Bio-Psycho-Socialモデル(生物・心理・社会モデル:BPSモデル)を知っていますか?
色んな観点で問題や現象を理解しよう
今回は、生物・心理・社会モデルの考え方について記事を書いてみようかと思います。
昨今、心に関する悩みは心理面の観点のみ、身体不調の訴えは生物学的観点のみ、働きすぎは職場の環境調整のみ、という一面だけのアプローチではなく、生物・心理・社会それぞれの観点から問題や現象を理解しようという考えが主流になっています。
・生物学的観点→神経伝達物質(セロトニンなど)の伝達異常
・心理学的観点→否定的な方向への認知のバイアス
・社会学的観点→ストレスフルな生活環境、対人関係
BPSモデルでは、このような観点で、問題や現象を理解することが求められます。
例えば「仕事に行く前に頭痛が酷くて悩んでいる」場合、生物学的観点は「睡眠リズムの調整をする働きをするメラトニンが不足している」心理学的観点は「自分は仕事に向いていないと感じている」社会学的観点は「上司がミスに厳しく残業が多い」というふうに捉えることができるかもしれません。
しかし、このように細かく理解しようとせず、単に「頭痛が酷いな」と毎日市販の鎮痛剤を飲んだところで、状況は改善しません。
単に症状だけに目を向けても、いたちごっこのようになってしまうことも多く、様々な視点から問題や現象を捉えて対処していくことが大切です。
子どもが朝起きられない・すぐキレるという悩みはどう見るか
例えば、子どもが『朝すっきり起きられないあるいは起き上がれない。疲れやすい。集中できない。イライラする。めまいがする。手足が冷たい。手がふるえる時がある。甘いものをよく口にする。うつっぽくなる。急に泣き出す』という症状が出ていたとします。
症状だけ聞くと心の病気かな?起立性調節障害かな?とも思いますが、先ほどの考え方をしてみますと、そうでない可能性も考えられるかもしれません。
BPSモデルで考えてみますと、
・生物学的観点→成長期に伴うホルモンバランスの乱れ
・心理学的観点→自分に自信が持てない(否定的な方向への認知のバイアス)
・社会学的観点→部活が厳しい。親友と喧嘩してしまった、親子関係の不和(ストレスフルな生活環境、対人関係)
…のような捉えかたもできなくはありません。
様々な視点を持っていれば、「怠け」「心が弱い」「身体が弱い」「環境が悪い」というひとつの側面だけではなく物事を見れるので、様々な方面にアプローチもできるのではないかと思います。
実際に、「子どもは起立性調節障がいだと思う」「過敏性腸症候群だと思う」という相談をいただくこともあるのですが、土日祝を含めて日常的にそのような症状が出ているかというとそうではない場合もあり、単に身体的な問題とも考えられませんし、単純に「心の弱さ」だけに焦点をあてるのは無理がでてきます。
そのため、身体症状を訴えてくるお子さんのケースでは、様々な視点から「なぜ体調不良を訴えるのか」を検討してアドバイスをしております。
食生活を見直すことで状況が改善したケースも
上記のほかに、食生活を疑って変えてみた結果、状況が改善したケースもあります。
たとえば、低血糖や血糖値スパイクなどです。
おやつやエナジードリンクなどを沢山摂取しがちな子が精神的に不安定になってしまった というケースもよく見かけます。
具体的には、寝る前の糖質、砂糖の過剰摂取による血糖値爆上げ→睡眠時に血糖値急降下→朝ぐったりして起きる→朝起きたくても起きられない。
エナジードリンクなどのカフェインや、清涼飲料水や砂糖、パンなどの糖質を大量にとっている子はイライラしていたり、精神的に不安定なことが多いです。(食物繊維摂取の少なさも関係している場合がありました。)
低血糖状態になると睡眠時に副交感神経が優位にならず交感神経が優位になり、悪夢、睡眠の質低下の原因にもなるので、単に生活リズムを整えるだけでは負のスパイラルからは抜け出しにくかったりします。
何をやってもダメだったというケースでは、生活リズムを整えようと促したり強制する前に、食生活の見直しを取り入れてみるのもひとつかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
お子さんが「すぐキレる」「不安定」「学校に行こうとすると体調を崩す」「朝起きられない」などで悩まれているケースでは、つい本人の精神面を真っ先に何とかしなければと考えがちです。
しかし、違った側面から見てみますと、対処の仕方や見方が変わってくる場合があります。
大事なことは、正しい分析です。誤った見立てで関わってしまうと、状況が悪化してしまうこともあるので気をつけたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
また次回のブログにてお会いしましょう!
親まなびアドバイザー まいどん先生
👇応援よろしくお願いします!!
にほんブログ村
👇Instagramはこちら
👇LINEでかんたん相談
👇公式LINEはこちら