― 危険ではなくても「安心できない場所」になっているとき ―
この記事では、学校が怖いという背景を 「困りごとという視点」から整理しています。 原因を一つに決めるのではなく、 いま起きていることを 地図の一地点として捉えるための記事です。
① この困りごとを、どう捉えるか
「学校が怖い」。
この言葉は、
とても曖昧で、
とても重たい言葉でもあります。
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何が怖いのか、うまく説明できない
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理由を聞かれると黙ってしまう
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「みんなは平気なのに」と言われて、余計につらくなる
学校が怖い、という感覚は、
特定の出来事だけで生まれるとは限りません。
多くの場合、
安心できない状態が積み重なった結果として
あとから「怖い」という言葉になることが多いんです。
② よくある誤解
学校が怖いと言う子に対して、
こんな受け取られ方をすることがあります。
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「気のせいじゃない?」
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「考えすぎ」
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「慣れれば大丈夫」
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「理由がはっきりしないなら問題ない」
ですが、
怖さは、理屈より先に体や感覚で起きます。
説明できないからといって、
存在しないわけではありません。
③ この困りごとが出やすい背景
学校が怖い、という感覚の背景には、
次のような負荷が重なっていることがあります。
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教室の音・人の多さ・視線がつらい
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先生や友だちとの関係で、常に緊張している
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失敗や評価への不安が強い
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見通しが立たない場面が多い
また、
感覚過敏 や
不安が強い特性 がある場合、
「普通の学校環境」そのものが
負荷の高い空間になることもあります。
④ 家庭で起きやすいすれ違い
学校が怖い状態が続くと、
家庭ではこんなすれ違いが起きがちです。
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「何が怖いの?」と理由を求め続けてしまう
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怖さを小さく扱ってしまう
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励ましが、結果的にプレッシャーになる
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親も「このままで大丈夫か」と不安になる
子どもは、
怖さそのものに加えて、
うまく説明できない自分を責めている
ことがあります。
⑤ 状態・特性とのつながり
「学校が怖い」は、
次のような状態と重なって見られることが多い困りごとです。
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登校しぶり
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校門タッチ登校
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保健室登校
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別室登校
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五月雨登校
また、
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感覚過敏
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ASDっぽさ(見通しの必要性)
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不安の強さ
といった特性がある場合、
怖さは「弱さ」ではなく
環境との相性の問題として現れることがあります。
⑥ 見直すと楽になる視点
学校が怖いとき、
「慣れさせる」「克服させる」より前に、
考えてみたい視点があります。
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どの場面で、特に負荷が上がるのか
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どこなら、少し安心が保てるのか
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怖さが出る前に、どんなサインがあるか
怖さは、
避けるための敵ではなく、
守るためのセンサーとして働いていることがあります。
⑦ すぐに判断しなくていいこと
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怖さの理由を今すぐ言葉にしなくていい
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無理に慣れさせなくていい
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「このままでは将来が…」と急がなくていい
学校が怖い、という感覚は、
状態を整理するための重要な入口です。
⑧ 関連する視点
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不登校の「状態」から考える
(登校しぶり/校門タッチ登校/保健室登校 など) -
特性・気質という視点
(感覚過敏/見通しの必要性) -
親や家族の背景から読み解く
(安心を優先してきたか/がんばりすぎていないか)
最後に
学校が怖いと感じる子は、
弱いのでも、逃げているのでもありません。
安心できない場所から、
自分を守ろうとしている
その反応が、
「怖い」という言葉になっているだけかもしれません。
このページが、
怖さを消すためではなく、
怖さの意味を理解する手がかりとして
役に立てばと思います。
ここで扱った視点は、全体の一部です。
他の視点も含めていまの状態を整理したい方は、こちらのページをご覧ください。