からかいにめげない子に育てるためには

からかいにめげない子に育てるためには。親ができる心の支え方

ブログをお読みいただきありがとうございます。
まいどん先生こと山下です。

子どもが学校に行きたくない理由のひとつに、
「からかわれるのが嫌」
「笑われるのが怖い」
というものがあります。

 

たとえば、

走るのが遅くて笑われた。
授業中に間違えて、クラスの子に笑われた。
見た目や話し方をいじられた。
持ち物や服装をからかわれた。
ちょっとした失敗を何度も言われた。

大人から見ると、「そんなことで?」と思ってしまうこともあるかもしれません。

でも、子どもにとっては大事件です。

特に小学生くらいの子どもにとって、教室は世界のほとんどです。

大人なら、職場で嫌なことがあっても、帰れば別の世界があります。
友達、家族、趣味、SNS、行きつけのお店、推し、コンビニの新作スイーツ。
逃げ場はいろいろあります。

…でも、子どもにとっての学校は、かなり大きな世界です。

 

笑われる。
からかわれる。
「自分は変なのかもしれない」と感じる。

これは、思っている以上に心に残ります。

「からかい」でも、子どもが苦しんでいるなら軽く見ないようにしよう

まず大事なのは、「それくらい気にしないの」で終わらせないことです。

たしかに、子ども同士の中には、悪気のないからかいもあります。

相手は冗談のつもり。ちょっとふざけただけ。
その場を盛り上げたかっただけ。本気で傷つけるつもりはなかった。

…そういうこともありますね。低学年ほど、あると思います。あるある話だからこそ、つい「そんなん学校行ってたらあるやん?」ていっちゃう。

でも、受け取る側の子どもがつらいと感じているなら、そこは軽く扱わない方がよくって、

「気にしすぎ」「そんなの無視したらいい」「言い返せばいいやん」「もっと強くなりなさい」

…などと言われると、子どもは二重に傷つくことがあります。

 

からかわれて傷ついた。
それを親に話したら、親にもわかってもらえなかった。

そうすると、子どもはだんだん話さなくなります。

ですので、まずは、「それは嫌だったね」「笑われて、恥ずかしかったなぁ…」「学校に行くのが怖くなるくらい、しんどかったんやな」

…と、子どもの感じ方を受け止めてあげることが大切です。

これは、相手の子をすぐに悪者にするという意味ではなく、子どもが感じた痛みを、親が一度ちゃんと受け取るということです。

ただし、親が解決しようとしないほうがいい場合もある

一方で、親が子どもを守りたいあまり、すぐに学校へ連絡し、すぐに相手の子を注意してもらい、すぐに環境を全部整えようとすると、別の難しさが出ることもあります。

もちろん、明らかないじめや、繰り返される嫌がらせ、暴言、暴力、仲間外れ、物を隠す、SNSでの攻撃などがある場合は、学校に相談する必要があります。

そこは我慢させるところではありません。

でも、日常の中のちょっとしたからかい、失敗を笑われた、軽くいじられた、という場面まで、すべて親が前に出て解決してしまうと、子どもが自分の心を立て直す経験を積みにくくなることがあります。

子どもに必要なのは、「何を言われても我慢できる強さ」ではありません。

嫌なことは嫌だと感じていいんだけど、でも、自分の価値まで相手に下げさせない。という心の持ちようです。

からかわれた。でも、私は私。
笑われた。でも、それで自分がダメな人間になるわけではない。
失敗した。でも、失敗した自分にも居場所がある。(ママがいる)

この感覚が育ってくると、子どもは少しずつ落ち込んでも気持ちを立て直しやすくなります。

自己肯定感よりも、「自分を立て直す力」

よく、からかいに弱い子には自己肯定感が大事だと言われます。

ただ、私は最近、自己肯定感という言葉にちょっと違和感があります。

自己肯定感というと、「自分を好きでいられること」「自分には価値があると思えること」というイメージがあります。

でも、子どもにとって本当に必要なのは、いつも自分を好きでいることだけではないのかもしれません。

むしろ、

恥ずかしいことがあっても、落ち込みすぎない。
失敗しても、もう一度やってみようと思える。
笑われても、自分全部が否定されたとは思わない。
嫌だったことを、親に話せる。
必要なときには先生に助けを求められる。

こういう、自分を立て直す力が大切なのではないだろうか、と。

からかいに強い子というのは、何を言われても平気な子ではありません。

傷つかない子でもありません。

傷つくけれど、戻ってこられる子。
嫌だったと言える子。
自分のいいところまで見失わない子。

私は、そういう子に育っていくことが大切だと思っています。

家庭でできることは、「小さなできた」を増やすこと

では、親にできることは何でしょうか。

まず大事なのは、家庭の中で「自分にもできる」という経験を増やしてあげることです。

これは、特別な成功体験でなくてかまいません。

大会で優勝する。テストで100点を取る。習い事で表彰される。
そんな大きなことでなくていいです。

むしろ、毎日の中の小さなこと。

朝、自分で服を選べた。
水筒を自分で入れた。
靴をそろえた。
弟や妹におもちゃを貸せた。
宿題を一問だけ自分で始められた。
嫌だったことを言葉にできた。
「やめて」と言えた。
「先生に言ってほしい」と頼めた。

…こういう小さな経験の積み重ねが、子どもの心の持ちようを変えていきます。

大人から見ると、「そんなこと?」と思うかもしれません。

でも、子どもにとっては、
「自分でできた」
「自分で言えた」
「自分で選べた」
という経験は、とても大事なんです。

からかわれても崩れにくい子は、家庭の中で「自分にはできることがある」という感覚を少しずつ持っています。

褒めるより、「見ているよ」が効くこともある

子どもの自己肯定感を育てようとすると、親はつい褒めようとします。

「すごいね」
「えらいね」
「天才!」
「さすが!」

もちろん、褒めることは悪くありませんが、でも、何でもかんでも褒めすぎると、子どもによっては、
「褒められないと不安」「いい結果を出さないと意味がない」という方向にいくこともあります。

ですので、褒めるよりも、まずは見たままを言葉にしてあげるとよく、

「自分で準備したんだね」「嫌だったことを話してくれたんだね」「今日は泣きながらでも玄関まで行けたんだね」
「笑われてつらかったけど、帰ってからちゃんと教えてくれたんだね」「言い返せなかったけど、本当は嫌だったってわかったよ」

子どもは、親にちゃんと見てもらえていると感じると、少しずつ自分の感覚を信じやすくなります。

「私は嫌だったと思っていいんだ」
「僕は恥ずかしかったと言っていいんだ」
「親はちゃんと聞いてくれるんだ」

この安心があると、外で嫌なことがあっても、家に戻って立て直しやすくなります。

親が先回りしすぎないことも大切

からかわれやすい子、傷つきやすい子を見ていると、親はどうしても先回りしたくなります。

失敗しないように。
笑われないように。
困らないように。
恥をかかないように。
友達に嫌なことを言われないように。

その気持ちは、とても自然ですが、でも、親が先回りしすぎると、子どもは
「失敗しても大丈夫だった」
「困っても何とかできた」
「嫌なことを言っても助けてもらえた」
という経験を積みにくくなります。

たとえば、学校でからかわれたときに、親がすぐ全部解決するのではなく、

「次に言われたら、どうしてみようか」
「先生に言うなら、どんな言い方がよさそう?」
「自分で言うのが難しければ、ママから先生に伝える方法もあるよ」
「でも、あなたが嫌だったことはちゃんと大事にしよう」

と、一緒に考えること。

子どもが自分で動けるようにサポートする。ひとりぼっちにはしない。

この距離感が大切なんだと思います。

からかいが続くときは、学校に相談していい

ここまで、家庭でできることを書いてきましたが、からかいが繰り返されている場合や、子どもが明らかに苦しんでいる場合は、家庭だけで抱えないでください。

特に、

・同じ子から何度も言われる
・見た目や身体のことをからかわれる
・失敗を何度も蒸し返される
・物を隠される
・仲間外れにされる
・SNSやオンライン上で言われる
・学校に行く前に腹痛や頭痛が出る
・泣いて登校できない
・「消えたい」「いなくなりたい」と言う

…このような場合は、なるべく早めに担任や学校に相談してください。

「うちの子が気にしすぎなのかもしれない」
「大げさにしたら相手の子に悪いかもしれない」
と思う方もいます。

でも、子どもが心身の苦痛を感じているなら、それは大人が確認すべきサインです。

学校に相談するときは、感情だけで伝えるよりも、事実を整理して伝えると話が進みやすいです。

いつ。
どこで。
誰に。
何と言われたのか。
子どもはどう反応したのか。
その後、登校や生活にどんな影響が出ているのか。

ここをメモしておくとよいです。

まとめ:からかいに負けない子とは、我慢できる子ではない

からかいに負けない子とは、何を言われても平気な子ではありません。

嫌なことを嫌だと感じられる子。
傷ついたときに、安心できる人に話せる子。
自分の全部を否定しない子。
必要なときに助けを求められる子。
小さな「自分でできた」を積み重ねている子。

そういう子だとわたしは思います。

子どもがからかわれて学校に行きたくないと言ったとき、親にできることは、「気にするな」と背中を押すことだけではありません。

まずは、嫌だった気持ちを受け止める。
そのうえで、自分を立て直す力を一緒に育てていく。
必要なときには、学校とも連携する。

この三つが大切です。

子どもが学校で傷ついたとき、家庭が「ここに戻れば、自分を取り戻せる」という場所になっていること。

それは、からかいに負けない心を育てるうえで、とても大きな支えになります。

MIKURU・MIRUでは、親子のやりとりから一緒に整理します

「からかわれるのが嫌で学校に行きたくない」
「子どもが笑われることを極端に怖がる」
「親がどう受け止めればいいのかわからない」
「学校に相談するべきか迷っている」
「励ましても、休ませても、うまくいかない」

そんなときは、子どもの性格だけを見るのではなく、親子の会話や学校での出来事、家庭での安心の作り方まで含めて整理することが大切です。

MIKURU・MIRUでは、お子さんの困りごとを一言で決めつけず、ご家庭ごとの状況に合わせて、親御さんと一緒に関わり方を考えていきます。

一人で抱え込まず、まずは今起きていることを整理するところから始めていきましょう。

 

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それでは、今回はこれで終わりたいと思います。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。また次回のブログもお読みいただけると嬉しいです!

まいどん先生(公認心理師)

 

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