『このままではこの子は壊れてしまうかも?』というお母さんの不安
母子登校は小学校低学年のお子さんに最も多く、学年があがるにつれて減っていく傾向にあります。
しかし、小学6年生のお子さんの場合でも母子登校をされているケースもあり、単純に学年が上がりお子さんが成長すれば離れられるというわけでもありません。
過去のブログ記事でも書かせていただきましたが、成長に伴い母子登校から不登校になられたケースもありますし、自然と離れられるようになるケースもあります。
中には小1から小6までずっと母子登校を続けてこられた…というご相談を過去に何件かいただいたことがあります。
母子登校はご家庭によって背景やきっかけや理由が異なるため、一概に「こうすれば解決する」「これだけが原因」とはいえません。
ただ、比較的母子登校に多いのは、以下4つです。
・母子分離不安があるお子さん
・発達に課題があるお子さん
・環境の問題に起因して発生
・お子さんの性格傾向に起因して発生
そのため、多くの情報発信媒体では「とにかく共感」「無理させない」「自信をつけさせてあげて」という内容をお見掛けします。
しかし、長年家庭教育支援に携わってきた身としては、
母子登校=子どもを頑張らせすぎた結果起きているということにだけ偏ったものの見方は状況を悪化させるリスクがあると感じます。
子どもが「ここまで頑張れる値」は目で見れない
よく母子登校で悩まれている親御さんから「頑張らせすぎた。こどもの異変になぜもっと早くに気づけなかったのか悔やまれる」というお話をおうかがいします。
たしかに、かなりの無理があったにもかかわらず、子どもが明らかに不安定だったにもかかわらず
「何泣いてるのよ、早く学校に行きなさい」
「いい加減にして。ママが仕事に遅刻しちゃうでしょ」
「ママを困らせたいの?わざとやってるわけ?」
というような言葉がけをしたり、無理やり服を着替えさせたり引っ張ったりして登校を促していたケースでは、「無理に頑張らせすぎた」と言ってもいいケースもあるかもしれません。
しかし、子どもが「どこまで頑張れるか」は未知数です。目で見れるものではありません。
よほど無理をさせ、親が子どもの話を聴いていない場合でない限り、MIKURU・MIRUにご相談いただくケースで愛情不足と判断したことがありません。
むしろ、「心を傷つけないように」と一生懸命にお子さんと関わってこられていて、愛情過多、つまり親御さんが頑張りすぎているケースのほうが、実は多いのです。
いつも朝は不安そうにしていて泣きながら母子登校しているけれども、お母さんと離れたり、帰宅時はけろっとしていたり、遠足や運動会の日は張り切って一人で登校出来る…なんてことはありませんか?
愛情不足であったり、母子分離不安が強いケースでは、学校に行っても不安で環境に馴染めなかったり、遠足や運動会なんかは多くのお子さんとの関わりがあるのでむしろ不安に感じてもおかしくはありません。
それなのに、お母さんと離れさえすればひとりでも授業が受けられたり、特別なイベントの時はお母さんが居なくても過ごせるという場合は、実は「この子はここまでしか頑張れない」という見立てが間違っている可能性があります。
支えているつもりが不安を増幅させる言葉がけ
「この子はストレスを感じやすいから、頑張れないのかも」
と感じた親御さんが取りがちな対応は、お子さんの不安になりそうなものを早い段階で察知して、親から
「どう?これから授業があるよ。できなさそう?」
「明日はママがいなくても大丈夫?不安?何が怖い?」
と、子どもが親とのやりとりにより、より不安を感じやすい言葉がけをしていることがあります。
「できなさそう?」「大丈夫?」「不安?何が怖い?」というような言葉がけをされると、人は楽しい場を想像できません。
また、スタートから「どうやって課題を乗り越えるか」よりも「どうやって課題を回避するか」の思考になってしまいます。
そのようなやりとりが日常化すると、どんどん「出来ない自分」が刷り込まれ、暗示になり、ますます「がんばれないわたし・ぼく」という思考を強め、子どもが不安を膨らませてしまって身体症状を訴えるようになったり、本当に精神的に不安定になって小児うつのような症状を見せてしまうこともあります。
では、どう声掛けをすればいいか?はお子さんによって様々ですが、少なくとも
「できなさそう?」は「どこまでできそう?」
「ママがいなくても大丈夫?」は「ママがいなくてもがんばれそう?」
「不安?何が怖い?」は「どうしたらできそうって思える?」
というように、どこまでは自力で頑張れてどこからサポートが必要なのかを一緒に考えてあげることはできるかと思いますし、出来ない自分という刷り込みにはなりにくいです。
これまでたくさんの母子登校のケースを見てきましたが、ほとんどの親御さんが「子どもがこんなに成長していたことに気づいていなかった」「こんなにも頑張れる力がある子だったなんて」とおっしゃいます。
子どものことが大好きなお母さんや、お母さんの性格傾向的に不安が強いケースでは、このように知らず知らずのうちに暗示をかけていることがありますので注意したいものですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
不登校や母子登校になったケースでは、親御さんがお子さんに対して腫れ物をさわるような関わりをしていたり、過剰に心配しすぎて子どもにとって嫌なものを取り除くことに必死になってしまっていることがあります。
もちろん、一時的にはそのようなサポートが必要なお子さんもいますが、忘れてはいけないのは子どもは日々成長するということです。
いつまでも親が子どものことを「成長しないままのわが子」と思って関わってしまうと、身体の成長とともにこれまでは我慢できなかったことができるようになっているにも関わらず、頑張らせない選択をしてしまって子どもが年齢相応に成長できない…ということもあります。
たとえ傷つきやすい子であっても、数か月前は5段階中、2の嫌なことがあればすぐに泣いていたのが、数か月後は4までは耐えられる…というふうに成長していることもあります。
できないことを無理やり押し付ける必要はないとは思いますが、本来できることをも避けさせるような関わりはさけたほうがお子さんの成長が望めるかと思います。
ぜひ、知らず知らずのうちに不安を煽ってしまうような関わりになっていないか、定期的にセルフチェックしてみてくださいね。
もし、母子登校や不登校などで悩まれていて、専門家に相談してみたいと感じられた方がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせフォームあるいはLINEよりご相談ください。
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それでは、今回はこのへんで終わりたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!
親まなびアドバイザー まいどん先生
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