「あなたには力がある」という言葉がけは子どもにとってプラスになるのか
ブログをお読みいただきありがとうございます!
1学期も折り返しの時期ですね。
これからどんどん暑くなっていき、体力の消耗が激しくなっていきます。そのような疲労に加え、暑さでイライラしやすいのがこれからですが、どんな時でも冷静に物事を捉えてどんな時でも理性的に考え、穏やかにやるべきことをこなしていきたい…
そんなふうに考える私ですが、暑さにはめっぽう弱く、ただでさえナマケモノなのに、これから私はどうなってゆくのか…とドキドキしています… 🙄
運動しなきゃなーと思いつつも、ゴロゴロダラダラ…。私がもしみなさんのご家庭のお子さんだったとしたら、めっちゃイライラさせる自信があるな…なんて思ったり…。
さて、今回は、「子どもを励ます」ということをテーマに記事を書いてみたいと思います。
子どもの後ろ向き発言。あなたはどうかかわりますか?
子どもが
といったことをお母さんに話してきてくれたとき、あなたはどのように接するでしょうか。
こんなふうに返したくなる。
励ましたくなる。
「なーんだ。そんなこと気にしなくったっていいんだよ♪」と明るく返して気に病ませないようにしたくなる。
そういうかたは多いと思います。
ところが、このような返しかたというのは、むしろお子さんの不安や自信をなくさせたり、過剰適応といって自分のキャパを超えてがんばり続けさせたり、失敗を極端に恐れさせたり…ということにつながりかねません。
そして励ましている側においても、励ましながらも心の中で『こんなことで弱気になって大丈夫なの?この子…』と不安でたまらなくなったり、頑張らせすぎてないかいつも気になって仕方がなくなったり、小さなハードルすら乗り越えられない子どもの姿にイライラが止まらなくなるということにもつながりかねません 🙁
励ましているはずが自信を失わせている?
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
・子どもの話してくれた言葉『のみ』で『判断』しようとしている ・親がポジティブな言葉をシャワーのように浴びさせることで子どもの自信につながるという考えがある |
…というケースでは、特に上で書いたようなことが起こりやすいんです。
たとえば、子どもが「自信がないんだよ…」と言ってきたときに、「あなたには力があるのよ。これまでも乗り越えてきたじゃない。成長してきてるのよ。お母さんもお父さんも、一生懸命あなたを支えるよ。大丈夫。できる。…ね?大丈夫って思えてきたでしょ?自信をもって。」と返したとします。
一見、ポジティブな言葉をシャワーのように浴びさせているし、子どもも大好きな親御さんからこんなふうに言われたら『そうかな』『そうかも』と思い、「…うん!できる!やれる!自信ついてきた気がする!」なんて言ってくれることもあると思います。
ですが、私はこのやりとりはちょっと危ないなと思ってしまうんです。
子どもがなにに不安を感じているのか。
不安という言葉を発信してくれているものの、果たしてそれは本当に不安なのか。
不安を感じる対象は自分なのか他者なのか環境なのか。
どういう条件において不安を
感じるのか。
毎回同じ条件下において不安を感じているのか。
子どもの「不安」という二文字にはこれらの情報は含まれていません。
子どもの「不安」という言葉を聞いて、子どもが見ている世界を知ろうとしたり、理解しようとしたり、考えようとしたときに、これまで親が子から聞いてきた情報を集約し、足りない情報を頭の中で補填し、
…といった具合に解釈してしまうと、子どもが言いたかったこととはかけ離れたやりとりになってしまいやすいからです。
また、このような解釈の仕方は、『なんだ、そんなことか』と親が子が抱えている悩みや問題を矮小化してしまったり、「ママが子どもの頃はこんなことがあったよ」と話をズラす関わりをしてしまったり、「もうそんなこと考えるのはやめなさい。気にするから気になるのよ」と悩みから目を背けさせようとしてしまいがちです。
しかし、小学1年生であっても、言語化がうまくできていないだけで、実際は大人が思う以上に色んなことを見て感じ取っています。
なにも考えていないんじゃなく、言葉にすることが難しいだけなのに、子どもは単純だと大人は思いこみやすいんです。
子どもは小さい子であればあるほど、大人のようにうまく言語を扱えません。 自分以上に言葉を知っている大人から長文で色々と 自分を励ましたり勇気づけようとする言葉掛けをされたら、 それを理解することに精いっぱいになってしまって、 なにが言いたかったのかわからなくなったり、 考えることをやめてしまったり、とりあえず「うん、そうだね」 と言わないといけないような雰囲気を察知して迎合してしまうこともあります。 |
そうして、自分が不安だと感じてしまうのはまるで罪であるかのようにさえ思いこんでしまって、
「ぼくはなんて弱い子なんだろう」
「こんな大したことないことで悩んじゃって、ぼくのバカ」
「自信がないのは自分のせい。自分を信じられないのはよくないのに」
と、こんなふうにどんどん自信をなくしてしまう…。
暗示をかけるレベルでポジティブの言葉のシャワーを浴びさせようとすればするほど、逆に自信を失わせて不安を膨らませてしまうこともあります。
まとめ:親は子にどのように寄り添い話を聴くべきか
大切なのは、早々に判断・解釈してしまわないことです。
子どもはなぜ不安だと話してくれたのか。不安という言葉にはなにが隠されているのかを知ろうとする姿勢や態度が大事です。
はじめから「1+1はって?そんなの2でしょ?」と早々に判断・解釈・結論を出そうとせず、「1+1かぁ…2とも言えるし、二進法なら10にもなるし、たんぼの田ともいえるし…」と、ちょっと立ち止まって考えてみると、これまで気づけなかった子どもの気持ちが見えてくることがあります。
わが子の気持ちや考えがどういうものなのかについては、世に出回っているどの本にも、ブログにも、心理学にも、答えはかかれてありません。
限りなく近そうな答えは見つけられるかもしれません。
ですが、それはわが子のことを解説しているものではありません。
めちゃくちゃ難しい話だとは思いますし、常にこんなふうに頭をフル回転させながら話をきくことは難しいですが、子どもが悩みを打ち明けてきてくれたときや相談をしにきてくれたときは、ぜひその時だけでもよいので、アドバイスしよう・ポジティブ言葉のシャワーを浴びさせようとせず、聴いてみてください。
答えがすぐにでなくたっていいんです。
心の中を言語化する。
この訓練ができている子ほど、実は悩みが少なかったりするものです。
それでは、今回はこのへんで終わりたいとおもいます。
また次回のブログにてお会いしましょう 🙂
まいどん先生(公認心理師)
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