どうして母子登校になったのか。うちの子はなぜ不安が強いのかが知りたい

どうして母子登校になったのか。うちの子はなぜ不安が強いのかが知りたい

ブログをお読みいただきありがとうございます!公認心理師のまいどん先生こと山下です。

4月も後半に入りました。今年度もきっとあっという間に過ぎていくのだろうな…と思う今日この頃です。

 

どうしてウチの子は?

なぜうちは母子登校になったのでしょう。
どうしてうちの子は不安が強いのでしょう。
性格でしょうか。特性でしょうか。

しばしばそのようなご質問をいただきます。

昨今は、発達障害という言葉はめずらしくなくなり、データ上、発達障害は増加し続けています。
ある小児科の先生は、「サポートが必要な子どもに特別支援をと国が発表してから、特に発達障害が増えていった。昔から特別な感性を持った子は一定数いたが、その子たちは発達障害と疑われ検査されることはなかった。検査がスタンダードになってきて、揺り起こしがおきたから発達障害が増加したと考える」と仰います。

 

しかし私は「どうしてうちの子が」というご質問によく困っています。

それは、1回の相談で、しかも日頃の親子のかかわりが見えないことには何もわからないからです。

最初の相談の時、わたしは全く知らないお子さんの状況について親御さんから話を聞き、そして少しずつ、全く知らなかったお子さんのことを頭の中で想像していくことになります。

絵描き歌をはじめて聞いて描いてみたら、完成予定図通りに描けることもあるけどそうじゃないときもある。

お手本などなにも状態で、うまれてはじめて聞く物の絵を描いてくださいと言われたら、その物の特徴などを聞いて描いても何となく近いものが出来たとしてもまったくその通りにはならないだろうし、まったくちがうよくわからないなんじゃこりゃ?な物体が描かれてしまうこともある。

私にとって、最初の相談は、いつも未知との遭遇です。

たしかにこれまでの支援経験から、なんとなく過去に相談があったあの子と似てるな、とまでは思えます。
ですから、見当をつけることはあります。しかしそれはあくまでも予想であり、おおよその話です。
発達検査のように指標化はできません。

たとえだいたいの見当がついていたとしても、細部は違うかもしれない。そこを見誤ってしまったら、この子はこういう性格なのだと決めつけてしまったら、それ以上、私はお子さんのことを深く理解できなくなります。

わかったフリをしてしまわない。なんとなくこうかもと思っても、よほど確信できること以外は決して言い切らないし、決めつけないようにしています。

 

どのようにしてお子さんを理解していくか

支援を受けてみますという親御さんには、親子の日々の会話を詳細に送っていただくようにお願いをしています。

このお送りいただく内容には、色んなヒントが隠されているわけなのですが、

・親御さんがふだんお子さんとの会話をどのように受け取っているのか
・どれくらい日々無意識・意識的に親子のやりとりをされているか
・ご自身で学ばれた心理学や教育学の影響をどれくらい受けながらお子さんとやりとりをされているか
・お子さんとのやりとりのなかで親御さんはどのような感情を持っているのか
・お子さんはどういう性格なのか

…など、こういったところを最初にみています。

読んでおわかりのように、お子さんのことはもちろん見ますが、まずは親御さんのほうを見ます。

私たちが見る世界は、主観が混じっていて、必ずしも事実とは限りません。

親御さんがふだん見ている景色はこうなのだなということをまずは知る。
その上で、事実はどうかを確認していきます。

実際、よく話を聞いていくと、親御さんが事実とは異なる受取をしていることもあったり、親御さんが重要視してないところが実は重要だったりということがほとんどです。

最初の相談で見当をつけたあと、じわりじわりと細部を描いて、見たことがない、会ったことがない人物図を作りあげていきます。

 

半年たっても、えっ!そんな一面があったの?とか、そんなやりとりをされていたの?ということはしばしばあります。

親御さんですらこの子のことがわからないと思うことがあるくらいなので、わたしもそうなんです。

 

最初から決めつけない。ぜったいに力はあるはず

わからないなりにもわかろうとしていくという姿勢が大事で、私は分析段階では必ず、
『この子には力があるはずだ』と信じてそれぞれお子さんのポテンシャルをみようとします。

生まれもっての気質として、怖がりな子なのかもしれなくても、だからといって弱い子だというわけではない。
とくに日本人は、二元性といって、繊細だけど大胆とか、臆病だけど勇敢とか、弱い一面がありながらも、反対に強い一面があるからです。
そして人は成長するもの。

今は繊細すぎても、この先もずっとそうとは限らない。

 

親御さんのこともわからない、お子さんのこともわからない中、最初の相談で断定はできません。

早い段階で結論付けるのも私は苦手というか、絶対に避けたいと思っています。

お子さんのことを十分に理解していないところに「甘えだ」「自立がたりてない」「特性だ」と判断するのは、それはただのレッテル貼りでしかなく、そう思いこむことで大人が子どものことをいいように解釈するだけです。

自分のことを知らない人にあなたってこうよねと決めつけて関わられるほど不快なものはありません。
なぜなら、人は無意識に、特に好意がある関係の相手の期待を裏切りたくないと、相手の思う自分を演じてしまいやすいからです。

早期の決めつけ・レッテル貼りは、子どもを理解しているんではなく、大人が勝手にそう思いこみたい子ども像を作り出し、子どもに演じさせてしまうことになりかねません。

 

ですから、どうして母子登校になったのか?どうしてこういう性格なのか?という質問には、毎回うまく答えられません。

 

今日はそんな、普段よくいただくご質問と、それに対する私の考えや想いを書かせていただきました。

今回はこのへんで終わりたいとおもいます。

また次回のブログにてお会いしましょう 🙂

まいどん先生(公認心理師)

 

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