「ペアレンツキャンプって実際どうなんですか?」
ブログをお読みいただきありがとうございます。
今回は、ペアレンツキャンプで10年間家庭教育アドバイザーとして働き、のれん分けで独立したまいどん先生こと山下が、よく知っているペアレンツキャンプについて記事を書いてみたいと思います。
色々支援機関がありますが…
ペアレンツキャンプは、2009年に水野達朗先生(現在:大東市教育委員会教育長)が設立した不登校復学および家庭教育の支援機関です。
今は様々な不登校復学の支援機関が増えてきていますが、その中でもペアレンツキャンプは古くからある支援機関といえます。
水野先生は、過去に文科省の家庭教育支援のあり方に関する検討委員などを歴任されてこられていますし、現代表の佐藤博先生も、文科省の不登校に関する調査研究協力者会議に参加されてきています。
👇文科省の有識者会議にてペアレンツキャンプが発表したのはこちら
資料2-3-2 不登校に関する調査研究協力者会議報告書(案)別添資料 (PDF:5.2MB)
ペアレンツキャンプは、過去・現在においてどちらの代表も文科省の委員などを歴任されてきているというのが他の支援機関と比べて特徴的かなと思います。
そんなペアレンツキャンプについて、MIKURU・MIRUにご相談いただいた方からよくこんなことを聞かれたり言われたりします。
「ペアレンツキャンプの支援って、信頼できるんですかね…」
というもの。なかなかストレートな質問だな…と思いつつ、これはわたしにしか話せないことでもあるよなぁ…と思います。笑
でも、そこから独立しているわたしだからこそ聞きたい…ということなのかなと思っています。
ペアレンツキャンプの特徴
ペアレンツキャンプの支援の特徴としては、
・PCMという独自のメソッドがある
・復学支援をしているけれども、メインは家庭教育支援である ・「学校に戻ればいい」「学校以外の選択肢は認めない」「学校に戻れないと将来社会に適応できませんよ」のような復学至上主義ではない ・不登校という出来事をひとつきっかけに、親御さんに親子の関わりの在り方について一緒に見つめ直したり、アドバイスをする ・全国対応可能な訪問カウンセリングで、子どもへのケアが手厚い といったところです。 |
・PCMという独自のメソッドがある
PCMというのは、ペアレンツキャンプメソッドといって、親子の関わりにおいて子どもの自立心を育みやすい考え方やかかわり方を14の柱で提示したものです。
『PCMをまなぼう』という電子書籍があるので、よければ読んでみてください。(Amazon kindleに加入されている方は無料で読めますよ)
もちろん親子会話というものは、すべてがメソッド通りになるわけではないので、これを全部実践すれば復学できるわけでも、親子の関わりが絶対よくなるわけでもありません。
PCMが全てではないのですが、ひとつ『子育てにおいてなにを大事にすべきか』と悩んだ時に立ち返りやすい、いわば灯台のようなものです。
ペアレンツキャンプのカウンセラーやアドバイザーは、このPCMの考え方を軸に、その家庭に合うかかわり方を一緒に考えて提案しています。
・復学支援をしているけれども、メインは家庭教育支援である
復学支援の中には、『短期間で絶対に復学させます』みたいな機関もあります。
私立の学校に通っていて、「あと何日欠席したら上の学年に上がれなくなります」と言われてしまうような切羽詰まった状況のご家庭もよくお見かけするのですが、そうなると頼りたくなるのがこういった短期間支援です。
しかし、独立後も含めて11年以上、不登校児童とご家庭を見てきた身からすると、短期間復学を目指す支援を受けて失敗した事例を聞く限りでは、かなりリスクのあることをされていることが多いなと感じています。
例えば、
・子どもにはメディア類を一切使わせない。どんなに反発があっても全部親が回収する。
・wi-fiも全部切る。動画もテレビも観させない。
・一時的に親が子どもに一切関心を持っていないようにふるまうような指導がある。
・コーチングという名目で、実際は脅しのような関わりをしていることがある。
・十分な分析をせずに介入した結果、余計に子どもが精神的に不安定になることがある。
…のようなお話もよく耳にします。
逆にこのような支援が良かったというご家庭もあるので、短期間復学を目指す支援だから良い・悪いということが言いたいのではなく、
「本当にその家庭の保護者と子どものことを考えて支援をされているのかな?」
と心配になる機関やカウンセラーさんがいるということです。こればかりは相性だとは思うのですが、結果ねずみ講のようなものに誘われて、復学すらも出来ないままお金を巻き上げられた…なんていう話も聞くので、不登校が増えた昨今、そういう「ビジネス」的なところが増えているのは仕方がないのかもと思いつつも、そういう話を聞きながら悲しくなってしまいます。
話はだいぶ逸れてしまいましたが、ペアレンツキャンプは復学支援を行う支援機関ではあるものの、『家庭教育』を最も大切にしています。
例え学校に行けたとしても、家庭内での関わりがうまくいっていなければ(親が脅して子どもに学校に行かせたり、親が子どもの召使い状態になったり、家で子どもが一切口をきかない など)意味がないと考えます。
そのことから、ペアレンツキャンプは親子の笑顔のためにという言葉を大事に支援をしています。
・「学校に戻ればいい」「学校以外の選択肢は認めない」「学校に戻れないと将来社会に適応できませんよ」のような復学至上主義ではない
教育機会確保法が出来る前からそうでしたが、ペアレンツキャンプは学校戻し屋さんではありません。
とにかく学校に行けたらいい。復学しか勝たん。みたいな考えではありません。
学校以外の選択肢もあると考えられる昨今、どうしてもお子さんのうまれもっての気質や、子どもを取り巻く環境をふまえると、むしろ学校ではない環境のほうが伸びる可能性のお子さんもいます。
そういったケースも無理やり学校に押し込んだらいいとは考えません。
ペアレンツキャンプがお子さんの不登校に対して何を一番に課題視しているか。それは、
不登校になったことで子どもが変わってしまう
ということなんです。
小学校時代、とても優秀で、模範的な生徒と呼ばれるような子だったのに、中学生になり、色んな理由で学校に行けなくなってしまった。
学校をお休みする日が増えていけばいくほど、
・「俺なんてしねばいい。生きている価値がない」と言い出す
・おうちの中ですらちょっとなにかうまくいかないことがあるとパニックになる(お茶椀を落として割れたらどうしたらいいかわからずパニックになる など) ・親に威圧的・高圧的な態度をとる以外のコミュニケーションが取れなくなってしまい、母親がおびえてうまく会話ができなくなる ・両親のいずれかが子どもの様子を見て向き合うことを諦めてしまう。その結果、おうちの中で「いない子」のような存在になってしまう ・本人には大学進学のゆめがあったのに、勉強がどんどんわからなくなって自信を失い、家でもふさぎ込みがちになる ・自室から出てこなくなる |
…など、不登校になったのが問題なのではなく、本当は学校に行きたいのに行けなくなったことで、子ども自身が自分に自信を持てなくなったり、自暴自棄になったり、赤ちゃんのような振る舞いになってしまうということを課題視しています。
感受性豊かな時期に、そのような状態で、何年も自分を責めるような毎日を送ったらどうなってしまうでしょうか。
子どもがせっかくこの世に産まれ、これから将来自分らしく輝いていくために様々な経験が出来る時期に、そんな風に自分を信じられなくなったら。生きることが辛くなったら。
そういったことを課題視しています。
・不登校という出来事をひとつきっかけに、親御さんに親子の関わりの在り方について一緒に見つめ直したり、アドバイスをする
上記のようなことを課題視しながら、ペアレンツキャンプの先生方は、PCMをベースにしっかりと保護者に学びの提供をしています。
・全国対応可能な訪問カウンセリングで、子どもへのケアが手厚い
学校に行きたい。でも行けない。
そんな風に悩まれているケースは多いです。もちろんそういったお子さんへの支援は、ご家庭への様々な負担を考えれば行政支援で対応してもらうのが一番です。
しかしなかなかそうもいかないのが現実でもあるので、ペアレンツキャンプ内でしっかりと研修を受けた、子どもに近い年齢のお兄さん・お姉さんがお子さんのサポートをします。
特に子どもと仲良くなるためのツールとして、今の小中学生の流行を徹底研究されているのが特徴です。
私も、ペアレンツキャンプの訪問カウンセラーとして活動している時、あまりにも覚えることが多すぎて(子ども達の遊びを)常にパンク状態でしたし、
「時間がもったいない!」
…ということで、新幹線の中で先輩に遊戯王カードでうまく遊ぶためにはどうすればいいか…みたいな研修をよく受けました。
(周りからは、いい大人が新幹線のなかでカードゲームしてる…と白い目で見られましたが、本人たちはいたって真剣です)
また、不登校になったご家庭の多くは、「学校と関係がこじれてしまった」というケースも多いです。
なかには、「担任や教頭に心無い言葉を言われて、それ以来学校を頼りたいと思えなくなった」と仰る方もいます。
ペアレンツキャンプでは、お子さんが学校に戻りたいという意志があり、復学をサポートする際、「学校訪問」といって、保護者と一緒にカウンセラーも同席して、お子さんが学校に戻りたいと言って戻る準備をしているということを説明に伺います。
学校側も、文科省で委員をしたり、有識者会議に参加したカウンセラーであるということもあって、お話を聞く耳を持ってくださることも多いです。
実際間に入って話をしてみると誤解があった…ということも多いので、カウンセラーが間に入ることで学校と家庭が連携を取りやすくなるのも特徴的です。
最後に
対象は小学校低学年~中学3年生までと幅広く、先生方も個性豊かなメンバーがそろっていますので、ぜひ「ちょっと相談してみようかな」と思われた方は一度問い合わせてみてください。
ちなみに私のペアレンツキャンプでの思い出は、
・あまりにもみんなが多忙すぎてテンションがおかしくなって定期的に行われる早食い競争
・先輩が後輩に支援のレクチャーをしていると、必ず誰かが「支援者になってよかった」と泣き出す
・ご家庭の卒業時、みんなでよかった。と喜びを分かち合う瞬間
です。(最近は早食い競争はもうしていないのかなぁ…。)
それでは、今回はこのへんで終わりたいとおもいます。
また次回のブログにてお会いしましょう 🙂
親まなびアドバイザー まいどん先生
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