リフレーミングをしてみよう

リフレーミング

リフレーミングとは?

視点の枠組みを変えるリフレーミング

リフレーミングとは

物事に対する視点のフレーム枠組みを変えることで意味づけを変える方法(肯定的意味付け)

のことです。

枠組みを変える。リ・フレームという意味で、家族療法の技法のひとつで家庭教育支援において親御さんにもよくご活用いただいています。

また、こちらからも親御さんに対して物事に対する親御さんの視点のフレーム・枠組みを変えることで捉え方や意味付けを変えていただくようにすることもあります。

 

例えば…

主人が全然子どもを注意しない

とお母さんがおっしゃったときに、

「お父さんはお子さんを信頼して任せるところは任せられているのですね」と返したり、

 

子どもが愚痴ばかり言う

とお母さんがおっしゃった時に、

「お子さんはお母さんには安心して何でも話ができるのですね」と返したりするなど、

別の視点を伝えて「なるほど、そういう視点もあるのですね」と気づいていただけるようにアドバイスすることがあります。

人や状況は変えられませんが、こちらの受け取り方を変えるだけで気持ちが軽くなったり、モヤモヤすることが減っていきます。

自ら「広く色んな視点を持てるようにしよう」と選択することで、周りに左右されたり振り回されることも減っていきやすいです。

 

リフレーミングには色んな種類がある

具体的にリフレーミングの方法は、「状況」「内容」「細分化・解体」「言葉」「時間軸をずらす」「どうしたいかを考える」「もし~だったらと考える」などの種類があると言われています。

状況をリフレーミングする

人物や物事や出来事などの状況や背景の枠組みを変えるという方法です。

「子どもが行き渋りをしたことで家庭教育を学ぶことができた」

「結果失敗はしたけれども、勉強になってチャレンジできてよかった」」

など、「子どもが行き渋ったから辛い思いをしている」「失敗をしてしまってこれまでの勉強がパアだ」という捉え方ではなく、物事をプラスに置き換えて捉えることが出来ています。

 

内容をリフレーミングする

性格や悩みや経験、出来事の意味や解釈 など内面に関する感じ方の枠組みを変える方法です。

「新たなチャレンジで緊張しているけれども、経験が積めるのは嬉しい」

「傷つきやすい性格だけれど、だからこそ人の痛みがわかる」

「ぽっちゃりしていることで周囲に安心感を与えられる」

というふうに、自分がどう感じて意味づけするかを変えることができます。

 

細分化・解体

物事の枠組みそのものを解体し、別の新たな視点で捉え直す方法です。

「やることがいっぱいあってどうしよう」と不安になっている時は、「どれが最優先事項か」「いつまでに終わらせるとよいか」「この作業ひとつに時間がかかるか」

物事をより具体的かつ細かく解体しながら、頭の中を整理します。

「やることがある、どうしよう、何から手を付けよう」と頭の中が整理されず漠然とした不安に襲われることがなくなります。

人は頭の中が整理されていない状態にストレスを感じがちです。

 

言葉

言葉のリフレーミングとは、言葉の定義・意味を変化させて思考の行き詰まりや偏りをなくします。

  • 子どもが飽きっぽい→行動力がある・チャレンジ精神旺盛
  • 子どもが消極的→じっくり考えてから行動できる
  • 子どもが内気→相手の気持ちを考えられる

 

というふうに、また別の言葉で言い換えて受け取りを変えていくことで、目の前の状況が明るくなっていきます。

時間軸をずらす

時間軸のリフレーミングとは、過去や現在、未来という時間軸を活用して別の発想を得る方法です。

「10年後の自分だったら、今の自分のこの状況でどう行動するだろう?」というふうに未来から見た現状への思考の転換

「ミスが早めに分かってよかった」など、「今この瞬間にこれが起きてよかった」という思考の転換

ついつい「過去の自分の行動が今を作ってしまった」「これまでの積み重ねで目の前がまっくら。前を向けない」と過去を振り返り落ち込みがちですが、未来から逆算したり、「今、ここ」に集中することで悩みや不安は和らいでいきやすいです。

 

「もし~だったらと考える」

AsIFのリフレーミングと言われるものです。

「もし、〇〇だったら」「たとえば、〇〇だったら」と、仮定したり可能性を模索したりしながら発想を転換します。

「もし、1週間後にダイエットが成功したら」「仮に、〇〇さんが同じことに取り組んだとしたら」「たとえば、子どもの立場だったら」など、立場や状況を変えて発想を広げてみましょう。

別の視点を多く持てれば持てるほど、ストレスを感じにくかったり、問題解決能力がアップしていきます。

 

「どうしたいかを考える」

Wantのリフレーミングと言われるものです。

「それならどうしたい?」という質問を投げかけて、「感情を整える」「現状を打開する」方法です。

「テスト勉強がなかなか進まない」という悩みに対し、「それならどうしたい?」と問いかけ、「サッと取り掛かれるようになりたい」気持ちを引き出します。そして「そのためには何をすればいい?」と問いかけ、解決を模索して、解決していきます。

 

親御さんがリフレーミングがうまいと子どももリフレーミングがうまくなる

ここまでサクッと簡単にリフレーミングの種類を書かせていただきました。

実践していくには訓練が必要です。日頃の生活の中で意識的に様々なリフレーミングの方法を取り入れていくことで、リフレーミングがうまい親御さんになっていきます。

そして、親御さん自身がリフレーミングを取り入れて身につけていく子どもとのやりとりでも活用できるようになり、親だけではなく子どもも視点を変える達人になっていくでしょう。

 

支援の場では『細かいことが気になるタイプの子は、時に「ま、いいか」と思えることが大事』と親御さんにお伝えしています。

そのためには、例えば子どもが

明日の体育のなわとびテスト、ちゃんとできるか心配…

悩んでいた場合、

不安なの?どうする?連絡帳に何か書こうか?
うじうじ言ってないで頑張りなさい
じゃあ今すぐ練習したら?

…のように返してしまっては、子どもの「物事の捉え方」は変わりません。

また、「ちゃんと話を聴いてもらえなかった」「わたしの不安を受け止めてくれなかった」「お母さんは全然わかってくれない」という思いを持たせてしまうこともあります。

しっかりとアクティブリスニング(傾聴)をした上で、

結果はどうあれドキドキすることにチャレンジできたらレベルアップできるとママは思うな
苦手チャレンジをしたほうが心が強くなるってママは思ってるよ。明日は心を鍛えられる日だね
不安なのね。じゃあ、どうしたい?

…など、色んな視点で話をしてみてもよいでしょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

まずは親御さんの捉え方を変えていくということに取り組んでみましょう。

リフレーミングを取り入れていくことで、目の前の出来事に対してポジティブに受け取りができるようになっていきます。

そうすると、子どもに対しても肯定的な受け取りができるようになり、家庭内がより穏やかな雰囲気に包まれていきます。

 

いきなり子どもに対してリフレーミングを取り入れてみると、「そんなの無理」「そんな考え方できない!」と子どもに言われることもあるかもしれませんが、長い目で取り組んでいくことで、気が付けば親が子を見たときに…

「あら?最近思考の転換や物事の捉え方がうまくなったな」

と思える日がくるので、焦らずじっくり取り組んでみていただければと思います。

 

それでは、今回はこのへんで終わりたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!

 

親まなびアドバイザー まいどん先生

 

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