不登校から母子登校。そして…①

不登校の数は年々増加している昨今。

ひと昔と比べると、不登校は珍しいものではなくなりました。

文科省も「不登校は誰にでも起こりうる問題」といっているくらいです。

教育機会確保法が出来てから、教育現場では学校以外の『居場所づくり』を進めておりますが、その『居場所』の質や内容は様々です。

お住いの地域によっては居場所の選択肢が多いケースもあれば、「学校以外の選択をしたら毎日1時間以上かけて『居場所』にいかないといけない」「親が毎日フリースクールへ送り迎えをしなくてはならない」「母親の仕事を調整しないとけない」と選択肢が少ない・あるいはないケースもあります。

その場合、無理をしてでも親は子のサポートをするべきか?親は仕事に行き子に留守番をさせてもよいものか?というところで悩まれるご家庭も多いのではないかと思います。

学校以外の選択をしていたけれど復学を果たしたお子さんのケース

こんにちは。親まなびアドバイザーのまいどん先生です。

今回は、復学支援を受けて不登校を乗り越えたのではなく、過去に家庭教育支援を受けて親が学び変わっていった結果、お子さんが復学を果たしたケースについてご紹介をしたいと思います。(親御さんの許可を得てご紹介をしております。プライバシーの問題で詳細に書けない部分もございます)

少し長くなるので、2回に分けて記事を書かせていただこうかと思います。よろしくお願いいたします。

 

「ぼくの居場所はここじゃない」

小学3年生のタロウ君(仮名)は、市の適応教室に通っていました。

といっても毎日通えているわけではなく、週に1・2回親御さんに連れられて通っていました。

なんとなく週のうちに通いやすい曜日があり、お母さんはその日は必ず午後からの出勤にしてもらっています。それ以外の曜日でも急に「今日は行く」ということもありました。

 

毎朝お母さんの「きょうはどうするの?」の声掛けから1日がはじまります。

「適応教室に通えそうな日は、タロウの動きを見ればすぐにわかる」とお母さんは言っていました。

行くつもりがある日は、自分で起きてきてご飯を食べだし、行くつもりがない日はいつまで経っても起きてきません。

その様子を見て、行くつもりがある日は会社に遅刻の連絡を入れて目の前に会社の人がいるわけではないのに、いつも遅刻の電話をしながらペコペコと頭を下げていたそうです。

 

ある日、タロウ君は朝起きて朝ごはんを食べ始めました。

お母さんは『今日は行く日だな』と判断し、会社に連絡を入れようとした瞬間、タロウ君は

「あそこ(適応教室)はさ…行ってるけどぼくの居場所はここじゃないって思うんだよな…」

と話し始めました。

 

適応教室に通いながらもちらつく「学校」の存在

「どういうこと?」とお母さんが聞くと、

「んー、あそこはね、仲間もいるし、僕だけじゃないって思うんだけど…なんていうか…」

「いつも学校のことが頭に浮かぶんだ。今頃学校は休み時間だな、とか、○○(友達)は何してるかな、とか…」

お母さんは「そう…それで、タロウはどうしたいと思うの?」と聞くと

「あそこも学校も、もうぼくの居場所じゃない。」

「仕方なく行ってるけど、本当は学校に行きたい。でも…行けないんだよ…」

と大粒の涙をぽろぽろと流したそうです。

お母さんはタロウ君を抱きしめて「大丈夫。教えてくれてありがとう。本当は学校に行きたいっていうタロウの気持ちを知れてよかった」と言い、その日はお仕事を休まれ、タロウ君と1日過ごされました。

『こんなにもひとりで悩ませてしまっていたのか、と後悔しました。』

とお母さんは後にこの時のことを振り返ってお話されていました。

 

不登校から母子登校へ

実はこのご家庭は母子家庭。近所にご実家があり、タロウ君が適応教室に行かない日はおばあちゃんが家にきてお昼ご飯を作りにきてくれます。

おばあちゃんとタロウ君の関係は良好で、いつもテレビを観ながら一緒にご飯を食べていました。

しかし、「最近腰が痛くて…」と訴えるようになったおばあちゃんをタロウ君は心配し、「ぼくのためにおひるを作ってもらうのはよくないのかも」と思い始めていたそうです。

「あそこは僕の居場所じゃない」

という話が出てから数日後、お母さんとタロウ君は作戦会議を開きました。そこで出た結論は、

「いきなり朝から最後までひとりで学校に行くのはしんどい。だから、週に2回の適応教室をやめて週に2回の母子登校からはじめよう」というものでした。

「お母さんが一緒なら、大丈夫かも」と言うタロウ君の様子を見て、お母さんはタロウ君が不安と向き合いながら前を向こうとしている様子が嬉しかったとお話してくださいました。

 

そしてはじまった母子登校。

「週に2回、1日2時間だけ」と決めて、タロウ君はお母さんと一緒に学校に行きます。

授業に参加するのはまだ早いということで、お母さんは学校と相談して別室を用意してもらい、図書室で借りた本を一緒に読んだり先生にもらったプリントを一緒に解くようにして過ごされました。

『この調子で学校に居る時間や通う日が増えていけばいいな。いつか授業も受けてほしい』とお母さんは考えていたそうです。

しかし実際はここから、お母さんの思うようにスムーズにはいきませんでした。

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今回はこのへんで終わりにしたいと思います。続きはまた次回の記事にて書かせていただきますので、よろしければ続きもご覧いただけると嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

親まなびアドバイザー まいどん先生

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