母子登校。子どもがひとりで学校に行けない。やめたい。

母子登校はいつまで続く?ひとりで登校できる日はやってくるのか悩むお母さんへ

母子登校。ひとりで学校に行けない。やめたい。

ブログをお読みいただきありがとうございます。

今回は、母子登校をテーマとし、「母子登校をしている親御さんがどのようなことを考えているのか」「学校や行政は母子登校についてどう考えているのか」について記事を書いてみようと思います。

 

母子登校中の親の悩み

お子さんが母子登校になり、Twitterやネット検索をされた時、みなさんはまず、ご自身で解決の手だてを探されていることと思います。

私がもし母子登校中の子の母親だったとすれば、

 

①「小学生 付き添い」「小学生 学校が怖い」「小学生 ひとりでいけない」といったワードで検索する

②「母子登校」「付き添い登校」という言葉を知る

③母子登校や付き添い登校というワードでTwitterやネット検索をする

④Twitterで似たような悩みを持っている人を探したり、フォローしたり、乗り越えたケースを探す

⑤わが子の精神状態を気にして心理学や子育て系の本やネット記事を読み漁る

⑥⑤で得た知識を実践してみる

 

…このような流れを辿るだろうと思います。

 

そしてその流れを辿りながら、心の中では

「いつまでこの付き添い登校が続くのだろうか」という不安とともに、

「今無理をさせて、この子がつぶれてしまわないだろうか」という不安を持ち、

とはいえ『母親としての自分自身の崩壊への恐れと限界が近づいてきていることへの焦り』に支配され、どんどん追いつめられていくだろうとも想像します。

 

母子登校は全国単位でみれば決して珍しいことではありませんが、

「いろんな子育て系のSNSでは自分と同じように悩んでいる人がいるようだし、実際色んな取り組みで母子登校でなくなった家庭もあるようだ。だけれども、わが子が通う学校では少数派… 😥 」

とも感じておられるのではないでしょうか。

 

同じ学年にお母さんと一緒に学校にきている子が1、2人いるとか、そういった仲間といえるような親子はわが子が通う学校ではゼロというのが母子登校です。

 

学校側の母子登校の悩み

学校側も、実は対策や対応に悩んでいます。

子どもに安心させたいという親御さんの意向もあるならば無理をさせず、親御さんに任せたほうがいいとか、SCや特別支援の先生と連携をとりながら取り組みながらも全生徒への教育と対応に追われていて個別対応の難しさがあるとか、人員不足で特別な対応ができないとかで、先生方も全く気にしていないわけではないものの、学校は学校でどうしたらいいのか手探りです。

 

人員不足なのであれば、役所が教育に関する予算をつけて各学校に学校に行きづらさを感じている子へのケアやサポートが柔軟にできる人材を配置すればよいのですが、そもそも予算がつけられないことには人員不足は解消されませんし、学校長の理解がないと「親のしつけ不足」で片付けられてしまうことがあります。

 

私は、そんな状況を問題視し、地方議員の先生方に長期欠席者(不登校)の実情などを定期的にセミナーでレクチャーし、議員の先生方に「文科省が出しているデータだけではなく、自らの自治体の子どもたちの登校状況や学校環境をしっかり調査して課題がないか地道に活動をしていただきたい」と働きかけ続けています。

そして長期欠席者の実情をお話すると、

「教育委員会などに不登校など、登校に困りごとを抱えているケースはどれくらいいるのかと聞いたことはあります。しかし、『不登校などは誰にでも起こり得ることです。そして、コロナを機に子どもの生活環境などが変わったことから、無気力傾向の子どもが増え、不登校の児童生徒が増加し続けています。だからこそ、わが市ではSCやSSWを配置し、児童生徒や保護者のサポートをしています。そして、教育支援センターや校内フリースクールなども用意し、多様な学びの場を提供しています』という回答でした。それで足りていると思っていた。実際は全然支援もサポートも足りていなかったのですね」

…と、想像以上に事態は深刻であったと驚かれた議員の先生方は多かったのです。

 

さらに、地方議員向けセミナーのほかに、様々な教育委員会主催のセミナーでも不登校や家庭教育に関するセミナーで、講師として登校に関する悩みをもつご家庭について実情をお話する活動も行っています。

教育委員会のみなさんとお話していても、「実際不登校や母子登校で悩むケースを現場で教師として何とかならないか対応してきたものの、すべてのケースに十分なサポートができたとはいえなかった」「担任が背負いすぎて校長先生まで情報があがらない学校もある」という生の声も聞いてきています。

学校も、役所も、近年の長期欠席者(不登校)の増加に伴い、それらに対する対策をしようと動き出してはいるものの、そのような調査外のケースについては少数派であることや、不登校対策で手いっぱいなため、十分な手だても見つからないままであることがほとんどです。

 

母子登校をどう乗り越えようかと考え…

そんなことが背景にあり、母子登校で悩むご家庭は、どうしても家庭だけでなんとかしなくてはならない状況にならざるを得なくなっています。

 

話がかなり逸れてしまいましたが、もし私が母子登校中の母親であるならば、あれこれやってもうまくいかなかったり、子どもがどんどん幼くなったり精神的に不安定になっていくとすれば、学校を休ませる判断をしたり、児童精神科を探すだろうと思います。

 

「こんなにも泣き叫んで学校に通うわが子にとって、学校という場は恐怖なのだ。私自身もほかの子とわが子を比べて、自分もわが子を責めて、家に帰ってもどんより暗くていいことなんて何もない。

旦那は仕事で忙しくてなかなか相談できないし、ずっと孤独で追いつめられて、ワンオペ子育てになって、私自身がもう限界だよ…口を開けば子どもを責めたり嫌みばかりで、どんどん性格が悪くなってくし、もう逃げ出したい。」

…と、こんなことを考えるだろうと思います。

 

あるいは、

「この子は発達に課題があるのかも?精神的な不安定さはもしかしたら何か深刻な心の病にかかっているのかも?と、児童精神科で診てもらったら、この子のことがわかるかもしれない。でも、初診に2ヶ月待ち。検査はさらに3ヶ月待ち。その間どうしたらいいの?学校は?行かせる?休ませる?

休ませようかなと思って1ヶ月様子を見たけど、もしかしたら学年がわりでいけるかも…もしかしたら運動会をきっかけに行くかも…そんな淡い期待をしては裏切られ、学校に行けという日と休んでいいよという日がその日の親のコンディションによって異なってしまって、もう、対応はブレブレ。どうしたらいいの?もう疲れた。」

…こんなふうにも考えるかもしれません。

 

そしてここからが問題なのですが、ここまでは大体の方が通ってきている道で、この過程中、ひとりでの登校ができるケースもあればそうでないケースもあるということです。

ひとりで行けるようになったケースは、たとえばクラス替えで苦手なお友達と離れ、好きなお友達が多いクラスに恵まれたとか、担任の先生との相性がよかったりとか、習い事で成功経験をつめて自信がついたなどの運要素もあったりします。

もちろんそこにたどり着くまでに、学校と何度も話し合ったり、児童精神科でわかったことを学校と共有したり、親御さんの努力の積み重ねにより環境が整ったというケースもありますが、親がどんなに学校に働きかけ、学校もまたできる限りのことをしても、なかなか母子登校から抜け出せないケースもあるのが現状です。

 

まとめ:MIKURU・MIRUが大切にしていること

私はペアレンツキャンプという不登校復学および家庭教育支援を行う支援機関に10年所属をしてからのれんわけで独立したわけですが、のれんわけ(派生)したMIKURU・MIRUの支援は、以下のようなことを大切にしています。

・親御さんのケアを最重要視とし、公認心理師としてカウンセリングに力をいれている

・『母子登校を乗り越えたい』のみならず、『ずっと自信がなかった・なんとなくよくない関わりが続いている気がしている子育てを見直したい』という方に支援を届けたい

・親自身がカウンセラーのように子どもを理解したいという方に、心理学や教育哲学をふまえて分析の仕方をレクチャーしたい

・親自身が生きにくさを感じてきていたり、自分が育ってきた環境への心の傷がある方に自分を理解したり傷が癒えるようなカウンセリングを行うようにしたい

 

これは私自身が、これまでの支援者経験をふまえ、母子登校の解決だけにフォーカスして状況が改善しても、親御さんのケアが後回しになることが多かったことに課題意識を持つようになったからです。

 

👇「親御さんのケアが重要」についてまとめた記事はこちら👇

もちろん今の目の前の苦しみから脱するなら、母子登校を乗り越えるのが一番です。

でも、民間支援を利用しようと思うようになる時点で、親御さんはとにかく楽になりたい。今日より明日が、親子ともに少しでも楽になっていたいということが多いだろうと考えるからです。

疲れ切っているところに、さらにやることも考えることも増えて、親御さん自身の心のモヤモヤなどが吐き出されないままでは先にお母さんがつぶれてしまうこともあるからです。

母子登校を乗り越えることをともに目指しながらも、日本で唯一の心理の国家資格である公認心理師である自分が、親御さんの心のケアも同時に行わないのは違うだろうとも考えるようになりました。

 

拙著『これで解決!母子登校』の内容は、どのケースにも比較的当てはまることを多くのみなさんに向けて極力わかりやすく解説することをテーマにしていますので、実際に支援を受けられた方は「本を読んで最初に想像していた支援とは実際はかなり違った」「もっとわかりやすいメソッドとか、独自の方法があるのかなって思っていました」と仰います。

1件1件、しっかりと親御さんのケア・カウンセリングも行いながら、お子さんのことやご自身の分析の仕方や、考えかたをお伝えしてきているので、母子登校の乗り越え方も、お子さんへの関わり方もまったく同じというケースはありません。

「自分らしさ」「私らしさ」「わが子らしさ」を変えることなく、かつ子どもが成長するためにどうかかわればいいのか・親子関係性をよりよくするのか・母子登校を乗り越えるのか…ということを、親御さんと一緒に見付け、カタチづくっています。

 

 

それでは、今回はこのへんで終わりたいとおもいます。

また次回のブログにてお会いしましょう 🙂

まいどん先生(公認心理師)

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