子どもの行動の「背景」を考えよう

子どもが悪いことをした!叱る前になぜそうしたのかを考えよう!

子どもが親に暴言を吐いたり、物に当たって壊したり、妹や弟に意地悪をしたり、嘘をついたり隠す…お子さんのこのような行動に悩まれている親御さんはいらっしゃいませんか?

今回は、子どもの行動には必ず『背景がある』ということについて解説をしていきたいと思います。

 

子どもの行動には必ず理由がある

親御さんとのカウンセリングの場では、親御さんが「子どもがこんなことをした」というお話をうかがったら必ずその前後のやりとりもお伺いしています。

そうすると、「なぜこの子はこの行動を取ったのか」が分かります。

 

例えば、小学3年生の子どもがお母さんに「クソババア!」と言ったとします。

これだけを「切り取って」みると、「なんでそんなひどい言葉を吐くんだろう」「この子は攻撃的だわ」という捉え方をされる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この出来事の前にこんなことがあったとすればどうでしょうか。

 

大好きな友達が転校することになり、今日はその子とおわかれの日だった。

学校でおわかれをして、とても悲しい気持ちで帰宅。

なかなか宿題をする気持ちにもなれず、手洗いもうがいもせず、ソファーに寝そべった。

するとそこにお母さんがやってきて「なにやってるのよ!手洗いうがいしてきなさい!」と怒鳴った。

僕はそんな気持ちになれず、「うーん」だけ返事をした。

お母さんは1分ごとに「なにやってるの!」「コロナになったらどうするの!」「はやくしなさい」と声をかけてきた。

僕は「だって…」と友達のことを言おうとしたけど、お母さんは「だって、じゃない!早くしなさい!」と怒る。

仕方なく僕はようやく手洗いうがいをしにいったけど、やっぱり悲しい気持ちがこみあげてきて再びソファーに転がった。

今度はお母さんが「いつ宿題やるの?」と5分おきに声をかけてきて、最後は「あんたってなんでそんなだらしないの?早くしなさいよ!そんなんだからこの前のテストでも80点取ってきちゃうんでしょ!」と言って、僕はついにキレた。

 

…そして「クソババア」という言葉が出た…とすれば、

・子どもは悲しい気持ちになっていて少しボーっとする時間がほしかった

・友だちのことを話したい気持ちがあったのにさえぎられて話せなかった

・お母さんに声をかけられ過ぎて悲しい気持ちの整理をする状況にならなかった

ということがいえるかもしれません。

 

これはあくまでも創作した物語ですが、もしかしたら、子どもの行動の前には、実はこのようなストーリーがあったのかもしれません。

 

決めつけでいきなり叱らないようにしましょう

このように、子どもの行動には必ずそうなった経緯・背景があります。

そのことを意識せずにしつけだけを一生懸命してしまうと、親子関係に溝が出来てしまうことがあります。

 

例えば上記のようなストーリーの後に、こんなことがあったとすればどうでしょうか。

僕は「クソババア!」と言ってしまった。

ちょうどその時、お父さんが帰ってきた。

僕がお母さんに「クソババア」と言っていたのを聞いていて、僕の頭をたたいて「おい!お前いまなんて言った!」と怒鳴りつけた。

僕が「だってお母さんが僕をだらしないって言うから!」と言ったら、「それは事実だろ。なんでも後回しにしてるからだろ!どうせ今日だって後でいいやとか、宿題やらないでおこうとか思ってたんじゃないのか?」と決めつけて言われた。

僕だって、いつもじゃないけど、帰ってきてすぐ宿題する日だってあるのに。

僕はいつだって、お父さんとお母さんから見れば「だらしない」やつなんだ。

お父さんがいきなり怒鳴りつけ、言い分を一切聞かない。

過去のことをふまえて「どうせこうだったんだろ?」と決めつけで物を言ってしまう。

このような対応を続けてしまうと、子どもは親への反抗心が強くなるか、どんどん自分に自信を持てなくなってしまうかもしれません。

 

ゴーレム効果とピグマリオン効果

「ゴーレム効果」「ピグマリオン効果」という効果があります。これは教育心理学者のローゼンタールが提唱したもので、

 

・「周囲・他者から期待されないことで成績や成果などの結果が低下する現象」がゴーレム効果

・「周囲・他者から期待されることで成績や成果などの結果が良くなる現象」がピグマリオン効果です。

 

ゴーレムの由来は泥形(ゴーレム)からきており、ゴーレムは額に文字が書かれると、主人の意思の通りに行動します。

しかし、額の文字を消すと泥にもどります。

このことから、相手からのネガティブな言葉や態度によって自信を失い、本来の力を発揮できなくなってしまうことを表すのがゴーレム効果です。

 

ピグマリオン効果で有名なのは、ある教師が「あの子は天才だ」と事前の情報共有の時に言われて指導に当たった後、その「天才だ」と言われた子の成績がぐんとあがったというお話があります。

実際はテストの結果などは関係なくランダムに選んだ子を「天才」と言っただけなのに、教師が期待をかけて指導をしたことでその子の本来の力が発揮できたというお話です。

 

子どもの行動の背景をみずに決めつけて怒鳴ったりネガティブなレッテル貼りをしてしまうのは、ゴーレム効果を発動させてしまうのと同じといえます。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

「子どもが行動するのには必ず理由や背景がある」ということを頭の中にいれておくことで、子どもの視点に立って考える癖がつきます。

そうすることで共感力は高まりますし、親子の関係性がよりよくなっていくでしょう。

探偵・研究者の感覚で、観察したり仮説を立てたりしてみてくださいね(*^_^*)

この記事の内容がどなたかのお役に立てれば幸いです。

それでは、また次回ブログ記事にてお会いしましょう!

 

親まなびアドバイザー まいどん先生

 

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