長期休み後の不登校・母子登校
ブログをお読みいただきありがとうございます!まいどん先生こと山下です。
いよいよ子ども達にとっては待ちに待った冬休みが近づいてきていますね。
みなさんのお子さんの元に、サンタさんは何を届けてくれるでしょうか?何が欲しいのかリサーチし、購入し…世のお父さんお母さん、毎年お疲れ様です 😉
さて、今回は「長期休み後の不登校・母子登校」をテーマに記事を書いてみようかと思います。
不登校や母子登校は長期休み明けに起こりやすい
大人でもそうですが、年末年始のお休みや連休明けって、なんだか気分が上がらない時がありますよね。
「もう1日のんびりしてたい…」
「えっ?明日から仕事?まだそんなの先の話でしょ?」
…と、現実逃避したくなりますよね。
また、学生時代を振り返ってみても、「やっと友達とあえる!」とうれしい気持ちになる時もあれば、「あー、友達に会えるのは嬉しいけど、だるー」と思うこともあれば、「学校なんてなくなれば…」と思うこともあったかと思います。
どの親御さんも、お子さんが長期休み明けに
という気持ちは、まったく理解できないわけではないと思います。
ですが、親の思いとしては「その気持ちはわかる。でも、だからといって休んでいいよとは言えないよなぁ…」ですよね。
「学校に行くの、いやだなぁー」と、言葉にするだけならば親御さんもそこまでドキッとせず、「わかるー」と言えると思います。
ですが、元々長期休み前に学校に行き渋りがあったお子さんや、五月雨登校で不安定だったお子さんが長期休み明け直前に「行きたくない」というと、親御さんの不安はぐっと高くなるものです。
…と、こんなふうに色んなことが頭の中でグルグルしますよね。
できれば愚痴レベルで留めてほしいものの、実際に学校をお休みしたり「ママついてきて…」となったり、長期休み明けは不登校・母子登校は増加しやすいのが実際のところです。
不登校や母子登校の前兆ってあるんですか
よく、「不登校や母子登校の前兆ってあるのでか」というご質問をいただきます。
お子さんそれぞれ性格が異なるので、「こういう様子があれば要注意」とはなかなか言えませんが、支援を受けられた方の過去を振り返ってのお話をまとめますと、こういう回答が多かったです。
・寝る前の「学校が嫌」話が増えた
・日曜日の夜に明らかにテンションが下がる
・宿題に取り掛かるまでに時間がかかり、宿題を終えるのにも時間がかかるようになった
・朝なかなか起きてこなくなった
・やたら「トイレについてきて」など、おうちの中でも母親についてきてほしいと言うようになった
・学校から帰宅してイライラしたり、弟や妹に意地悪することが増えた
・癇癪を起しやすくなった
・スキンシップを求める回数が増えた
・ちょっとしたことで泣くようになった
このような様子があったからといって必ずしも長期休み明けの不登校や母子登校につながるわけではないですが、上記からはネガティブな変化があったケースが多いということがわかります。
もし最近、「あれ?こんなこと言う子だったかな…」と思うようなことがあった場合は、注意深くお子さんの様子を観察されたほうがいい場合があります。
不登校や母子登校初期段階にやりがちなNG対応
また、「不登校や母子登校初期段階でやっちゃいけないことはあるのですか」というご質問もよくいただきます。
支援を受けていただいているケースの多くは、不登校や母子登校が始まって1か月ほど経ってからご相談いただくことが多いのですが、長期化・複雑化しやすい対応としては以下のようなものが多いです。
・子どもがなぜ学校に行きたがらないか十分に聞かずに「行きなさい」と無理に連れて行こうとする
・親は子どもが何に不安を感じているのか決めつけあるいは思い込みで話を進めてしまって、本当行きたくない理由がわからないままになっている
・「学校に行かないなら○○はなしね」と脅して学校に行かせてしまう
・1日調子が良かっただけで「明日からはひとりで行けるよね?」と言って不安を膨らませてしまう
・その日の様子を見て調子がよいと判断した瞬間に「今からひとりで行ったら」と突然提案してしまう
・兄妹と比較して嫌味を言ってしまう
・親が感情をぶつけて1日中嫌味を言ったり責めて子どもを追い詰めてしまう
これも実際に不登校や母子登校が複雑化したご家庭からよく聞くお話です。
親御さんの気持ちを考えればこのような関わりをしてしまうのはよく理解が出来るのですが、子ども側の視点に立った時、どうしてもこれでは「明日(今日)から頑張ろう」とはなかなかなりにくいといえるでしょう。
どのように向き合うのがベターか
不登校や母子登校については、『まずは予防。実際になり始めたら初期対応で複雑化させない。進行・複雑化していったら方向性を定める。』ということが考えられます。
①予防
不登校や母子登校の前兆については、必ずしも上に書いたような様子が見られたからといってそうなるとは限りません。
しかし、「なんかいつもより元気がないかも」「いつもより甘える頻度が高くなったかも」「最近なんだか弱気なことが多いな」と、違和感があったら、親は子の話をよく聴くことをおすすめします。
話を聴くときには親のアドバイスや意見は挟まず、とにかく「そうか、そう思ってるの」「あなたはそういう気持ちなんだね」と相槌を入れながら話をじっくり聴くことを意識してみてください。
親の意見が入って会話の主導権を奪ってしまうと、子どもが話をしながら自分の気持ちを整理したり「こういうことを考えてたんだ」と再確認することが出来ずに、話はしたけど言いたいことが十分に言えずにモヤっとして終わるという状態になりがちです。
それでは、子どもが今何に悩み、不安に思っているのかがわからないままになり、ひとりで悩みを抱え込ませて、いずれ抱えきれずに不登校や母子登校になることがあります。
②初期対応
不登校や母子登校がはじまった時、上に書いたような関わりは避けましょう。
子ども達は、「本当はひとりで学校に行った方がいいことをわかっている」「本当は学校に行った方がいいと考えている」「学校以外の場所に所属したりしながら学びや成長をしたいと考えている」ことが多いです。
その前提がないと、つい「甘えでしょ」「怠けなんでしょ」という決めつけで話が進んでしまって、ただただ「学校に行きなさい」「なんで学校に行かないの」しか言えずに、子どもに寄り添うことが出来なくなってしまいます。
学校が怖い。行きたくないと感じるきっかけはお子さんによって様々です。
いじめ、人間関係、勉強、自立の問題、発達の課題、情緒のコントロール、こだわりの強さ、視野の広さ、感受性の豊かさ、勉強が出来過ぎてしまう、学校環境そのものが合わない…
など、挙げだしたらキリがありません。
例えばその子の課題が自立なのであれば親の関わりを変えて成長を促すのが最善策になり、視野や感受性が豊かであることが原因であれば環境を整えることが最善策になり、勉強が出来過ぎてしまうギフテッドの子であれば転校などが最善策になります。
一人ひとり、答えは違うので、いきなり初手で話を聴かずに「行きなさい」はやめたほうがいいでしょう。
また、環境をコロコロ変えるのもあまりお勧めしません。
よく、「学校を休ませ、ゲームや動画は自由に。おやつや料理も好きに。昼夜逆転でもいい。そのうちエネルギーが溜まれば学校に行くはず」という話を耳にします。
確かにそういうケースもあるのですが、一度その環境にした場合、数週間で状況が好転するかというとそうではないケースが多いと支援者の肌感覚で感じています。
「ゆっくりさせてエネルギーをためさせようとしたけれど、状況が一向によくならないから、真逆のことをして厳しくしてみた」
ということもよく耳にしますが、短期間のうちに親がコロコロ意見を変えたり、環境が変わると子どもは混乱します。
むしろ急な環境変化は「罰のように感じさせてしまう」こともあり、ますます「僕・私なんてどうせ学校に行ってないからだめなんだ…」と感じさせかねません。
③方向性
②と内容は被りますが、対応やどうかかわるかがコロコロ変わるのは避けたほうがよいです。
不登校や母子登校が長期化・複雑化しやすいご家庭は、対応や方向性がコロコロ変わることが多いです。
半年前は「学校は無理しなくていいと思っていた」けれど、2か月経っても動き出さないから「ちょっとは行ったら」と促すようにした。
それでも変化が見られないからゲームを取り上げた。そうすると暴れだしたから再び「学校はむりしなくていい」と言った。
次第にわがままが目立ち、自由にさせ過ぎたかもと思い、ゲームの制限をした。
結果、親子関係が悪化し、子どもは親に口を聞かなくなり、部屋に引きこもるようになった。
…とこのように、コロコロと親の関わりが変わると、子どももまた、「今度はなんだよ。手を変えたり脅したりしたって、学校なんて行かないから!」と頑なになってしまいがちです。
大事なのは一貫性で、「今は休むのもひとつ。でも、親としてはあなたにとって学校に行くのが最も大切なことだと思っている」「学校はむりしなくていい。でも、いずれ学校以外の所属場所は決めてほしい」など、一貫して同じことを伝えていったほうが子どもは混乱しません。
ただ、そんなことを言っても、「親がはじめからそんなこと決められない。親だって悩み苦しみ色々な情報を得ながらどうするか考えてる!」と思われる方は多いと思います。
それでも、子どもに対しては極力コロコロと意見を変えないほうがこじれないケースが多いことから、一貫性を意識することをおすすめします。
親が悩むのは当然ですし、それは否定しませんし、むしろどうすればいいのかをご夫婦でじっくり相談して決めていく必要はあります。
しかし、子どもに対して「今親はこう考えています」と都度言わないようにして、絶対にブレない意見のみ伝えていくということが大事です。
親の考えそのものが変わることは当然あるものの、まだ検討段階なのに「こう考えてるからね」と言ってしまうと、数週間に言っていたことと真逆のことを言っていたり、一貫性がないことで子どももどうしたらいいかがわからなくなってしまうからです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
長期化休み後は大人でも「あともう1日休みたいな」「行きたくないな」くらいは考えます。
子どもも、「あー、冬休みが終わってしまう。学校なんてなくなっちゃえばいいのに」くらいは考えます。
そう考えること自体は悪いことではなく、また皆さんも「わかるなー」と思えることかと思います。
しかし、実際に休んでしまったり、親御さんが一緒に居てくれないと学校に行けなくなるケースの多くは、前段階からSOSを出していることが多いです。
そのSOSにはなかなか気づけないものです。
人は身近な存在であればあるほど、一緒にいる時間が長ければ長いほど、変化になかなか気づけない生き物だからです。
しかし、普段から予防の観点で子どもの話をじっくり聴いたり、理解してあげることで、たとえ子どもが学校生活においてストレスを感じていても、親子の関わりによってストレスを発散出来たり、頭の中や心のモヤモヤが晴れて学校で頑張れたり、成長ができたりします。
もうすぐ冬休み。
上に書いたような前兆があるご家庭もそうでないご家庭も、ぜひお子さんとの関わりを見直し、よりよい親子関係を築いてみてください 🙂
じっくり話を聴くのは慣れるまでは大変ですが、「この子、こんなこと考えられるんだ」「あ、これ成長だな…」と、目まぐるしく過ぎていく日々で子どもの変化に気づけなかったのが、1日1日を大切にできて子どもとの時間を楽しめるようになるかもしれません。
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それでは、今回はこのへんで終わりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
親まなびアドバイザー まいどん先生
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