不登校・母子登校に苦しむお母さんのおはなし。前編

不登校・母子登校に苦しむお母さんのおはなし。

ブログをお読みいただきありがとうございます。

公認心理師の山下です。

今回は、不登校や付き添い登校に悩まれたお母さんの葛藤をテーマに記事を書いてみたいと思います。(こうやって解決しました~というより、こんなふうに葛藤している人もいますよ…ということを中心に書きます)

 

どうすれば自信をつけて母親から離れて行動できるのだろう

あるお母さんは、私にこのような質問をしました。

 

「何を言えば子どもは自信を持てるのでしょうか」
「長期休み中、何をすれば子どもは自信を持ちますか」

 

私の回答は「自信をなくす言葉がけをやめましょう」だったのですが、やんわりと、

「お母さんの普段のお子さんへの言葉や働きかけが自信をなくさせているよ~」

という意味を含んだ回答でした。

 

「このお母さんは、おそらく『私がこの子の自信をうばっている』という自覚がある。」

私はそう確信しながら、さてどうしたものかと悩みました。

 

この子は学校で居場所を見失っている。

とても繊細な気質を持った我が子。

うまくクラスに入れないことで、周囲にどう思われているのか気にしてしまう。

校舎に入った途端固まって、学校でお話ができなくて、輪に入れない。

 

お母さんはそんな子どもに対してもどかしさがあり、私に「もっと自立しないといけないよ。率先してクラスのみんなの手助けをしたり、授業で手をあげたり、積極的にいかなきゃと言いたいんですが、言っていいですか?」とも聞きました。

私の答えはNOだったのですが、そのお母さんは、『やっぱり、そうだよね…』といった反応でした。

 

付き添い登校をしている我が子が、教室でひとりポツンと過ごしている。

その様子に、お母さんは『大丈夫かな。心配だな』と思いつつも、同時に『そんなふうに一人でいる選択をしてるからいつまでたってもママがいないと怖いっていうんじゃないの』という怒りがありました。

その怒りを押し殺して、子どもの登校に付き添う毎日。

 

毎日、毎日、毎日…

いつまでこれを続けるの?いつ抜け出せるの?と、お子さんはもちろんですが、お母さんは苦しまれていました。

 

子どもに自信をつけさせたい母親と母親自身の生きづらさ

そもそもこの子にとって必要なのは、おそらく「絶対的な味方」の存在。

それを、どういうふうにお母さんに伝えていこうか…。

 

自分を助けてくれるはずの母親が、1日に10回くらいは自分を否定する言葉を投げかけてくるような状況。

細々としたレベルでのやりとりを含めるとそれくらいは毎日否定のシャワーを浴びさせてしまう毎日。
言葉だけではなく、態度でも。

わが子を『変な子だから矯正しなければならない』『自立できていないから成長させなければならない』という強い思いでかかわって、空回りしてしまっている。

 

「心の奥底では、子どもを愛せていないんです」

「私、本当は子どもを拒絶してるんだと思います」

と、カウンセリングのたびに泣きながら話すお母さん。

 

この状態で「言葉」で子どもに自信をつけさせようと働きかけようとしても、おそらくマイナスしか生み出さない。

心の奥底で拒絶している相手に、「頑張ってるよね」と言っても、声色・表情・雰囲気が「嘘」であることを物語ってしまうからです。

それを、このお母さんはわかっている。わかっていながら、必死にもがいていました。

 

子どもに優しくなったり、厳しくなったり

子どもが不登校や母子登校になり、

『子どもに優しくなった』と同時に『ますます子どもに厳しくなった』という人は少なくありません。

 

子どもが学校に通うことへの不安を感じ、精神的に不安定になった。

小学生になった我が子が、イヤイヤ期の時のように親が何を言っても大泣きし、「あぁー!」「うぅー!」「おわぁさぁあんいやだぁあ」など、赤ちゃんが発するようなクーイングに近いことを延々と叫ぶ。
レゴの最後のブロックをうまくはめ込めなかったというような些細なことで怒って泣いたり、お母さんの膝の上でごはんが食べたいと駄々をこねだしたり。

 

これまではそんな様子は見られなかったのに、これは異常事態だと母親は学校を休ませたり、子どもにつきそって登校をさせる。
そんな不安定さがあるわが子に、母親は必死に褒めたり励ましたりする。
小学生の子どもがひとりでトイレに行ったり、ごはんを食べられたことに対しても、「すごいすごい!」「できてるよ!さすが小学生だね!」と褒める。

まるで幼稚園児期の子育てをなぞっているかのような関わりをする。

 

しかし、このような関わりをする反面、母親の心の中にはある疑問と不安が生じやすくなるんです。

 

『もう小学生なのに、こんなこともできないなんて。この先この子はどうなるのだろう』

そして、子どもの精神面や登校不安定さがマシになってきた頃、母親は子どもに対して厳しくなってしまいやすくなる。

「それくらい自分でやりなさい!小学生でしょ」
「自分で言ったことは最後まで責任を持ってやりきりなさい!」
「学校からやりなさいと言われていることはきちんと取り組まないとだめでしょ!」

こんなふうに、これまでの幼稚園児期の子育てをなぞるような関わりをやめた途端、急に厳しい関わりに変わってしまう…。

これは長く支援をしてきて、よく見かけるやりとりです。

 

根っこにあるのは「焦り」と「恐怖」

『これまでの遅れを取り戻し、この子を集団に戻さなくては』と焦ってしまう。
学校という場にうまく適応できない=死 というと大げさだけれども、「わが子が集団に属せない」ことへの不安がある。

周りの子と違う様子を見せるわが子への危機感というよりも嫌悪感

 

「私は、ずっと自分の母親の顔色をうかがっていきてきていました。母親(私)の期待にこたえられないわが子を、わがままだと思ってしまうんです」

「どストレートに愛を求めて母親に甘えてくることに戸惑ってしまう。だって私、こんな風に母親に甘えたことがない。母親を困らせたこともない。

そんなふうに感情を持てあまされても、私はどうしていいかわからないし、そんなもん、自分で何とかしてよ。乗り越えてよって思っちゃうんです。

そんなことを思う自分にうすうす気づきながらも、怖くて見つめられませんでした」

 

本当は自分はわが子にどう思っているのか。本音を見ないようにして、自分をだましだまし子育てをしてきた。

そして小学生になりわが子の様子がおかしくなっていってしまった。

自分自身を否定されているような。やはりこうなってしまったかということを受け入れろといわれているような。自分のような未熟な人間が子育てなんて無理なのだ。

そんなことを突きつけられ、自分がバラバラになっていくような、そういう感覚だ…とお母さんは話されていました。

 

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このブログを読まれてみて、「うわ、わかる」「うちもまさに同じ状態」と思われているかたって、実は少なくないんじゃないかなと思います。

不登校や付き添い登校で悩まれている親御さん同士、X(旧Twitter)などSNSで情報交換やつながりを持たれていると、「子どもの不登校を受け入れなければならない」「登校を促してはいけない」「子どもの意思を尊重しなければならない」「親が明るくいなければならない」といった、今回書かせていただいたような心のドロドロを子どもに悟られてはいけないし、むしろ考えてもいけない…という意見を見かけることもあると思います。

その意見も正しいと思うのですが、ただ、本心ではそうではない場合、無理にポジティブでいよう。笑顔でいようとすると、乖離がおきてお母さんの心が崩壊してしまうこともあると私は思っていますし、実際にそうなってしまってボロボロになって私のもとにたどり着いたという方をたくさんみてきました。

 

今回は前編ということで、後編も同じく親御さん方の葛藤をテーマに記事を書いてみたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。次回のブログもお読みいただけたら嬉しいです 🙂

 

※今回(次回)の記事はプライバシーの問題でフィクションが含まれています。(現実との境界が曖昧になるような書き方をしています。)

まいどん先生(公認心理師)

 

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