保健室登校中のぼくと、先生

保健室登校中のぼくと、先生

ようやく秋っぽさがでてきたようなそうじゃないような…な山下です。

できる限り人込みを避けて生きたいわたしですが…万博へ行ってきました。

そう…かけこみ万博です…。

 

私が住む街から大阪万博へは1時間ほどの距離。

大阪万博開催中、旧万博会場近くのニフレルという水族館には行きましたが、春から行こう行こうと思うのに、予約をすっかりわすれ…いや、避け…。

 

ある日主人が「子どもの記憶ってさ、いつから残るんやっけ…万博が開催していて自分も行ったんやで~ということを、いつか子どもが大きくなったときにさ、写真で残してたら本人はうれしいんかねぇ…」と言ったんです。

 

何気なく、そう、本当に何気なく…。

 

わたしたち夫婦は顔をあわせ、「そうやった!!!万博は10月で終わるんやん!もう8月やで…!!!」となり…

主人は春から「万博いついこか…」とはいつも言っていたんですが、私も「なぁ…(そうねぇ…)」とだけ。

わたしは心のなかで「行こうかと思うんなら予約もやってくれぇ…」と思っていたんです。チケット取り係はいつもわたし。面倒くさいと思ってしまって。

(支援中の親御さん方が「万博行きました~」とご報告くださり、どんな感じかお話をきいて行った気になっていました)

 

しかし、「そうか…娘のために、たとえパビリオンに行けなかったとしても、行った事実だけは残しておいてあげたい…!!!」と思い、予約を取ろうとすると…

「あれ…なにこれ、サイトでも順番待ちなの…」

そう、私は大阪万博情弱…あれほどみなさん「早めに行くんやでぇ」と言っていたのに、ここにきて予約する…あほである。

何とか1か月ほど先の9月末に予約ができ…先日、行ってきました。

 

すごい人、人、人…で、主人も当日色々情報収集をする…なんて流れになりましたが、なんとか2歳児をつれて楽しく回れました。

久しぶりに大阪へおでかけだったんですけれど、おばちゃんたちがパワフル。

娘に話しかけてくれたり、電車内でグズグズの娘と遊んでくれたりで、とってもあたたかかったです。

 

↓やっと本題。

――――――――――――――――

学校に行きづらい子の視点

今日は別室登校(保健室登校)をテーマに、よくお見掛けするご家庭のやりとりから、『子ども側の視点』にフォーカスして文章を書いてみたいと思います。

 

「○○さん、おはよう。よくきたねぇ。会えて嬉しいよ」

 

涙を流しながら、お母さんにつれられ保健室にやってきたぼく。
すでに2時間めがはじまっていた。

 

ぼくは、クラスがうるさくて仕方がなくって、学校にいると頭が痛くなったり、さみしくなったりする。
どうしてだろう。
まわりのみんながうるさくて仕方がないんだ。
どうしてだろう。
まわりのみんながうるさくしていると、さみしくってたまらない。

 

お母さんは、はぁ…とため息をついて「先生、よろしくお願いします」とぼくをおいて小走り気味に去っていった。
お母さんに帰ってほしくないから、ぼくはせいいっぱい、お母さんの袖をつかんで泣いた。

「お母さん、いくの?やだ、いかないで」

言えば言うほど、ぼくとお母さんの間には重いなにかがのしかかってくる。
訴えれば訴えるほど、お母さんはぼくのことを感情がない人形のように扱う。
お母さんは強い言葉とともに、ぼくに重りのようなものを乗せてくる。そうしていると、ぼくは不安でたまらない。

もう、お母さんは僕のことを見捨てて、学校から帰ったときには家にはいないんじゃないかって思う。

だけど、いつまでもそうしていたらお母さんがもっと嫌そうにするから、ぼくは保健室の先生に宥められ、仕方なく手をはなす。
お母さんの袖はいつもグシャグシャで、ぼくの鼻水や涙がいっぱいつくから、白い服を選んでる。
時々、僕のよだれもついたりする。服を汚してしまう度にちらりとみては、嫌そうなお母さん。

ぼくだって、わざとじゃないんだ。

しばらくシクシク泣いていたぼく。
保健室の先生は、気にせずなにか書き物をしている。

「○○さん、今日は暑いねぇ」
「○○さん、今日は朝ご飯はなにを食べたの?」

先生は、いつもぼくに教室に行けっていわない。

とくに保健室でなにをするわけでもない。先生は、ぼくに勉強しなさいともいわない。

ただ、先生がぽつり、ぽつりと話しかける。
そして、時々ぼくは答える。
それを繰り返していると、なぜだか気持ちが落ち着いて、4時間めくらいから教室に入ろうかなって思う。

 

ある日、先生は言った。

「○○さん。外にお出かけするときは、外の音はうるさく感じる?」

 

ううん。ぼくは、学校以外ではあんまりそういうことを感じない。
お母さんやお医者さんは、ぼくにナントカカビンセイとか言ってたけど。

 

「○○さん。お母さんがいないけれど、いま、保健室にいて、寂しい気持ちになることはある?」
ううん。ぼくは、先生とシンとした保健室にいても、大丈夫。先生がぼくにかまわなくても、仕事していても、ぼくは寂しくならない。

 

保育園のときは、まわりがうるさいっておもわなかった。
お母さんと離れるのは少しは寂しかったけれど、大丈夫だった。

どうして、ぼくは学校がうるさくかんじて、さみしいんだろう。

 

先生は、優しくほほえんだ。

「1ねん2くみは、まだ○○さんの居場所じゃないんだねぇ。」

 

居場所…?
ぼくは1の2にいるよ?
先生、居場所って、なあに?

 

 

保健室の先生は、担任の先生と時々ぼくのことを相談していた。

1年生のためにお兄さんお姉さんたちが考えた出し物を楽しめるおまつりが学校でひらかれる日に、ぼくが楽しめるようにとぼくの班を誰にしようかって相談していた。またうるさいって思うのかな、やだな。

おまつりの日が近づいてきて、休み時間にクラスからAくんがやってきて、ぼくに話しかけてくれた。
次の日はBくんをつれてきてくれた。
保健室の先生は、時々ぼくたちと一緒にすごしてくれた。

おまつりの日まで、3人+先生で過ごすことがふえた。

ぼくたちは、おまつりの日に一緒にすごした。

さみしくなかった。うるさくなかった。

 

保健室の先生は、ぼくに言った。

「ここが自分の居場所だっておもえないとね、まわりの声がうるさくなっちゃうことがあるんだよ。隣の子の声が大きいとか、楽しく何人かで笑っていたり、遊んでいたりするとね、ぼくだけポツンとしちゃうでしょう。まわりが楽しそうで大きな声を出していると、なんだか自分が小さくなったような気がしたりね。寂しくって、お母さんに会いたくなるんだよ。○○さんのうるさいとかさみしいとかってのはね、ナントカカビンセイの話じゃあ、ないんだと先生は、思うな」

ナントカカビンセイ。
未だによくわからない言葉だけれど、ぼくは先生のおかげで、学校がうるさい場所にならなくなっていった。

いつの間にか保健室に行かなくっても、教室に行けるようになったぼく。

廊下ですれ違うと、保健室の先生はいつものように「○○さん、おはよう。顔がみれて、先生嬉しいよ」と言う。

 

ぼくはあれから4年生になった。

先生、ぼくにとって必要なのは、ここが僕の居場所だ。仲間がいるっていう感覚だったんだね。

うるさいと思ってしまうのは、周りが僕にとっての「仲間」じゃないから。

みんなは仲間同士で、ぼくだけ仲間じゃないって思っていたんだね。

寂しいのは、それでだったんだね。

先生が僕に居場所を与えてくれたんだね。きっかけをあたえてくれた先生。ありがとう。

 

子どもにとっての「居場所」とは

最近こういったお子さんが増えています。

別にいじめられているわけでもない。
先生が嫌いなわけでもない。

でも、朝になると「なんとなく学校に行きたくない」「体がだるい」と感じてしまう。

その背景には、いくつかの複合的な要因が考えられます。

 

「見えない疲れ」がたまっている

今の子供たちは、私たちが思っている以上に忙しく、心や頭を使っています。

学校の授業、宿題、塾や習い事。常に何かに追われ、ゆっくりと頭をからっぽにしたり、好きなことに没頭したりする時間が不足しがちです。

スマホやインターネットを通じて、膨大な情報に常にさらされています。楽しい情報だけでなく、事件や他人との比較など、無意識のうちに心を疲れさせる情報も入ってきます。

これらの「見えない疲れ」が蓄積し、朝、学校へ向かうためのエネルギーが不足してしまう状態です。

学校は、多くの子どもにとって成長の場であると同時に、非常に特殊な環境でもあります。

授業が「つまらない」「意味が分からない」と感じても、それを表現できず、ただ座っているだけの時間が苦痛になっているケースもあります。自分の興味やペースと合わない環境に、意欲を失ってしまうのです。

「みんなと一緒」であることが求められる場面が多く、少しでも違う意見や行動をとることに不安を感じるプレッシャーが、子どもの心を窮屈にさせている場合もあります。

時代がかわり、「学校に行かなくても学びは続けられる」という感覚が子どもたちに見られつつあります。昔ほど、学校一択ではなくなっている。
必ずしも自分が所属するクラスに毎日通わなければならないわけではないとなっている。

また、家という安心できる空間で過ごす時間が増えると、学校のストレスフルな環境に戻ることへの抵抗感が生まれやすくもなります。

現代は「学校は絶対」という価値観の揺らぎがあり、親の世代も含め、「学校に行かない」という選択肢(フリースクールやホームスクーリングなど)があることが知られるようになり、「どうしても行かなければならない場所」という意識が薄れてきていることも背景にあるかもしれません。

 

「わかってくれる人」の存在

このようなお子さんに対して、「なぜ行きたくないの?」と原因を問い詰めても、本人も「なんとなく」なので答えられないことが多いです。

大切なのは、まずその「行きたくない気持ち」を受け止めてあげることです。

「学校って、楽しいこともあるけど、疲れることもあるよね」と、子どもの気持ちを代弁してあげることで、子どもは安心することもあります。

友達と仲が良く、先生も嫌いじゃないのに学校に行きたがらないのは、決してわがままなのではなく、子どもが現代の複雑な環境の中で、心身のバランスを保とうとしているサインかもしれません。

たとえばこの話の保健室の先生のように、「一番の味方だよ」というような姿勢で、じっくりと向き合っていくことが求められています。

 

それでは、今回はこれで終わりたいと思います。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。また次回のブログもお読みいただけると嬉しいです!

 

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まいどん先生(公認心理師)

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