親子会話で矛盾のメッセージが多いと子どもが精神的に不安定になる?!
おかげさまでスタエフやブログやYouTube(最近アップ出来ていませんが…)を観てくださった方から「勉強になった」「こういう話も聴いてみたい」「こういう記事を読みたい」など沢山お声がけいただいております。本当にありがとうございます♪
支援が必要という方には引き続きペアレンツキャンプでの経験をふまえ家庭教育のご支援を差し上げますし、「家庭教育を学んでみたい」という方にはスタエフやブログ等で情報発信をしていきたいと思っております(*^_^*)
さて、今回はダブルバインドについて解説をしていきたいと思います。
親からの発信に『矛盾』が含まれていませんか
「褒める子育て」
「叱らない子育て」
誰しも一度は耳にしたことがあるフレーズではないかと思います。
確かに褒めてあげることは子どもにとってプラスの効果を生み出すことも多いですが、『矛盾』があるとせっかく褒めているのに逆効果ということがあります。
例えば、親が子どもに
…このような一つの発信に2つの異なる情報が込められたメッセージを毎日送り続けると、どうなるでしょうか。
・相手の発言の「裏言葉」を読むようになる。褒められても素直に受け取れなかったり、「裏があるはず」と人を疑いがち
・人の感情に振り回されやすくなったり、感情的になりやすくなる
・冗談と嘘の区別がつけられなくなる
…ということが起こるかもしれません。
👇音声配信でも今回のテーマの「ダブルバインド」についてお話してますので、合わせて聞いてみてくださいね♪
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ダブルバインド
このような、2つの矛盾したメッセージが含まれるようなやりとりのことを「ダブルバインド」とよびます。
「矛盾のメッセージ」「二重拘束」とも言われています。
例えば仕事で…
・上司に「なんでもすぐに相談してね」と言われたので相談した→「そんなことくらい自分で考えろ」と言われた
・仕事で失敗した→上司に「なんでもっと早く相談しなかったの!」と言われた
このようなやりとりをされたらどうでしょうか。
「相談してねと言われたのに相談したら怒られた!」
「相談したら怒られたから自分なりにやったら失敗した。そしてもっと早く相談しろって言われた!」
…と混乱しませんか。
親子会話においても、親が矛盾のメッセージを送ることで、子どもを混乱させてしまいやすいです。
そして、ダブルバインドが日常化すると、子どもは「発されている言葉と本心の区別がつかなくなる」と言われています。
ダブルバインドは逆に子どもの能力を高めてくれる要素もあり、矛盾のメッセージに気づいて人との会話の時に何を聴いて・見てやりとりするのかをまなぶこともありますが、必ずしもどのお子さんにでも当てはまるというわけではありません。
できれば、親子会話の中では表情・言葉・行動に一貫性があり一致しているやりとりを積み重ねていったほうが、子どもの情緒・精神面は安定していきやすいです。
精神疾患による症状を「家族のシステム」での改善を図ったベイトソン
心理学者のベイトソンは、「言葉と本心の見分けをつける能力を、その場の空気感と親子の関係性と親からのメッセージを統合することで精神疾患は改善できる」と考え、家族療法を生み出しました。
昔とある「神経症生成の実験」がありました。
ワンちゃんと飼い主を実験室に連れてこさせ、「円と楕円の絵があり、正解を選んだら餌、反対なら罰(電気ショック)」という検査をワンちゃんに受けさせました。
段々と正解を覚えて正解できるようになるものの、検査は次第に難易度あがったり、意地悪な内容になっていきます。
「がんばる、挫折、がんばる、挫折…」ということをくりかえしていくと、急にワンちゃんの様子が変わりました。
とてもおとなしく飼い主との関係性が築けていたワンちゃんでも、飼い主にかみついたり、暴れたり、餌を拒否したり、検査物に体当たりしたり、昏睡状態に陥る という結果になりました。
このことから、ダブルバインド的な状況に身を置くと、短時間でも神経症的な行動や症状があらわれるということが分かりました。
ベイトソンは、「統合失調症の親子のやりとりでもダブルバインドが見られた」ことと、この実験から「親が言葉・雰囲気・表情が一致していないと神経症傾向を持つ子に育ちやすい」ということを言っています。
子どもにとって絶対的な存在である親と子の関係性が崩れるというのはとても怖いもので、「自分が世界から受け入れられていない」というような孤独感を持たせてしまうこともあります。
「褒める子育て」「ひたすら共感する」の落とし穴
よく、「子どもを徹底的に褒めましょう」「子どもにひたすら共感しましょう」ということが言われたりしますが、これは正解でもあり不正解でもあると私は考えています。
というのも、親御さんが心から子どものことを「すごい!」と思っていないまま、表面的に「すごいね」「頑張ってるね」と言っても、表情や雰囲気はそうではないことを物語ってしまうからです。
子どもは親の言葉よりも表情や雰囲気、つまり非言語的コミュニケーションのほうを重視します。
いくら言葉でよい声掛けをしていても、心の中で真逆のことを考えている場合、ダブルバインド的なやりとりを続けてしまうことになります。
ダブルバインド的なやりとりが日常化することで、子どもは親を疑うようになり、親子関係が悪化したり破綻していく…頑張れば頑張るほど状況が悪化してしまうという悲しい結果になってしまうかもしれません。
現に、「ひたすら共感してください」「ひたすら褒めてください」ということを実践したら「余計に子どもの状況が悪化した」と悩まれて私のもとにご相談いただく方もいらっしゃいます。
よくよく話を聴いてみると、お母さんの想いと言葉が一致しておらず、ダブルバインド的なやりとりが続いていたことがわかった…ということもあります。
子どもを愛してあげたいし何でも受け入れてあげたいのに、本心ではひとりの時間がほしい・子どもにまとわりつかれて疲れた…という矛盾を抱え続けたお母さんもまた、メンタルがすぐに不安定になりやすいので注意が必要です。
お母さんの本当の気持ちを心の奥底に隠して気づかないようにしても、本心と真逆の対応を続けると時に感情が爆発して抑えられなくなったり、罪悪感と不安感が増幅してしまうということもあります。
まとめ
今回はダブルバインドについて解説をしました。
お子さんのメンタルが不安定ということでご相談いただくケースでも、支援を受けていただき家庭教育を学び実践していただいた結果とても安定したご家庭は多いです。
安定の理由のひとつは、ダブルバインド的なやりとりを避けたということにあります。
また、親御さんに家庭教育を学んでいただくと同時に、親御さんの中の矛盾に気づいていただいたり、お母さんの過去のことを振り返り心の問題を取り除くお手伝いをすることもあります。
褒めることで子どもの自己肯定感がアップするという場合もありますが、最も重要なのは親の一貫性や言葉や表情などの一致です。
この土台が出来ていない状態でテクニックを積み重ねてみた結果、状況が悪化してしまったというケースは珍しくはありません。
よろしければぜひこの機会に、「わたしのメッセージに矛盾は含まれていないかな?」ということを振り返ってみてくださいね。
それでは、また次回ブログ記事にておあいしましょう!最後までお読みいただきありがとうございました♪
親まなびアドバイザー まいどん先生
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