母子登校は「治す」もの?
ブログをお読みいただきありがとうございます。今回のテーマは母子登校についてです。
母子登校から1日でも早く抜け出したい
母子登校になると、程度にもよりますが、親御さんがお子さんと向き合う時間が増えることと思います。
そう感じられる方が殆どなのではないかと思います。
これまでの支援で沢山の母子登校のケースを見てきた身としては、親御さんの想いはよくわかります。
早く解決策を知りたいし、1日でも早く抜け出したいですよね。
しかし、母子登校は1日2日、親子の関わりを変えてみてもなかなかうまくいかないことが殆どです。
母子登校は風邪のような「病気」とは違い、そうなった理由はご家庭により異なり、解消を目指すにも方法は様々です。
お子さんの性格が1人1人ちがうように、かかわり方も十人十色であるといえます。
少なくとも、
①悪循環の維持パターンがある
②お子さんに学校そのものが合っていない(ギフテッド・HSC・その他本人の気質などが関係)
③母子分離不安がある
④お子さんの自立心に課題がある
こういったところが関係しているケースでは、たとえお子さんがひとりでの登校を果たしても、環境や関わりを数か月変えたところで、同じことが繰り返されがちです。
私はこれまでの支援者経験の中で、形式的にひとりでの登校が果たされ復学をしたとしても、結果的にリバウンドしてしまう…というケースを多く見てきました。
そのような立場からしますと、支援は1年は継続する必要があると考えます。
例え夏休み明けに復学を果たしても、その後の冬休み明けにまた調子がわるくなったり、学年が上がり環境が変わったことでうまく適応できなかったり、そのあとのGWで登校への不安を訴えたり…と、そのあとに山場は沢山待ち構えており、そこの乗り越え方をしらないままですと、同じ悩みを抱えてしまいがちです。
たとえば、短期間で目標とする体重や体脂肪率を達成したとしても、毎日の食や運動など、習慣や健康への意識そのものが根本的に変わらないと、リバウンドしてしまいます。
ダイエットしてはリバウンドを繰り返し、どんどん痩せにくいからだができてしまうのと同じように、親子の関わりが一時的に変わっても、また元に戻ることが繰り返されてしまうと、子どもは
と感じてしまったり、「結局学校のことしか考えずに自分のことをわかろうとしてくれない」と親への不信感を高めてしまうこともあるでしょう。
コンセプトとニーズ
『これで解決!母子登校』をお読みくださった方のご感想には、「親の対応だと書かれてあって希望を感じた」という方と、「結局は親の対応と書かれてあって傷ついた」という方にわかれるなと感じています。
これは、それぞれ置かれている状況が違うことと、購入前の書籍への期待とは外れていることが原因かなと思っております。
書籍では、どうしても多くの方に向けてのないようになるため、「うちの家ではどうしたら」ということがうまく表現できていない部分があります。
また、あくまでも書籍の中で描かれているあきこちゃんの場合、『親御さんの過保護が原因の母子登校』にのみ当てはまるものであって、もっと状況が複雑なケースでは「全く役に立たなかった…」というご意見があって当然だと思います。
書籍をお読みいただき実際にお問い合わせをいただいた方からは、「1日でも早く母子登校を抜け出したい」「でも、支援を長く続ける自信がない」というお声をいただくことがあります。
これについても、母子登校への認識の違いが生んでいることなのだなと感じております。
私は家庭教育の専門家です。ご家庭の課題を一緒に見つけ、親子の関わりの中で悪循環の維持パターンがあったり、お子さんの自立の妨げになっているやりとりがあったとすれば、それを変えていくための思考や方法をお伝えしながら、『ご家庭が変わる』ことへのサポートをしています。
母子登校を経験され、実際に支援を受けられているご家庭の多くは、親御さん自身が自分や自分の子育てに自信がなかったり、お子さんへの向き合い方がわからなかったり、自立心を育ませたいのに過保護過干渉がどうしてもやめられないということに悩まれています。
その悩みから抜け出そうにも、無意識的にそうなっていることが多いので、ご自身ではどこをどう変えればいいのかイマイチわからないという方が殆どです。
それならば、「専門家が客観的に状況を見て、分析をして、どう変えればいいのか、どう変わればいいのかを示してもらえたほうがいい」という方が支援を受けられています。
ですので、「1日でも早い復学を」「絶対復学したい」と望まれている方には、MIKURU・MIRUの考える家庭教育支援のコンセプトとニーズが一致していないといえます。
母子登校は「治る」より「乗り越える」
さきほど挙げた、
①悪循環の維持パターンがある
②お子さんに学校そのものが合っていない(ギフテッド・HSC・その他本人の気質などが関係)
③母子分離不安がある
④お子さんの自立心に課題がある
この4つで考えますと、
悪循環の維持パターンがあるならば、それがどのような関わりがそうさせているかを見つけて変える必要があります。
お子さんに学校そのものが合っていない場合は、「復学へのこだわり」を手放す必要があるかもしれません。
母子分離不安があるとすれば、どの程度の分離不安があるのかを把握した上で、お母さんと離れても安心できるように環境を整えなければなりません。
自立心に課題があるならば、どう自立させるかをかんがえて取り組む必要があります。
いずれにしても、この4パターンでは「子どもを変える」というよりも、「親のものの見方や関わりや考え方を変える」と、主体はあくまでも親であり、「子どもを治す」というよりも、子どもの性格などをすべてひっくるめて受け入れて親子で乗り越えていくというほうがしっくりくるなと思っています。
母子登校は病気などではなく、子どもなりの「何かがうまくいっていない」「何かがかみ合っていない」サインなのではないかと私は考えます。
まとめ
不登校でもそうですが、行政の子育て相談や、家庭教育支援チームや、SCや、SSWや、医療機関など相談できる場は様々です。
それぞれの考えかたや、カウンセラーとの相性などもあるので、色んなところで話を聴いてみるのもひとつかもしれません。
ただ、相談の場では一番しんどいのは「何度も同じ質問に答えること」「何度も同じ説明をしなければならないこと」かもしれません。
それがしんどいなと感じられる方の場合は、まずはじっくりと相談先のことを調べて自分と合うのかどうかを検討するところからはじめてみるのがよいかなと思います。
母子登校はたしかにつらいです。
しかし、それを乗り越えたご家庭は、「あの時母子登校になってよかった。あのまま悪循環の維持パターンがあると気づかず、親も子もお互いになんでわかってくれないのと思いながら関わり続けていたら、いずれもっと大きな壁にぶつかっていたと思う。理想の子育てと現実の間で、子どもを否定ばかりする毎日から抜け出せて良かった。子どもが毎日学校に行く。元気に帰ってくる。それでしあわせだったんだって気づけて、本当に良かった。」とおっしゃいます。
このブログでは、色んな角度から母子登校についてや家庭教育に関する情報を発信しています。
もしご興味がありましたら、他の記事もお読みいただければ幸いです。
それでは、今回はこのへんで終わりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
親まなびアドバイザー まいどん先生
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