母子登校や不登校を繰り返してしまうのはなぜ?

「学校に行ってくれれば安心」というわけではない

ゴールデンウイーク明けは母子登校や不登校がはじまったり深刻化しやすい時期です。

今回は、母子登校や不登校を繰り返してしまうのはなぜか?また、深刻化してしまうのか?について解説をしたいと思います。

通常登校が難しくなった時にやりがちな親の対応とは

・学校がある日、出発直前に子どもが急にランドセルを背負って『カメ』になってシクシク泣きながら玄関で固まってしまった

・子どもが急に起きてこなくなった

・出発時間前にトイレにこもるようになってしまって遅刻を繰り返すようになった

・「ひとりで学校に行けない、不安」と毎朝泣くようになった

このようなことに悩まれたご家庭では、突然のことに動揺して、つい…

何が不満なの?!ママこのままじゃ仕事に遅刻する!いいかげん立ってよ!ほら!!!
起きなさい!(布団を剥がす)起きて!(無理やり起こす)着替えて!(無理やり着替えさせる)
スマホを持ってトイレにこもって!どうせゲームしてるんでしょ!いい加減にしなさいよ!

こんな風に子どもに詰め寄ってしまったり、イライラから無理やり行動を促してしまった方もいらっしゃるのではないかとおもいます。

しかし、こういった対応をすればするほど、親子の関係に溝が出来てしまいます。

いちばん大事なところが抜けている

子どもの母子登校や不登校に悩んでいる方の多くは、行政や医療機関や様々なカウンセラーなどに相談にいったり、情報を探してきていることと思います。

それでも「しっくりこない」「言われた通りにしているけれど状況がうまくいかない」「前の不登校の時はこの対応でうまくいったのに、今回の不登校では同じ対応が通用しない…」

このように悩みが解決しなかったり、同じことを繰り返してしまう理由は、本質の理解が抜けているからかもしれません。

子どもの「今」の精神状態をカウンセリングなどで癒したとしても、その子どもが拠点とする空間や最も多く接触する人との関わりがまずいと似たような課題を繰り返し抱えてしまいがちです。

そして、親は焦り、子どもにカウンセリングを受けさせたり、手当たり次第に心理学や教育論を試したり、その結果、一親子関係の悪化と深刻化に陥ってしまうことが往々にしてあります。

目先のテクニックだけでは、子どもと向き合っているとは言えません。

この本質がわかってないサポートやカウンセリングでは、状況を改善できません。

本質を捉え、根本から改善する事が大事であり、本質の理解をしないで「とりあえずひとりで学校に行けたら良い」という考え方のケースはうまくいかないことが多いのです。

本質を大事にできたケースとそうでないケース

私がこれまで家庭教育のサポートをしてきた中でも、母子登校は解決・復学は出来たけれども根本解決・改善には至らないケースとそうでないケースがあります。

根本解決・改善されたケースでは、私のサポート(支援)を卒業してからも…

・子どもが成長し、自立・自律し続けている

・親子関係は良好なまま

・親は子どもの自立心をはぐくむ家庭教育を実践し続けられている

・親は子どもの潜在的な力を信じ見守り続けられている

というような状態のまま子育て・家庭教育を続けておられますし、支援ご卒業後も時々「子どもはこんな風に成長しました」「登校はずっと順調です」というようなご連絡をいただいています。

また、「子どもの進路選択で言い合いをしてしまっていて、どうしたらいいかわからない…」というご相談をいただくことがあれば、スポット的にアドバイスを差し上げることもあります。

再支援までいかなくても、困りごとがあれば楽しいご報告以外にも時々相談に乗りながら、いわば半永久的に支援をし、つながりを持ち続けさせていただいています。

そして、根本解決・改善されなかったケースでは、私のサポート(支援)を卒業してから…

・親の対応が戻ってしまう

・親子関係がまずくなってしまった

・再び登校が不安定になってしまった

・子育ての不安感がずっと抜けないまま

というような状態のまま子育て・家庭教育を続けておられて、同じ悩みを継続的に持ち続けてしまう結果になってしまっています。

支援を受けていただく前から本質に気づいておられるケースや、支援を受けながら理解をされたケースでは、前者のような結果になるのですが、「子どもが学校に行けるようになったから支援やめます」とおっしゃるケースでは、こちらはお引止めできません。

そして、数か月後に支援を受ける前よりも、もっと状況が悪化して「再度支援を受けたい」とおっしゃるケースも多かったです。

自己肯定感よりも自立心をはぐくむことが大事

母子登校や不登校には「褒めること」「認めること」「受け入れること」「刺激をしないこと」「電子機器を取り上げること」…など、色んな意見があります。

よくお見掛けする「褒めて自己肯定感をドンドン高めよう!」「聴いてあげることがなにより大事!むしろそれだけでいい!子どもの意見を尊重しよう!」というのもありますね。

もちろんどの意見もよく理解ができますし、それが「合う」場合もあると私も思います。

でも、それだけで母子登校や不登校や家庭内暴力などの悩みは改善し、さらに子どもが自立したり、親子関係は良好になり、さらに子どもが親になった時によい「バトン」を渡せるかというと、それだけでは難しいというのが私の見解です。

私は、目先の「登校」や「なんでもひとりでできる子にする」ということだけではなく、もっと先を見据えた関わりが大切だと思っています。

支援のスタートラインはご家庭によって様々ですが、例えばお父さん、お母さんの過去に受けてきた家庭教育を振り返り、親御さんが…

『ヘリコプターペアレント』

『ちゃんと向き合ってくれず心ではなく行動しか見てもらえなかった』

『命令指示提案や管理や支配が多かった』

『自分の意見を尊重してくれなかった』

『物のような扱いをされた』

というようなことを経験していると、知らず知らずのうちにご自身が親になった時に同じことを繰り返してしまいやすいです。

さらに、大人になって親になったにもかかわらず、いつまでも親の評価が気になって『自分の親に認められるような子に育てなきゃ』という気持ちで子育てや家庭教育をしてしまっているケースも多いです。

では、さらにその教育を受けた子どもたちが大人になったらどうなるでしょうか?

よく『虐待などは繰り返す。負の連鎖である』ということが言われますが、虐待まではいかなくても『避けたい子育て』『避けたい関わり』『不適切な養育』は連鎖します。

そして、最も私が恐れているのは、そのような養育や関わりは子どもの健全な発育を妨げてしまうことです。

このような養育や関わりをしたからすぐに何かが起きるというわけではなく、多くの場合は大人になった頃、出社拒否・うつ病・適応障がい・パニック障がい・アルコール依存・ギャンブル依存などになってしまうと言われています。

子どもは「親のことをよく見ている」

例えば親御さんがこれまでのお子さんとの関わりにおいて、

・ヘリコプターペアレント(カーリングペアレント)傾向にあり常に指示的で親が子どもを管理してきた

・過保護に対応しすぎて子どもに「ひとりでできること」を増やすような対応をしてこなかった

・しかりつけることが多く、押し付けも多かった。そして抑圧させてきた

このような対応をしてこられてきたとします。

子どもの捉え方もそれぞれだと思いますが、もしも

・「いつも指示されて嫌な気分」

・「お母さんが過保護や指示をするたび、『あなたは何もできない』と言われている気分」

・「いつだって自分の話を聴いてくれない」

というような不満を持ち続けていたとしたら、いずれ爆発して突然変異してしまうかもしれません。あるいは、不登校や母子登校になることもあるかもしれません。

親御さんは、おうちの中で大暴れする・不登校や母子登校になったお子さんを見て「これはまずい」と思う。

そして、家庭教育を学び実践するとします。

そのうちお子さんは、『あれ、最近パパとママなんかいつもとちがうぞ』と気づきます。

しかし、これまでの親子のやりとりにより、お子さんが「親への不信感」「恨み」「恐怖心」「こころの壁」「怒り」などがある場合、素直に親御さんの変化を受け取れない場合が多いです。

そして、初めはこのように思います。

『なにか魂胆があるにちがいない』

『たまたまかもしれない。明日はまたガミガミ言われるかもしれない』

『どうせぼくを学校に行かせたいんだ。きっと今だけだ。』

親子関係に溝が出来ているケースの場合、親御さんが変わりはじめても、子どもは『まだ信じないぞ』というような、心の中での抵抗を示すことが多いです。

そして、その時の親御さんの目的がもし、
ただ子どもを学校に行かせたい

だけだったとしたらどうなるでしょうか。

親御さんの対応を変えて、お子さんが復学できたとして、その数か月後にまた、親御さんがいつもの癖で支配的に振舞ったり、親子関係が悪化するような関わりをしてしまったら…
親子の関係は修復不可能なほど悪化し、溝が出来てしまったり、子どもが一生親に対して『信用できない』という感覚を持たせることもあります。

母子登校や不登校は、様々な要因、背景により発生することであり、珍しいことではありません。

でも、目先の「ひとりで登校する」を達成して、すぐに親の対応が元に戻ってしまうと意味がないのです。

👇親子の関係性についてはこちらのブログをご覧ください

まとめ

MIKURU・MIRUは、『ご家庭の自立』を願い、それぞれのご家庭に合った家庭教育のカタチを作り上げたり、方向性を考えます。

さらにその支援に込められている願いは、
『支援をしている子どもたちが大人になっても困らないように』『この子たちが親の世代になった時に、さらにプラスのバトンを渡してくれるように』

ということです。

特性があっても、障がいがあっても、定型発達であってもそうでなくても、私は、子ども達ひとりひとりにポテンシャルを感じています。

子どもは発展途上国のようなもので、「今」は出来ないことがあって当然です。

「今」はできないことも愛し、子どもの失敗を包み込み、きちんと向き合い、そしてその先に自立や復学があると思っています。

復学が先なのではなく、親子関係の安定や、『我が家に合ったかかわり方』を先に手に入れてから、最終的に復学が副産物的な位置づけで果たされるというようなイメージです。

多くのケースの場合は、3か月あたりから母子登校などが解消されていきますが、根深い課題があるケースは倍時間がかかることもあります。

しかし、時間がかかってしまったとしても、未来を見れば必要なことなのではないかと思います。

MIKURU・MIRUは子ども達の未来を見て、これからも支援を続けていきます。

このブログ記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!

また次回ブログ記事にてお会いしましょう!

親まなびアドバイザー まいどん先生

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