登校の動機は内的動機?外的動機?
3月に入り、いよいよ春休みを迎える時期となりました。
特に「学校に行きたくない…」とお子さんの行き渋りがあったご家庭では、「このままなんとか3学期最後まで登校できるかしら…」「良い気持ちで次の学年を迎えられるだろうか…」と不安な思いや心配をされているお母さんも多いのではないのでしょうか?
今回は登校に関する「動機づけ」について解説をしたいと思います。
行動の動機は2つある
人が行動をする時、大きく分けて2つに分かれると言われています。
・内的動機付け(自分のために行動する)
・外的動機付け(ご褒美や評価など外からの刺激のために行動する)
私が今まで見てきたケースでは、学期末(学年度末)には、お子さんがだいたい2つのタイプに分かれていました。
ひとつは、「よし!あともうちょっとだから最後まで頑張って学校に行こう!」といつもに増して気合いが入る子です。
タイプの子は、学期の最後まで無事に登校出来ることが多いです。
そしてもうひとつは、「もうここまで頑張ったし…最後くらい少し休んでもいいよね」と気が緩んでしまう子です。
逆にこのタイプの子は、学校で何か嫌なことがあると、ポキッと心が折れてしまい「もうすぐ今学期も終わりだったのに…!」というところでもお休みしてしまうことが多いです。
この2つのタイプのお子さんは、いずれも学期はじまりから頑張って学校に通ってきたのは同じです。
それなのに、なぜこのような違いが出てしまうのでしょうか?
「誰のため」に通う学校なのか
それは、それぞれのタイプの子が「誰のために」学校に行っているのか、というところが異なっているからだと考えられます。
前者のタイプの子どもは、「自分のために」学校に行っている子が多いです。
例えば、勉強は嫌ではあるけれど、学校で友達と遊びたい、学校に休まず行った達成感を味わいたい…などなど、学校に多少嫌な思いはあったとしても、自分なりにそれ以外の楽しみを見つけて、学校に通うことが出来ています。
それにひきかえ、後者のタイプの子どもは「親のために」学校に行っている子が多いように思います。
普段から学校に行きたくないと思っていても、「行かないとお父さんに怒られるから…」「行ったらお母さんが偉いねって褒めてくれるし…」と、自分自身ではなく親御さんの言動がモチベーションとなり、なんとか学校に通えていたのです。
やはり、自分自身ではないところから来たモチベーションは保たれにくく、特に学期末は「ほとんど最後まで頑張ったようなものだし、もういいよね」と気が緩みやすくなってしまいます。
特に親御さんがモチベーションとなってしまっている場合、親御さんへの依存心も高まりがちですし、年相応の自立も育まれにくくなります。
では、どうすれば「親のため」ではなく「自分のため」に学校に行ってくれるようになるのでしょうか?
声掛けを工夫してみよう
まずは、お子さんへの声掛けをこういう風にチェンジしてみましょう。
・「疲れた~」と帰宅した子どもに対して「今日も学校に行って偉かったね!」(褒める)と対応をしていたのを…
→「今日も学校お疲れ様」(労いの言葉)に変えてみる
・学校に行きたくないと言う子どもに対して「嫌でも頑張って行きなさい!」(強制・命令)と対応していたのを…
→「そっか…行きたくないと思う日もあるよね」(受容・共感)に変えてみる
また、お子さんが学校での出来事を話してくれたときには、積極的に話を上手く膨らませてあげられるといいですね。
例えば、お友達とテレビ番組の話で盛り上がった、今日の給食が美味しかった、といったようなプラスの話をしっかり引き出してあげて、「学校には楽しいこともある」とお子さんに改めて気づかせてあげることも効果的です。
必ずしもこのような声掛けに変えたからといって、お子さんの登校への動機付けがすぐに変わるとは言えませんが、上記のような声掛けを積み重ねていくことで徐々に変化が見られるのではないかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、最後まで息切れせずに登校できるよう、声掛けを工夫してみようという内容でした。
コロナが流行してからというもの、学級閉鎖になり、これまでの自分のペースがいきなり乱されることもある状況が続いています。
日々の習慣で何も疑問を持たずに登校出来ていたお子さんが、学級閉鎖で数日間学校を休んだあとから急に行き渋りを見せるというケースはよくお見掛けします。
登校は仕事などと同じでモチベーション頼りにせず、「行くものだ」と思って淡々と通い続けられたほうが楽です。
その日のやる気や報酬によって仕事に行く・行かないというわけにはいきません。
毎日学校に通うということは、いずれ社会に出て行くための練習にもなります。
また、お母さんも、お子さんが「親のために」嫌々学校に通うよりも、「自分のために」楽しく通ってくれた方が嬉しいですよね。
お子さんと笑顔で春休みを迎えられるように、今一度、お子さんへの声掛けなどを見直してみてはいかがでしょうか?
それでは、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました♪
親まなびアドバイザー まいどん先生
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