「良い子」は果たして本当に良い状態と言えるのか?

「良い子」って誰がどう決めるの?よいことなの?

子育てが「上手くいっている」と「上手くいっていない」はどこで判断するのでしょうか?

子どもが学校に行っていれば上手くいっているのか?

子どもが親に反発しなければ上手くいっているのか?

親の言うことをよく聞く子だったら子育てが上手くいっているのか?

 

今回は、「良い子」でいることの危険性について記事を書いていこうかとおもいます。

 

「良い子」ってどういう状態のことを言う?

一言で「良い子」と言っても、人によって思い浮かぶ子どもの図はきっと様々だと思います。

 

・挨拶ができる子

・相手を思いやれる子

・生き物を大切にできる子

・ユーモアで人を笑顔にできる子

・親に反発をせず親の言うことをきける子

 

あなたは、「良い子」と言われてどんな様子を思い浮かべましたか?

もしその様子が「親に反発をせず親の言うことをきける子」であった場合は注意が必要です。

 

なぜなら、「親に反発をせず親の言うことをきける子」を「良い子」とするケースでは、「条件付けの愛情になっている」ことがあるからです。

 

「親に反発をせず親の言うことをきける子」はどういう過程を経てそうなるのか

私がご相談をいただくケースの中で高学年以上のお子さんの不登校のお悩みの中で、お子さんが「思春期に突入してから突然変異した」ということは珍しくありません。

 

子どもにとって親は「絶対的な存在」であり、子どもは「親の庇護がないと生きていけない」状態にあります。

「見放されてしまうと生きていけないという脅威」でもあるということがいえます。

 

そして子どもには、「親にはいつだって好かれていたい」という思いがあるのですが、たとえ自分の気持ちを押し殺してでも、親に振り向かれたいという思いを持っていることがあります。

これは生まれもっての気質なども関係していますが、このような思いを持つのはどちらかといえば神経質傾向のお子さんに多いです。

一番恐れているのは「親に嫌われること」であり、嫌われたくないのですぐに「ごめんなさい」と謝ったり、お母さんが不機嫌になっていれば必死にご機嫌を取ろうとします。

たとえ自分は悪くなくても、謝ることで親に「良い子」のレッテルを貼ったままにしてもらえたり、親の不機嫌が自分のせいではなくても、その不機嫌さから自分のことまで嫌ってしまうのではないかという恐怖を持ち必死にお母さんのご機嫌を取ろうとしたり、何もしていないのに不機嫌なお母さんに「ごめんなさい」と言ってしまうこともあります。

 

相手がなぜ不機嫌なのかを考えるのではなく、とにかく「嫌われたくない」から謝ります。

親のご機嫌を常に気にし続けたり、親からの「良い子」のレッテル貼りがなくならないようにしていると、気が付けば「自分の気持ちが素直に言えなくなる」状態に陥ることも…。

 

ですので、例えば

親が過干渉をする→子どもは従う→「良い子」ということが成立する という親子の関係性であった場合は、

親が過干渉をする→子どもは従わない→「悪い子」ということが成立する ということがいえます。

親の言う通りにしなければ、従わなければ「良い子」は成立しなくなってまうから、親に指示をされたら「わかった」と素直に行動する…という場合もあります。

 

親から「良い子」というレッテル貼りや評価をしてもらうことが日常化していて、子どもにとっては親の評価が「脅威」になってしまっていて、そして親からの「良い子」という評価がないと生きていけなくなり、親への強い依存心につながるということもあります。

このようなお子さんの場合、いきなり自分で考えて行動するということは、自分の家庭の中での「親にとっての良い子」としての役割を果たせるかどうかがわからず怖いことでもあります。

なぜならこれまでは親の言う通りに行動してきたからであり、自分が考えて行動することで「拒否される」ことが怖いからです。そしてどんどん自信が無くなってしまいます。

この精神状態で毎日を過ごすのは、少し辛いですよね。

 

ストロークを与え続けよう

そして子どもは、たとえ親が自分を肯定してくれなかったとしても、無視されるよりはマシということで悪いことをしてでも親を振り向かせようとします。

これは男の子が好きな女の子をいじめてしまうのと同じで、「無視されるよりはいじわるをしてでも反応してもらいたい」心理です。

わざと物を壊したり、癇癪を起したり、暴れてしまうケースの原因は、「ストローク」不足であることが多いです。

 

「ストローク」とは、交流分析というカウンセリング理論で使われる用語です。

注目やストロークは心の栄養のようなもので、プラスのストローク、マイナスのストローク、ディスカウントの3つに分類することができます。

プラスのストロークとは、相槌・笑顔・見つめ合う・肯定する・挨拶をする などを指します。

マイナスのストロークとは、叱る・注意する・反対する などを指します。

ディスカウントとは、無視・無関心・皮肉・陰口・暴力・虐待 などを指します。

プラスのストロークだけがあるからよい、というわけではなく、育てにおいては時に叱ることでしつけをしていかなくてはならない場があるためマイナスのストロークも重要です。

プラスとマイナスのストロークどちらもがその子によってバランスよく注がれているのが理想的です。

 

そして問題なのはディスカウントです。

神経質傾向にあるお子さんの中で、特に良い子を演じやすいケースでは、親からのディスカウントを恐れているということです。

本当はプラスのストロークがほしいけれど、無関心な親御さんの場合、それだったら無視されるよりは、マイナスのストロークを得ようとわざと人を困らせてしまう行動をとる…ということです。

私たち大人は子どもが親の思う通りにならない時に、ついついディスカウントをしてしまいがちですが、そうではなく、向き合ってあげるということでストロークを与え続ける必要があります。

 

良い子だった子が急にキレるにはわけがある

最初に、高学年以上のお子さんの不登校のお悩みの中で、お子さんが「思春期に突入してから突然変異した」ということを書かせていただきました。

ここまで「良い子」であろうとする意味や「ストローク」について解説をしましたが、ストローク飢餓の状態であったり、「良い子」であろうとして無理があったり、思春期に突入したことで「自分とは」を見つめるようになった結果、「親の言いなりになりたくない」という強い反発心が生まれてしまう場合があります。

 

これが、「突然変異」の理由です。

 

「高学年になって急に攻撃的になった」

「高学年になって急に親の言うことを聞かなくなった」

「これまでずっと皆勤賞だったのに、高学年になって突然不登校になった」

…という場合、必ずしもすべてのケースがとは言えませんが、一部のケースでは上記にあるようなことが原因であるご家庭を私は沢山みてきました。

今は表面上はおとなしくおりこうさんで「良い子」であっても、もし子どもの気持ちを尊重しなかったり、子どもの考えを全く聞こうとしなかったり、心が通い合わないまま過干渉をしている場合は思春期に突入したあたりに親の子への関わりが難しくなることがあります。

 

こういったことから、私は親が子への過干渉や過保護を控え、子どもに「考えさせる」ことや、親が子の話を「聴く」ということが大切であり、それが問題行動などの予防になると考えています。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

もしかすると、このブログを読んでいただいている方の中で「私はAC(アダルトチルドレン)」という方がいらっしゃるかもしれません。

その場合はこの文章を読むのはかなり苦痛であったのではないかと思います。最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

 

学生の頃は問題が表出しなくても、社会に出たときに、周りからの期待に過度に答えようとして鬱になってしまったり、会社を転々としてしまうという若者も増えてきています。

もちろん働く以上はある一定の結果を出すということが大事ではあるものの、「人の期待に応えなくてもいい」という感覚を持っているかどうかは社会で生きていく上で重要視すべきだと私は思います。

「自分の成長のために行動する」ことができ、「人の期待に応えなくても自分は拒否されない」という感覚を持てている人は強いです。

自分に自信があり、いつも堂々としていられます。

嫌いなものを嫌いと言うこともできるし、相手を思いやった上で自分の想いを主張することができます。

そのようなことができるには、まず家庭から。

親は子どもとの関わりを通じて、子どもに「親には拒否や否定されないという安心感」「心理的な心の成長」「安らぎ」を与えていきましょう。

 

そのためには、親の言うことが聞ける子が「良い子」ではないという捉え方と、子どもを受容共感的に受け止めてあげるということを意識してみてくださいね。

それでは、また次回ブログでお会いしましょう!ありがとうございました(*^_^*)

 

親まなびアドバイザー まいどん先生

 

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