スクールカウンセリングを利用したいのですが…
母子登校や不登校などで悩まれているご家庭では、一度は「スクールカウンセラーに相談してみようかな」と思われたことがあるかと思います。
今回は、「スクールカウンセリングを利用したいけど、勇気がでない」とお悩みのかたに向けて支援者目線で解説をしていきたいと思います。
スクールカウンセリングってなに?
文科省は、いじめや不登校などの対策として、1995年度からスクールカウンセラー(SC)の配置を進めていきました。
現在は3万人ほどのSCが配置されていると言われており、小・中・高等学校に配置され、児童生徒のカウンセリングや教職員・保護者への指導や助言やカウンセリングを行うことが主な職務となっています。
SCとして配置されるかたの資格は以下の通りです。
・公認心理師
・公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士 ・精神科医 …など |
このガイドラインにもあるように、不登校やいじめなどの未然予防・早期発見のための支援や対応をされています。
また、実際に不登校やいじめなどを学校が認知した場合にも援助や対応をされます。
児童生徒にもカウンセリングをするし、保護者の相談にも乗るし、教職員などへの助言も行うなど、SCの活動内容はとても幅広いといえますね。
「特性のあるお子さん」の観察を校内で行い、担任に「この子は視覚からの情報のほうがわかりやすいからこう対策するとよい」「情報を処理するのに時間がかかりやすい子なので、黒板を消すまでの時間を十分に確保したほうがよい」などの助言を行うこともあります。特別支援学級を利用しなくてもよいものの、なんとなく授業への参加に困難さを感じているお子さんにとっては、このようなSCのサポートはかなり重要になってくるのではないかと思います。
また、相談件数は増加しており、特に「不登校」に関する相談が多いようです。
※文科省:『スクールカウンセラー等活用事業』ページより引用
このことからもわかるように、SCの配置は「不登校やいじめなどの未然予防・早期発見のための支援や対応」のためでもあるものの、未然予防のために児童生徒などがカウンセリングを利用するのではなく、実際に何か問題や悩みを抱えてから相談をすることが多いのが現状といえるかと思います。
しかし、心の専門家である臨床心理士の先生がたの得意分野を考えますと、「もう学校には来れない。休みたい」となる前に相談をされたほうが、「心を折れる前の対処方法」を知れて対策ができるのではないかと思います。
それなのに、気軽にカウンセリングを受けて学校生活の充実を目指すということがありません。それはなぜなのでしょうか?
日本はカウンセリング利用の敷居が高い
みなさんは「心の調子がよくないな」と思ったとき、どうしますか?
・映画を観る
・美味しいものを食べる
・からだを動かす
…など、「人に相談をして頭の中を整理する」「心がしんどくなる前の予防のために人に相談する」よりも気分転換をされることが多いのではないでしょうか。
ママ友や、おじいちゃんおばあちゃんに相談するということもあるかもしれませんが、専門家に相談するという方はあまりないのではないでしょうか。
それもそのはずで、日本の場合は「カウンセリングが保険適用外」であることが多いからです。
カウンセリングが保険適用になるのは、
・治療の一部として医師によるカウンセリングを受ける時
・精神疾患などに悩んでいる患者が症状緩和のためにカウンセリングを利用する時
…など条件があり、それに当てはまらないと自由診療の対象になります。
また、カウンセリングといっても料金がピンキリで、数千円~数万円とかなり差があることと、カウンセラーも臨床心理士や公認心理師以外の「○○カウンセラー」「○○アドバイザー」など民間資格を有する人間でもカウンセリングを行うことがあります。
そうなると、「どのカウンセリングを選べばいいの?」「怪しくない?」「洗脳されない??」みたいな悩みが出てきます。
かつ、日本特有といいますか、「他人様に迷惑をかけないように」「自分で解決できることは自分で解決する」という思考になる方が多いように思います。
アメリカはカウンセリングがとても身近なわけですが(海外ドラマとかでよくそういうシーンをみかけたりしませんか)、アメリカはすべてのカウンセリングが保険適用されるからです。
「あー、なんか調子悪いな。内科で診てもらうか」みたいな感じで気軽に受けられます。
👇こちらでカウンセリングについての解説をしていますので、良ければ聞いてみてください。
大人でも敷居が高いカウンセリング。子どもも敷居が高くて利用しにくい
…というわけで、「カウンセリングを利用する」というのは大人でも敷居が高くなりやすく、「カウンセラーに気軽に相談する」文化がないと、「学校にカウンセラーの先生がいらっしゃるみたいよ。利用してみたら?」と聞いても、
「ぼく(わたし)病気じゃないから別にいらない」
…となってしまいやすいわけです。
問題や悩みが顕在化する前から「気軽に相談していいよ」というアナウンスをしている学校もあるとは思いますし、スクールカウンセラーが配置されたての頃よりも相談のしやすさはあるかもしれません。
ですが、それでもなかなか日本人特有なのか、カウンセリングを気軽には受けられないことが多いのが現状です。
そこで私が考えるのは、「だったら親が子にカウンセリングのように話を聴いて寄り添い理解してあげられれば、様々な悩みや問題の未然予防にもなるのではないか」ということです。
MIKURU・MIRUの支援では、特に『聴く』『子どもの視点を持つ』ということをよくお伝えしています。
この聴いたり、子どもの視点を持つためには、カウンセラーの様々なスキルを用いる必要があり、それを皆さんには学んでいただいております。
👇音声配信でもスクールカウンセリングについて解説をしていますので、よければ聞いてみてくださいね
まとめ
今回は、スクールカウンセリングについて解説をいたしました。
まだまだ解説したりない点がありますので、続きはまたいつか書かせていただきたいなと思っております。
国や学校はスクールカウンセラーの配置をして不登校やいじめの未然予防を目指してはいるものの、なかなかカウンセリングそのものが敷居が高くて利用がしにくいのも現状です。
かつ、様々なケースを1校だけではなく3校くらい兼任で受け持たれているSCが多いこともあり、どんなに素晴らしい先生でも限界があったりします。
そのため、SC以外の先生が協力し合ってチームで対策・対応をされている学校も多いですが、それでもなかなか「カウンセリングを受けて悩みスッキリ」となれない場合もあります。
抱える悩みによっては、また違う専門家を頼ったほうがいい場合もありますし、親が対応を変えてみるだけでも変化が表れる場合があります。
とくに不登校や母子登校については「こうすればいい」という答えがなかなか見つからないものですが、少なくとも『親がカウンセリングスキルを身につける』ということがマイナスになることはないはずです。
他のブログ記事では、『親の子への関わり方』や『家庭教育の考え方』について解説をしております。ぜひそちらもご覧いただければと思います。
それでは、今回はこのへんで終わりたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!
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親まなびアドバイザー まいどん先生
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