または、その他の場所へ出かけることについての、持続的な抵抗または拒否
- 1人でいること、または、愛着をもっている重要な人物がいないで、家または他の状況で過ごすことへの、持続的で過剰な恐怖または抵抗
- 家を離れて寝る、または愛着を持っている重要な人物が近くにいないで就寝することへの、持続的な抵抗または拒否
- 分離を主題とした悪夢の反復
- 愛着をもっている重要な人物から分離される、または、予測されるときの、反復する身体症状(例:頭痛、胃痛、嘔気、嘔吐)
<アメリカ精神医学会、精神疾患の診断・統計マニュアル>
・診断基準Bは恐怖・不安・回避が子どもや青年は4週間以上、大人は6か月以上持続していることを要求している。
・診断基準Cは臨床的に意味のある苦痛、または、社会的、学業的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
・診断基準Dは他の精神疾患ではうまく説明できないことを要求している。
<Wikipedia より>
実際にお子さんの状況と照らし合わせてみると「うちの子はここまでではないかも」「状況によっては常にこうではないな」とおっしゃる方は多いです。
そしてそのようなケースでは普段どのような親子の関わりをしてこられていたかをおうかがいすると、過保護傾向にある関わりになっていたことが分かることが殆どです。
過保護型の場合は以下のようなお母さんが多い傾向にあります。
・「理想の子育て」「理想の子ども像」がある
・ヘリコプターペアレント(常に子どもの上を旋回するかのように子どもの行動を監視してしまう) ・子どもを管理しがち ・完璧主義 ・人に頼ることが苦手 |
いずれも「子どもにはよりよい未来を歩んでもらいたい」という親の想いが込められている内容です。よって、
親の育て方が悪いのではなく、むしろ親の育て方が良すぎるがためにおこっている状況であると私は感じています。
母子登校に悩むお母さんは、これまで子育てに一生懸命すぎて、つい手を加えすぎていただけかもしれません。
まずはここから
ここまで「お母さんの頑張りすぎかも」ということについて触れて書いてきましたが、まずは「なぜ頑張りすぎてしまうのか」という自己分析から入ってみるといいかもしれません。
「どうして過保護になってしまうのだろう」ということを親御さんと振り返ってみると、このような意見をいただくことが多いです。




どれもお話を聴くと、お気持ちがよく分かります。
せっかくこの世に生まれてきてくれたのだから、大事に育ててあげたいし、嫌な想いはさせたくないのが親心ですよね。
しかし、もし今母子登校で親子共につらい状況にある原因が親のがんばりすぎによるものであるとすれば、お母さんの子育てへのとらわれをなくしていったり、頑張るのをやめてみてもいいかもしれません。
お母さんの思考の変え方などについても解説が出来れば良いのですが、人によって対処法が異なることと支援を通じて3か月~半年ほどかけて変わっていくもので説明がとんでもなく長くなるので割愛しますが、以下のことはどの方にも当てはまると言えるかと思います。
・「子どもは失敗から学び成長する」「失敗経験があってこそ人は成長する」という大切なことを思い出す
・子どもには「自立したい」気持ちがあることを知る ・子どもを「管理する」のではなく「見守る」 |
上記の詳細についても、また別のブログ記事にて書かせていただこうかと思いますのでお待ちくださいね。
このブログの内容がどなたかのお役に立てれば幸いです。
親まなびアドバイザー まいどん先生
↓ほかの母子登校5つの動物タイプについてはこちら↓
・ラッコタイプ |
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