ママと離れられないと悩む親子向け「子どもの不安のやわらげかた」
ブログをお読みいただきありがとうございます!
公認心理師のまいどん先生です。
今回は、「ママと離れることが怖い」というお子さんを持つ親御さんにむけて、お子さんの不安のやわらげかたをテーマに記事を書いてみたいと思います。
この記事はこんな方におすすめ
- 子どもが不安を訴えることが多い
- 子どもが「ママと離れることが怖い」「ママがいなくならないか心配」「学校が心配・不安・怖い」と言いがち
- 親も不安・心配が強い
- 色々と試してみたけれどもなかなかこれといった解決策が見つからない
よく「子どもの話を聴くのがいい」ときくけれど…
様々なネット・本では、「子どもの話を聴こう」「子どもを肯定しよう」「たくさん褒めよう」といったことが書かれてあるのを見かけませんか。
MIKURU・MIRUにご相談をいただく方の多くは…
…とお悩みです。
・オウム返しをしよう
・子どもの発言を否定しないようにしよう
・「あなたにはこんなところがありすばらしい」と褒めよう
…とは書いてあるものの、「うちの場合はどう変えしたらええねん?」という具体的なことは書かれていない…。
それもそのはず。多くのネット情報や書籍の内容は、出来る限り多くの方に当てはまるように書かれてあるからです。
解説がピンポイントすぎると、どうしても多くの人の目にふれることがなくなってしまうので、そうなってしまうのは仕方がないことでもあります。
拙著『これで解決!母子登校』も、多くの方にお読みいただこうと描いているため、具体策を求めている方が読まれたら「コレジャナイ感」があるかもしれません。
どのように話を聴くのがよいのか
よく、「子どもの話を聴く」ということに取り組もうとした時に…
というご相談をいただきます。
このようなことに悩まれている方は、
・過去に自分が親に話を聴いてもらった経験がない(特にネガティブ感情について親に話をしてきていない)
・子どもがさらにネガティブにならないかと不安になり、子どもが「怖い」などと言ったら無理やりポジティブ話に変えてしまいがち ・子どもの話(本音)を受け止められる自信がない |
…とお話をされることが多いです。
自分が受容共感的態度で話を聴いてもらったり、じっくり向き合ってもらった経験したことがなければ、どうすればいいかがわからないとなるのは自然なことです。
子どもの話もどのようなことが出てくるかわからないと不安になってしまいますよね。
そうお話されるお気持ちもよくわかりますし、「ネガティブな話よりもポジティブな話をしようよ!」と言いたくなるお気持ちはよくわかります。
しかし、大事なのは、気持ちの切り替えを進んで促すよりも『母親が傷ついている自分をそのまま受け止めてそばにいて寄り添ってくれた経験』です。
子どもは幼児の頃から、親から離れ、外で色んな経験をして母親のもとに帰ってくる経験を繰り返します。
お母さんから少し離れて、ハイハイをしたり、立ち歩いてみたり。
そして安全基地であるお母さんのもとに戻ってきて、ハグをしてもらったり、頭を撫でてもらったりして安心感を得ます。
そして自分が経験したことを説明して自分の見てきた世界を共有したり、お話をして反応が返ってくることで情緒や性格形成に影響を与えます。
しかし…
…と、このように、早く気持ちを切り替えさせようと違うことに目を向けさせて『気をそらせる』『悲しみを忘れさせる』ことで、子どもは再び外の世界で頑張ってこれるともいえるものの、「自分が感じたこと」を共有することはできないままです。
…と、一緒にその日起きた出来事を共有し、出来事だけではなく本人が感じた「気持ち」も一緒に感じて共有することが大切です。
「内在化」をめざそう
自分が傷ついたり悲しい気持ちになったのはおかしなことではないんだな。 そういうこともあるんだな。 こういう時は、母親に話を聴いてもらえばよい。 そうするとあたたかいまなざしで自分と向き合ってくれる。 |
母親のもとを離れ、外で頑張って帰ってくる。そして、その日あった「出来事」と「感情」を共有する。
こういう経験を繰り返し積んでいくと、子どもは大きくなった時、大変な思いをしたときに内在化した(小さいころに自分に向けてくれた母親の)まなざしが守ってくれるようになります。
学校で嫌なことがあっても、つらいことがあっても、それでも「頑張ろう」と思えるのは、親などの大切な存在(内在化したまなざし)が心に思い浮かぶからであるといわれます。
これは親だけではなく、ペットや配偶者や、子どもである場合もあります。
「自分と離れた場所に居ても、きっと自分を思ってくれているだろう」と思える存在が、不安を感じた本人のこころの支えになっていきます。
「表面的な」傾聴に気をつけよう
『共感』『傾聴』(アクティブリスニング)を意識しようとした時、ついつい表面的な返しをしてしまう親御さんは多いです。
①
②
一見共感的な姿勢で話を聴いているとおもいきや、ある時お子さんから「もう、お母さんそういう聞き方やめて!」と怒られてしまう方が多いのですが、それはなぜかというと、上で書いたような「表面的な返ししかできていない」からであることがほとんどです。
子どもの発言を繰り返し、「そうか~」「あなたはそう思うの~」と返すのは確かにアクティブリスニングというテクニックを用いて会話をしていますが、そこには共感がなく、うわべだけである場合があります。
文字上では共感的には見えても、実際は・・・
①
②
…と、発言と表情が不一致であったり、『とりあえず繰り返しておけばいいんでしょ(ちょっと表現が乱暴ですが)』的にうわべだけの共感・繰り返しをしてしまう。
はじめは子どももテクニック的に話を聴いてくれる親御さんに対し、『これまでは求めてないのにアドバイスされて嫌だったけどそれがなくなったな』『これまではすぐに自分を否定するようなこと言ってきてたけどそれがなくなったな』『これまでは話聴いてくれなかったけど、聴こうとしてくれるな』などと感じて嬉しくなる場合があるのですが、次第に機械的・テンプレート的であることがわかってしまい、
…となってしまうことがあります。
そして、
どうしてでしょう…
と悩まれる方も実は少なくありません。
子どもは親のことをよく見ているので、心のこもっていない共感は結構かんたんに見抜かれてしまうものです 🙄
まとめ
いかがだったでしょうか。
「子どもが心配性なんです。すぐに不安を訴えるんです」とご相談をいただくケースを見ていますと、多くの場合は子どもの不安ごとについて真正面から向き合えていないことが多いように思います。
それには、「不安を深掘りしたらよけいに不安が強くなるのでは」「どうやって話を聴けばいいかわからない」「不安ごとを話されると緊張してしまう」など、親御さんによって理由はことなるのですが、なぜそうなっているのか?という点を整理していくと、お子さんの話をじっくり聴くのが怖くなくなったと仰る方もいます。
あるいは、「頭では子どものネガティブ話に耳を傾けられないのはわかった。けれども、変わるのには時間がかかりそう。カウンセリングを受けながら、自分の心や思考も変化させていきたい」とお話される方もいます。
人はなかなかすぐには変わらないものなので、それを理解し、じっくり、コツコツと取り組んでいくことが大切ではないかと考えます。
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それでは、今回はこのへんで終わりたいとおもいます。
また次回のブログにてお会いしましょう 🙂
まいどん先生(公認心理師)
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