アイメッセージでやりとり…実は逆効果な場合もある?前編

アイメッセージでやりとり…実は逆効果な場合もある?前編

ブログをお読みいただきありがとうございます!

公認心理師のまいどん先生こと山下です。

今回は、心理学でおなじみのアイメッセージについて記事を2回にわけて書いてみたいと思います。

 

アイメッセージとは

アイメッセージとは「私」を主語にして自分の気持ちを相手に配慮しながら伝えるコミュニケーション方法の一つです。

例えば、

夕飯ができたよ。お箸だしてよ、もう~。それくらいお母さんが言わなくてもやってよ。何回言わせるの。まったく…!

よりも、

夕飯ができたよ~。ご飯の声掛けの時、お母さんはそれぞれお箸を出してほしいと考えてるんだよね。どうかな

のほうが、なんとなくやんわり伝わりますよね。

前者は「あなた」が主語(あなたが行動してよ!という伝え方)ですが、後者は「わたし」が主語(私はこういうことを考えていますよという伝え方)。

まわりくどさはさておき、「わたしを主語にして伝えることで、子どもに指示をせずに親の気持ちを伝えられる」というような考え…といえるのですが、もしもわたしが子どもの立場だったら、

何その言い方。ストレートにお箸出してって言えばいいじゃん!まるで私が気が利かないみたいな言い方して。何なの?嫌味??

…と思ってイラついてしまうかもしれません 😕 

 

アイメッセージは、主語を「私」に変えて、相手に非難っぽく伝わらないようにするテクニックであるのと、相手の気持ちを考えさせることができるといわれます。

いい加減お風呂に入りなさいよ!!!

ではなく、

ママはもう眠たいよ。後片付けが遅くなるんじゃないかと考えると憂鬱…。みんなには20時までにお風呂を上がってほしいな…

と伝えた方が、子どもは

うるさいな!ママは私のお風呂に入りたいタイミングを待ってくれない!!

と反発したくならず、

そうかぁ…ママが早く寝たいなら協力しようかな…

と、相手の気持ちを考えて自ら行動しようと思いやすい。

 

ストレートに「これしなさい」「あれしなさい」と指示をすることで子どもは親の指示に従うか反発するか…になりやすく、指示待ちあるいはしつこく言われないとやらない子になりやすいともいえます。

アイメッセージで伝えれば、自ら選び、考え、決断するというステップを踏ませることで自立に向かいやすいとも考えることができるので、拙著でも、アイメッセージについていますが、多くの子育て本や心理学の本では、アイメッセージでやりとりを進めていきましょうと書かれてあるかと思います。

 

アイメッセージを続けていると「これでええんか?」と疑いたくなる

なるほど。アイメッセージというものを実践してみよう。

…と思ったとき、みなさん本やブログなどを見よう見まねでトライされていると思います。

言い方を変えただけで子どもが素直に動いた!!これまで指示ばかりして困る状況を作ってたのは自分だったんだ!

と驚かれる方もいます。

 

ただ、実践を繰り返していくうちに、

・何度アイメッセージで伝えても伝わらなくてイライラする

・結局命令や指示や提案が楽だしすぐに結果が出る(子どもが動き出す)

・アイメッセージを使い続けていると子どもにナメられはじめた気がする

・親が子どもに下手に出てる感じがして嫌になってきた

みたいな話も聞くんですね。

 

そして私は、「そもそもアイメッセージというものには強制力はないんです。主語をわたしに変えて気持ちのよいやりとりをすることや、子どもの自主性や自立心をはぐくむためのものであって、積み重ねが大事なんです」とよくお話します。

 

最初のころは「ほんまにこんなんでうまくいくんかいな」と疑いながらやってみたら思っていた以上にうまく伝わった(子どもがすぐに動いてくれた)。

アイメッセージを使って子どもが動いてくれたという成功経験をした親御さんは、何度も繰り返しアイメッセージを使い続けることで、次第に目的が

『親子で気持ちのよいやりとりをしたり、子どもの自主性や自立心をはぐくんだり、相手の気持ちを考えるような、コミュニケーションの改善』が目的というよりも、『子どもが親の言うことを従えるようになる』が目的にすり替わっていることが多いです。

 

「子どもの行動変容を強く願っている」ことがスケスケだと…

私は13年支援(カウンセリング)の仕事をしていますが、親子の関わりを見ていますと、

「子どもは大人が思う以上に、親(大人)の顔色・声色・雰囲気から相手の本音を見ているな」

と思うんです。

 

言葉では

毎日宿題を頑張ってやってるね。お母さん、あなたの頑張りをいつも見ているよ

と言っていても、子どもから見たお母さんは

宿題は毎日やるのが当たり前で、小学校低学年のうちの宿題なんて楽勝でしょ。何を10分、20分程度で終わるものを嫌だ多いだなんだって文句たれてるの?そんなんで高学年になったらどうなるの?うだうだ文句言わずにさっさとやらないから夜になって眠い時間にやることになるんじゃん。こんなことで褒めて、いいのかな?本当は学校から帰ってきたらすぐに宿題をするべきだし、とりあえずやればいいんだよみたいな言い方になってて、つけあがらないかしら(本音)

…みたいに、「毎日宿題を頑張ってやってるね。お母さん、あなたの頑張りをいつも見ているよ」と言ってくるお母さんが演技をしているとわかってしまうことがあるんです。

もちろん↑みたいに詳細に読み取れてたらエスパーか?と怖くなりますが、「お母さんが本音で私をほめてないのはわかる」「本当はそんなこと思っていないんでしょ」くらいは気づいていることが多いです。

素直にそれを言葉にできる子だったら、「お母さんのそういうのウザい」と言えるのですが、そうじゃない場合は褒めても無反応だったり、無視されたりと微妙な反応が返ってくることも… 🙁 

 

今回はこのへんで終わりたいとおもいます。次回のブログもお読みいただけたら嬉しいです 🙂

まいどん先生(公認心理師)

 

👇応援よろしくお願いします!!
にほんブログ村 子育てブログ 不登校・ひきこもり育児へ
にほんブログ村


不登校・ひきこもりランキング

👇Instagramはこちら

-家庭教育・子育て, 母子登校