「ひとりで学校に行けなくてごめんなさい」の言葉の意味

「ひとりで学校に行けなくてごめんなさい」の言葉の意味

ブログをお読みいただきありがとうございます!

前回のブログは私の心の声がダダ漏れだったのでちょっとドキドキしながら投稿したのですが、支援中の親御さんから

「ブログ読みました~。山下先生でもあんなふうになることがあるんですね」

「私だけじゃないんだ。いっぱいいっぱいになるのって変じゃないんですね」

…と、多くのご感想をいただきました。

産後あるあるで、神経が過敏になることってあるよね~と言っていただいたりしながら、私もまた「ああ、私のこの感じって変じゃないんや」と思えてホッとしました。

私の心の声ダダ漏れシリーズがもっと読みたいというお声もいただいたので、また別の機会に安心して(?)投稿したいと思います。

 

さて、今回は、母子登校(付き添い登校)をされているケースのお子さんがよく言う「ひとりで学校に行けなくてごめんなさい」の言葉の意味について記事を書いてみたいと思います。

 

お母さんの「怒り」に触れた子ども

日々子育てをしていると、イッラ~😡とすることがありますよね。

これはやってほしくないなと思う行動を子どもがした。「なぜそれをしたのか」を冷静に考える前に、「なんでそれをするの?!信じられない!」と、怒りの感情が沸いて、怒った口調で言ってしまう。

日によっては、その瞬間だけネガティブな怒りの気持ちをぶつけるだけではなく、その後も家の中には残り香のように、しばらく『いやな感情』が残り続けることもありますよね。

 

まるで毛穴から感情が漏れ出ているようかのに、親側の怒りの感情が空気にのっておうちの全体いっぱいに満ちていく。

お母さんは怒った後もいつも通りの自分を装うとするものの、明らかに表情が怒っていたり、ドアをきつく閉めたり、動きが乱暴で大きな音を立てたり…。

 

そうすると、子どもは親の顔色やおうちの空気感から感情を読みとろうとしすぎたり、親のネガティブ感情(怒り)に引っ張られて子どももイライラしたり、よけいに親御さんを怒らせてしまうような行動をとってしまうこともあります。

 

クレヨンしんちゃんを例にあげてみる

クレヨンしんちゃんの「ネネちゃんママ」、みなさんご存知でしょうか。(知らなかったらごめんなさい)

私もこれを書きながら、ずいぶん前にアニメや映画で観たっきりなので今の「ネネママ」がどうなのかがわからないなと思っていますが、

ネネちゃんママは、イラッとするとうさぎのぬいぐるみを持ち出してドスドスと殴りますよね。
そんなママを見て、ネネちゃんは『いつものママじゃな~い』と泣くシーンがありますが、あれ、子どもの視点でママを見たらめちゃくちゃ怖くないですか…?

さらにあのウサギのぬいぐるみに向けた怒りが全部ネネちゃんにいってたらと想像すると、『どうしてネネはママの言うこと聞かないのよ!』と怒鳴ったり、『いいからママの言うとおりにしなさい!』とネネちゃんの自分で決めたい気持ちを無視してママの思う行動をさせられる…ということもあるだろうかと思ったりもします。

 

ネネちゃんにとって、普段のママ像は『優しいママ』だけれど、その瞬間は『いつものママじゃない…』。

親が子にネガティブ感情全開にしている間、子どもは反省するよりも、

『目の前の怒っている人は、自分が知ってる、自分がこうあってほしいと思う優しいママじゃない。

はやく元にもどってほしい、いやだ、ママの怒った顔、怒鳴り声、大きな音をたてること、全部はやくやめてほしい…』

こういうことを考えています。

 

そうして、『ここでごめんなさいって言えばママは優しくなるかな…』と考えて「ごめんなさい…」と言います。

これは決して、反省しているからではありません。
お母さんに嫌われたくない、見放されたくない、今のこのしんどい空間から逃れたくて謝っているだけです。

 

さらに妄想をふくらませる

もしも、ネネちゃん親子が母子登校になったらどうでしょう。

普段は優しいママが、ネネちゃんが1人で登校できないことに

『どうしてよ…しんちゃんだって、ボーちゃんだって、風間くんやまさおくんだってひとりで学校に行くのに!どうしてネネだけ…!』とモヤモヤしながらネネちゃんに付き添い登校をする。
たとえ顔はニコニコしていても、この時も、ママの感情は空気感からネネちゃんにも伝わっていく。
そして、ネネちゃんは『ママ、きっとネネにがっかりしてる…』と思う。

学校から帰宅して、ネネちゃんが『ママ…』と声をかけると、ネネちゃんママは『うるさい!ちょっとひとりにして!あっち行ってなさい!』と怒って言ってしまう。
ネネちゃんママは周りの子との比較をしたり、どうしてこんなことになったのだろう、私の育て方のせいなの?という自分のせいにする考えを一日中してヘトヘト。ネネちゃんに優しくするエネルギーはもう残ってはいない。

ネネちゃんも、そんなママを見て『ネネなんていないほうがいいんだ…』と思ってしまうかもしれません。

 

まとめ

・・・こんなふうに妄想をしましたが、実はこれ、母子登校(付き添い登校)をしているご家庭あるあるです。

子どもはお母さんに「いつもついてきてくれてありがとう」「明日は頑張る」「ひとりで行けなくてごめんなさい」と言うけれど、朝になると「昨日言ってたあの言葉はなんだったの?」と思うくらい、前日のような前向き発言と真逆の行動をとる。

期待させて、何なの?と思って、またお母さんはイライラ…そんなお母さんを見て、子どもは不安になる…

という負のループに陥っているご家庭は少なくありません。

 

よく、「口では聞こえのいいことを言うのに、行動が伴わなくてイライラします。なんでひとりで行けないのって思います」というお話を聞くのですが、そういうことを言わないと、その瞬間の家での雰囲気が悪いままになるからであるとか、親に見放されたくないという不安であるとか、その子なりの理由があることがほとんどです。

どうしてこんなことを言ったのだろう?と考えてみると、「親の怒りに触れたからかも」とハッとすることもあるかもしれません。

 

それでは、今回はこのへんで終わりたいとおもいます。最後までお読みいただきありがとうございます。

また次回のブログにてお会いしましょう 🙂

まいどん先生(公認心理師)

 

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